[海外] インディーズレーベル団体、YouTubeの定額制音楽配信を巡り欧州委員会に調査依頼へ
インディーズレーベル団体、YouTubeの定額制音楽配信を巡り欧州委員会に調査を依頼へ。強引な契約内容にアーティストらが異議
img via Flickr (Rego Korosi)
インディーズレーベルとYouTubeの戦いはPR戦に。
先日インディーズレーベルに対してYouTubeが独自の定額制音楽ストリーミングサービス向けにコンテンツを配信させるために、不平等な契約を提示していることが明るみになりました。
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インディーズレーベルを代表する非営利の業界団体「AIM」(Association of Independent Music)と「WIN」(Worldwide Independent Network)は6月4日ロンドンでプレスカンファレンスを行い、メディアに向けてYouTubeの脅威に対して徹底的に戦っていくスタンスを示しました。
このプレスカンファレンスには、同じく非営利のインディーズレーベル団体「IMPALA」の代表ヘレン・スミスや、英アーティストのビリー ブラッグ、ドイツの業界団体VUTのマーク・チャン(Mark Chung)、英国人アーティストの権利保護団体「FAC」(Featured Artists Coalition)、音楽ジャーナリストHelienne Lindvallが同席し、インディーズレーベルへのサポートを表明しました。
AIMのCEOアリソン・ウェナム(Alison Wenham)は、この記者会見でYouTubeの規制に対する審査を欧州委員会に求める計画を明らかにしました。この公式の訴状はIMPALAが中心となって進められます。
欧州委員会に提出する訴状では、YouTubeによるアクセス遮断および新たな脅迫の実施を阻止するための緊急の調査を要請するものです。
YouTubeはSpotifyと対峙するために、定額制音楽ストリーミングサービスのローンチを計画しています。同サービスはコンテンツを充実させるために大手レーベルに加えて、インディーズレーベルにもアプローチを始めています。しかしWINによれば、YouTubeとグーグルはインディーズレーベルに対して、交渉不可能なライセンス契約を提示、もし内容に合意できないようであればYouTubeからコンテンツを削除すると脅迫ともとれる契約を突きつけてきたと言われています。
プレスカンファレンスに合わせて、FACの共同議長を務めるレディオヘッドのギタリスト、エド・オブライエンは
「インディーズアーティストやインディーズレーベルは未来の音楽の最前線に立っている。このようなやり方で彼らを制限することは、ネットをスーパースターと巨大な企業だけが専有するリスクへとつながる。イノベーションとインディーズシーンのリスクをいとわない姿勢無しでは、私たちは前進するための必要不可欠な要素を失う事となるだろう。」
と述べています。
4日のプレスカンファレンス後、イギリスのレコード会社を代表する業界団体BPIもインディーズへの支援を表明しました。BPI代表のジェフ・タイラーは
「YouTubeは音楽動画の中心的プラットフォームで英国全てのレーベルおよびアーティストにとって重要なパートナーです。全てのインディーズレーベルがYouTubeにアクセスでき、不当に不利な立場に追いやられないことが重要であると私たちは信じています。
健全なインディーズシーンは英国音楽シーン全体の成功のために極めて重要です。私たちはインディーズレーベルの公平なアクセスを目指すキャンペーンを強く支持し、YouTubeにインディーズミュージックを尊重し評価することを求めます。」
とコメントしています。
現在YouTubeからコンテンツが無くなるということは、収益源の1つが無くなることを意味しこれはインディーズレーベルやアーティストにとっては大きな問題です。またプロモーションのプラットフォームとしても活用できるYouTubeへのアクセスを失うことは、ライブやツアーのPRに多大な影響を与える可能性があります。
YouTubeは楽曲を提供するレーベルがチャンネルを運用しながら、楽曲を聴くリスナーとの距離を縮めることができる最適なプラットフォームです。つまり今のこの関係性が正しいYouTubeであって、YouTubeが作ろうとしている関係(レーベルからアクセス権を剥奪)は現実を無視した、正しくない世界へとつながる危険性をおびています。
音楽が聴けるようにするためにはコンテンツが必要です。しかしその代わりにレーベルやアーティストが低い条件を飲まされることには、反対です。みなさんはどう思いますか?
■記事元:http://jaykogami.com/2014/06/7906.html
記事提供:All Digital Music
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