仏発Deezer、車載音楽システムでMiniと提携
フランスの音楽ストリーミングサービス「Deezer」、車載音楽システムでMiniと提携
フランスに拠点を置く音楽ストリーミングサービス「Deezer」は自動車ブランド「Mini」と提携し車内での音楽配信機能を拡張しました。
本日からDeezerのサブスクリプションプラン「Premium+」会員の人は、Deezerアプリと車載エンターテイメント・システム「Mini Connected」を連携させるだけで、Deezerの2500万曲以上の音楽に車の中からアクセスできるようになります。
運転手はMiniジョイスティック、ダッシュボード、運転ハンドルに付いているボタンを使ってアプリを操作します。
音楽サービスと自動車ブランドのパートナーシップは年々拡大しており、車内の音楽体験をCDやiPodの代わりに音楽ストリーミングから配信するという音楽版「Connected Cars」の流れが海外では浸透しています。Deezerは今年始めにボルボとも提携し、車載エンターテイメント・システムに音楽アプリの連携を開始しています。またネットラジオPandoraは合わせて85車種以上のシステムに統合され、車内のエンターテイメントを強化しています。自動車ブランドにとっては、独自のコンテンツを獲得する手間とコストがなくなり、運転手は自分が普段使っている音楽サービスの設定やプレイリストをそのまま車内にも持ち込んで楽しめるというメリットがあります。
音楽サービスと主な自動車ブランドの提携関係
Deezer – ボルボ, Mini
Spotify – ボルボ、フォード、
Pandora – クライスラー、米マツダ、メルセデス・ベンツ、フォード、GM
例えば自動車メーカーが独自の音楽コンテンツを始めるとなれば、コンテンツ取得(使用ライセンスを含む)などゼロからはじめなければならない必要があります。また必ず運転手や家族のニーズにマッチしたコンテンツを配信できるとも限りません。もし実施した場合でも、TVCMに使われている限られた楽曲だったり、ラジオで聴こえてくる音楽と変わりないコンテンツしか配信していないと思います。
音楽サービスと連携することで、パーソナライズドされたプレイリストやライブラリーが簡単に呼び出せたり、無限のカタログから検索ができるので、運転手にとってはラジオでは聞くことの出来ない音楽を車内で楽しむことができるでしょう。音楽サービスと連携を進める自動車ブランドは、数多くの運転手を満足させようとする自動車の機能的な考え方として音楽を提供するのではなく、一人の運転手が楽しめるパーソナリゼーションを追求できるかの付加価値を提供するサービス的なアプローチに今後の車内音楽の可能性を見出しているな気がします。
■記事元:http://jaykogami.com/2013/05/2142.html
記事提供:All Digital Music(by Jay Kogami)
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■Jay Kogami facebook:https://www.facebook.com/JayKogamiPosterous
ジェイ・コウガミ Profile:
海外のデジタル音楽情報をテーマに、音楽ストリーミングサービスやその他の音楽サービス、デジタル音楽トレンドの動向、クリエイティブなデジタルPR事例、企業の音楽マーケティングなどをいち早く日本で紹介。
高校から米国オレゴン州ポートランドで生活。高校でネットラジオ、大学で初期のナップスター(Napster)やP2Pファイル共有サービスを体験、以降音楽コンテンツと人のコミュニケーションに関心を持つ。
オレゴン大学在籍中は、地元のコミュニティラジオ局「KWVA」でDJとプログラム・ディレクターを3年弱担当。
これまで「ベストギア」(徳間書店)での取材、音響雑誌「Gaudio」(共同通信社)での連載、オンライン音楽ニュースサイト「コラム・スピン」などで執筆。
またインディーズ・アーティストのオンラインプロモーションを手伝っている。
音楽好きとテクノロジー好きに最新のデジタル音楽情報と、新しい音楽体験を届けるべく日々奮闘中。音楽業界に、新しい音楽体験情報を届ける。現在プロジェクトチーム「soundtribe」で活動中。
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