Pandora Radio、登録ユーザー数が2億人を突破
米国最大のネットラジオPandora、登録ユーザー数が2億人を突破!音楽に関心を持ってもらうためのモデルとは?
全米最大のオンラインラジオ・サービス「Pandora Radio」が登録者数2億人を突破したことを発表しました。軽く日本の人口を超えています。
Pandoraは2005年夏に登録ユーザー制を始め、サービス開始6年目の2011年6月に登録ユーザー数1億人に到達しました。その後ユーザー数は急速に伸び、2年もかからずに2億人に達成しました。2年の間に音楽好き1億人にリーチしたということ。または、1億人から音楽への関心を引き出し音楽好きを顕在化させたとも言えます。
「Pandora=音楽」の世界
Pandoraができる機能はただ一つ。それは音楽を流すラジオ機能。だからPandoraにユーザー登録する人は、何らかで音楽に感心がある人であると言えます。(アクティブ・ゴーストユーザーの話はありますが)登録者2億人の関心を音楽サービスに向けるPandoraの魅力と価値を訴求するチカラは尊敬に値します。断言します。「Pandora=音楽」です。Pandoraはその世界を創造してしまいました。
2億人という数字は決して短期間で達成できる数字ではありません。もしAppleが噂されるオンラインラジオサービス(iRadio)を開始しても、数億人規模のユーザーを獲得するまではかなりの時間がかかるでしょう。その意味では、Pandoraの巨大なユーザー規模は、Appleに対抗できるだけのリソースになるに違いありません。
モバイルが成功の中心
2億人のうち、1億4000万人以上がPandoraにモバイルからアクセスしています。このことから北米市場ではモバイルが音楽ストリーミングサービスやオンラインラジオでの中心になってきたことが注目です。
スマホの普及に合わせてサービスもスマホに最適化させる。常識的なことですが、PCサービスをスマホに対応させること、そしてユーザーからの満足度をスマホでもPCでも実現すること、新しい価値を新しいプラットフォームで提供することはたやすいことではありません。ですが、そこに対応してきたからこそPandoraの成長とオンラインラジオ市場の拡大は続いていると思います。
サービスを使い続けてもらうために
サブスクリプションだ、チケット制だ、無料配信だといろいろなモデルがでてきました。ですが、どんなに優れていても、どんなに使いやすくても、使い続けてもらわなければ、サービスは存在価値がありません。そのために必要なことは、ユーザーの関心を惹きつけることです。
朝起きて通勤の電車や車で音楽を聴いて、会社のPCで聴いて、一人でランチする時にスマホで聴いて、夜家に帰ってからタブレットで聴いて寝る。一日のサイクルの中でも数多くの利用シーンが考えられます。ユーザーの日常にPandoraの存在価値を示すことで、音楽に関心を引きつけてきた。なぜならPandoraは音楽しか提供できないから。では、ライフスタイルに適応するといって、モバイルなのか? それは違うと思います。SNS機能、それだけでもないと思います。
Pandoraの場合、ユビキタス環境で音楽体験を実現するモデルで音楽好きの関心を広げたと感じます。なぜなら音楽好きならいつでも音楽にアクセスしたいから。シンプルな設計でただサービスを環境に応じてアップデートさせていく。それだけです。これからもPandoraはPCとモバイルで音楽体験を提供し続けていくでしょう。そして今後はすでに始まっている自動車やデジタル家電の分野でも同様の体験を実現していくと思います。今回の2億人突破は一つの達成だと思いますし、今後もユーザーの関心を引くサービスであり続けるとおもいます。
Pandora is Now 200 Million Music Fans Strong(発表資料)
Pandoraは、幾つかのユーザーの視聴行動も明らかにしました。
3月は月間アクティブユーザーが6950万人を突破し、利用者数は拡大しています。
Pandoraユーザーは聴いた音楽に対し250億回以上「Thumbs」で評価しており、流れてくる音楽レコメンデーションのパーソナライズ化を強化しています。
Pandoraでは毎日2億曲が朝10時前までにストリーム再生されています。
3月にアーティスト10万組以上、100万曲以上がプレイされています。その内の多くの曲はラジオではオンエアされない曲が多く含まれています。
「私達は、人が好きな音楽と出会い楽しみ、そしてミュージシャンがファンに音楽を届け増やすために、Pandoraを作りました。ラジオが変わりつつあることは明確です。これは音楽ファンそして数千組のミュージシャンにとっては素晴らしい変化です」とPandora創業者でCEOのティム・ウェスターグレン (Tim Westergren)はコメントしています。
■記事元:http://jaykogami.com/2013/04/1804.html
記事提供:All Digital Music(by Jay Kogami)
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ジェイ・コウガミ:
海外のデジタル音楽情報をテーマに、音楽ストリーミングサービスやその他の音楽サービス、デジタル音楽トレンドの動向、クリエイティブなデジタルPR事例、企業の音楽マーケティングなどをいち早く日本で紹介。
学生時代は米国オレゴン州で生活。高校でネットラジオ、大学で初期のナップスター(Napster)やP2Pファイル共有サービスを体験、以降音楽コンテンツと人のコミュニケーションに関心を持つ。
これまで「ベストギア」(徳間書店)での取材、音響雑誌「Gaudio」(共同通信社)での連載、オンライン音楽ニュースサイト「コラム・スピン」などで執筆。
またインディーズ・アーティストのオンラインプロモーションを手伝っている。
音楽好きとテクノロジー好きに最新のデジタル音楽情報と、新しい音楽体験を届けるべく日々奮闘中。音楽業界に、新しい音楽体験情報を届ける。現在プロジェクトチーム「soundtribe」で活動中。
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