フランスの定額制音楽配信Deezer、年内にIPOへ
フランスの定額制音楽配信「Deezer」が年内にIPOへ。SpotifyやApple Musicに対抗、展開国数は世界最大SpotifyやApple Music、Google Play Musicなどと競争しているフランスの定額制音楽配信「Deezer」(ディーザー)が年内にパリの証券取引所でIPO(株式公開)を計画していると、ロイターに語った。
Deezerは株式公開で目指す資金調達の目安を明かしていない。しかし音楽業界の収益モデルが大きな転換期を迎え、投資家の定額制音楽配信に対する関心が高まっている中でのIPOとなる。
フランスを拠点に世界182カ国にサービスを展開するDeezerは、2010年の開始以来、有料会員630万人、アクティブユーザー1,600万人を獲得しているが、ライバルのSpotifyが獲得している有料会員2,000万人、アクティブユーザー7,500万人には遠く及んでいないのが現状だ(Spotifyは現在58カ国で運営)。
DeezerのCEO、ハンス・オルガー・アルブレクト(Hans-Holger Albrecht) はロイターに対して「株式公開で調達した資金を基にサービスと配信を向上させる」と語っている。Deezerの戦略はSpotifyとの直接的な競争を避け、アジアやアフリカなど新興国への進出に注力する海外戦略を打ち出してきた。2014年9月に入りようやく米国でローンチ(Spotifyから3年遅れ)、SonosやBose、Cricketと提携して高音質での配信を展開するなど、他社サービスと差別化を図っている。
またDeezerにとって重要な戦略は、ボーダフォンやドイツテレコム、Orangeなどモバイルキャリアとのパートナーシップ。キャリアとの提携を積極的に結び、スマホの月額プランにDeezerを組み込んだバンドル・プランを提供して、多くのユーザーを獲得している。
Deezer最大の株主は、投資家Len Blavatnik率いるAccess Industriesで株式27%を保有している。Access Industriesは世界メジャーレーベルの1社、ワーナーミュージック・グループの親会社でもある。その他には、Orangeが11%、ユニバーサルミュージック(5.9%)、ソニーミュージック(3.8%)、ワーナーミュージック(3.8%)、ワーナー・フランス傘下のEMI(1.9%)とメジャーレーベルが15.4%の株式を保有している。
フィナンシャル・タイムズによれば、昨年Deezerの売上高は1億4200万ユーロ。だがオルガー・アルブレクトは2018年には売上高は7億5000万ユーロまで伸びると期待している。
■記事元:http://jaykogami.com/2015/09/12071.html
記事提供:All Digital Music
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