ソニー成長戦略の中心に映画、音楽、ゲームを位置づけ、米業界紙は好意的な反応
昨日(1月19日)、ラジオ業界誌ヒッツは「平井はソニーにとって音楽が利益を生む主要な部門だと見据えている」との見出しで、18日に東京で行われたソニーの中期経営計画で、「デバイス」、「ゲーム」、「映画」、「音楽」が重点分野に位置付けるとの発表に好感した。また映画業界誌ハリウッド・レポーターも、「ソニーは成長戦略の中心に映画、音楽、ゲームを位置づけた」と報じた。アメリカの業界誌は発表を好意的に捉えている。
アメリカの音楽業界は、落ち込んでいる実物のCD販売や、落ち込み始めたデジタル・ダウンロード売り上げ、急速に伸び続けているストリーミングからの売り上げで、新しいビジネス・モデルが求められている。実売調査会社ニールセン・ミュージック(サウンドスキャン)によると2014年のレコード会社の市場占有率は以下の様になっている。カッコ内は2013年。
1位 ユニバーサルミュージック 38.7%(38.8%)
2位 ソニーミュージック 28.5%(29.6%)
3位 ワーナーミュージック 18.8%(18.7%)
4位 インディーズのトータル 13.1%(12.4%)
ユニバーサルミュージックがトップだが、ユニバーサルの場合、自社の原盤に加え他社の原盤の売り上げが大きい。日本で言う営業の受託(相手先からすると営業の委託)だ。テイラー・スウィフトがいるビッグ・マシーン・レコードやリル・ウェインやドレイクがいるキャッシュ・マネー・レコードがそうだ。売り上げは大きいが利益は少ない。
また正式な市場占有率の発表がない音楽出版業界だが、ソニー傘下のソニー/ATV音楽出版は、ユニバーサルミュージックの音楽出版部門やワーナーミュージックの音楽出版部門のワーナー/チャペルを押さえてトップだ。
今年(2015年)のアメリカの音楽業界はどう変化するのだろう。ところでニューヨーク証券取引所の米ソニーの株価(ADR)は、平井社長が就任直後9ドル台まで落ち込んだが、直近では約2.7倍の27ドル台まで上昇している。アメリカの投資家はソニーのハードかソフトか、どちらを評価しているのだろうか。
下の写真はグラミー賞後のパーティーで(業界誌ヒッツより)
左からソニーミュージック会長兼最高経営責任者のダグ・モリス、ソニー/ATV会長兼最高経営責任者のマーティー・バンディアー、平井社長、平井夫人、弁護士アレン・グラブマン、グラブマン夫人。平井夫人の公式写真は極めて珍しい。
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