ドイツ音楽市場、2013年は15年ぶりにプラス成長
ドイツの音楽業界、2013年は15年ぶりにプラス成長。CDは今も健在、急成長の音楽ストリーミングは91%増
世界の音楽業界はデジタル音楽がいい方向に影響していますね
ドイツの音楽産業連邦協会(BVMI)は2013年のドイツ音楽産業の詳細な売上データを発表しました。ドイツでは15年ぶりにプラス成長を記録、売上額は前年比1.2%増加して14億5200万ユーロ(約2072億3500万円)になりました。プラス成長の要因はデジタル売上の売上増加、特に音楽ストリーミングの急成長、そしてコンスタントなCD売上でした。
1999年にP2Pサービス「ナップスター(Napster)」が開始して以来、ドイツでは過去14年に渡り年間音楽売上はマイナスを継続してきました。
ドイツの音楽市場で最も大きな売上シェアを持つフィジカルCDの売上は、1.3%微減したものの10億ユーロ(約1427億2400万円)の売上を達成しました。
デジタル音楽の売上は11.7%の二桁成長で3億2800万ユーロ(約468億1332万円)の売上を記録。
アナログレコードの売上はドイツでも人気が拡大傾向にあり、47.2%増加し2900万ユーロ(約41億4130万円)でした。
2013年の音楽売上総数では、フィジカルの売上が占める割合は77.4%、デジタル音楽の売上は22.6%でした。
音楽ストリーミングサービスが急成長
大きく成長に貢献したのは、音楽ストリーミングサービスからの売上です。音楽ストリーミング大手Spotifyや、Simfyなどドイツ国産の音楽サービスからの売上が大きく貢献し、売上は前年比91.2%増加し6800万ユーロ(約97億円)を達成しました。
デジタルアルバムのダウンロード売上は4.8%増加して1億5100万ユーロ(約216億円)とわずかな成長でした。
シングルダウンロード売上だけはマイナスを記録し、4.4%減少し1億400万ユーロ(約148億円)となりました。
音楽ストリーミングサービスは音楽売上総数でのシェアは4.7%と2012年から2倍近く成長する結果となりました。
CDが依然大きなシェアを占めるドイツの音楽市場の動向からは、CDとデジタルのバランスやコンテンツの権利許諾など、日本の音楽業界としても色々考えられるのではないでしょうか。CDが売れなくなった時、デジタルも売れてなかったでは音楽ビジネスとして話になりません。より多くの人が音楽を聴けるようにするには、消費者にとって適切な音楽の「落としどころ」の見極めが重要になります。消費者のニーズにあった環境を作れるよう、業界全体が微調整しながら前進できれば、ドイツのようにCDを売りながらもデジタルも成長することができる音楽市場が作れるはずでしょう。
このブログでは、2013年の世界の音楽業界の売上推移をご紹介しています。その他の国の動向もご覧ください。
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■記事元:http://jaykogami.com/2014/03/6447.html
記事提供:All Digital Music
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