Deezer、有料会員数500万人を突破
Spotifyと競争する定額制音楽ストリーミングサービス「Deezer」が有料会員数500万人を突破:新レコメンデーション機能、Mac版アプリを追加
Deezer
Spotifyと競争している、定額制音楽ストリーミングサービスの「Deezer」が、有料会員数をこれまでの2倍の500万人に拡大させたことを発表しました。
Deezerはまた月間アクティブユーザー数が1200万人に到達したこと、楽曲カタログ数が3000万曲を突破したこと、そして世界のモバイルキャリアやネットワークプロバイダー25社とパートナー契約を締結したことを発表しました。
Deezer CEOのアクセル・ドーシェ(Axel Dauchez)は、
「私達は1年で有料会員数を2.5倍に拡大しました。これは他のどのサービスでも達成していない数字です。しかもこの数字はアメリカ音楽市場を抜きで実現しました。従ってとても大きな功績です。」
とコメントしています。
Deezerの成長は、特にモバイルキャリアとの提携が牽引しています。モバイルキャリアとDeezerは、定額制音楽サービスを月額のモバイルプランにバンドルして提供しています。しかしこの関係のため、Deezerの有料会員数500万人の中でどれだけが純粋にDeezerをアクティブに活用しているユーザーなのかは分かっていません。
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Deezerの新機能
Deezerはユーザーにより関係性の強い音楽をオススメしてくれる新たなレコメンデーション機能「Hear This」と、iTunesに入っている音楽コレクションと連携できるMac向けデスクトップ・アプリを新たに発表しました。
「Hear This」はアルゴリズムとDeezer独自の編集スタッフ50人以上によるキュレーションをミックスして、アルバム、アーティスト、プレイリストをレコメンドしていきます。これはSpotifyがすでに実装している「Discover」機能に匹敵すると言えます。
新機能についてドーシェは
「音楽発見(ミュージックディスカバリー)は非常に重要で、音楽制作する側とリスナーをつなげるリンクです。それ以上にミュージックディスカバリーは一般ユーザーにとってとても重要になります。もし同じ曲ばかり聴いていると、短期間では個人の満足度を上げられるでしょう。しかし、それでは音楽で個人のアイデンティティを作ることはできません。
今、音楽ストリーミングの分野ではこの部分が貧弱です。今市場を見渡すと、レコメンデーションなどまあまあ存在します。しかし、そこには「トライしてみよう」という気にはさせてくれますが、「ずっと使いたい」と思わせる理由が存在しません。私達はユーザーが新しい作品と出会うための変化を作らなければなりません」
と述べています。
「Hear This」はiOSとAndroid端末、ウェブサイトに導入されます。
新しいMac向けデスクトップ・アプリは、Deezerの楽曲カタログとユーザーのiTunesコレクションを同期させ、タブレットやスマートフォンなど複数のデバイスで楽曲コレクションを楽しめるようにします。
Deezerは新しいミュージックディスカバリー機能とデスクトップ・アプリが、音楽ファンをダウンロードから音楽ストリーミングへ乗り換えるキッカケになると期待しています。またSpotifyやRdio, さらにグーグルやアップル、ヘッドフォンブランドのBeatsらとの差別化要因になると考えています。
Deezerと競合するSpotifyは、3月の発表ではアクティブユーザーが2400万人、有料会員数が600万人と音楽ストリーミングの分野では一歩リードしています。
ドーシェはまた
「ファイルを所有することと、CDを所有することを同じように扱うことは間違っています。アナログレコードを所有すること、CDを所有することには何かしろの意味があります。ですがファイルの所有には、そんなことはありません。
個人的にダウンロードは「トランジションのためのテクノロジー」だと思います。リアルな世界のモノをデジタル製品に置き換えただけです。ですが、誰もファイルを所有することに意味を感じていません。私はダウンロードは衰退していくと思います。音楽のエコシステムにおいて今後も必要になるでしょう。しかしこれからはストリーミングの世界へと移行していくでしょう」
と見解を示しています。
さらにドーシェはアーティストとの関係性について
「ミュージックディスカバリーはアーティストにとって最も重要になります。ミュージックディスカバリーはアーティストを音楽ストリーミングへ移行させる重要な要因です」
と述べ、新機能を強調しています。
■記事元:http://jaykogami.com/2013/11/4690.html
記事提供:All Digital Music
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