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Rdio、破産前は毎月200万ドルを失っていた

コラム All Digital Music

定額制音楽配信Rdioの破産で見えてきた運営の裏側Rdio、破産前は毎月200万ドルを失っていた

先日破産を申告したばかりの定額制音楽配信サービスの「Rdio」(アールディオ)は、米国時間11月23日からRdio有料会員のアカウントをキャンセルするプロセスを始めることをブログで発表しました。

Rdio有料会員は次の請求日にアカウントがキャンセルとなり、それ以降に利用できるのは無料で広告付きの「Rdio Free」だけとなります。Rdio Freeはデスクトップからは曲やアルバム、プレイリストをオンデマンド再生でき、モバイルデバイスからは広告付きのパーソナルラジオステーションの再生ができるサービスです。

またRdioは11月23日以降は新規に有料会員を受け付けることを止めます。

定額制音楽配信の「Rdio」が破産を申請し事業を終了。Pandoraが資産を7500万ドルで取得 | All Digital Music

定額制で有料と無料の音楽配信サービスを提供してきたRdioは、同じ音楽配信ビジネスで競争相手でもあるPandoraに重要な資産を7500万ドルで売却して、破産保護を申請しました。提出された破産申請書類からはRdioが置かれていた不安定な財政事情が浮き彫りになっています。

まず破産申請時に、Rdioは約1億9000万ドル(約233億円)の被担保の借入、3000万ドル(約37億円)の無担保での借入があることが明らかになっています。

Rdioの債権者には、最大手株主のPulser Mediaとなっていますが、それ以外にもセットトップボックスのメーカーRoku(270万ドル)、ソニー・ミュージック(240万ドル)、AXS Digital(125万ドル)、Shazam(120万ドル)、ワーナーミュージック(613,000ドル)、ユニバーサルミュージック(294,000ドル)、インディーズレーベルを代表する団体Merlin(134,960ドル)が債権者に名を連ねています。

またRdioは毎月およそ200万ドル(約2.5億円)を失っていた状態で、急激な速度で資金を失っていたことが伺えます。

Rdioの大半の収益は月額9.99ドルの有料オプションで、毎月150万ドル(約1億8400万円)の収益を上げてきました。しかし、運営コストは400万ドル(約5億円)に膨れ上がり、これらはロイヤリティ分配の支払い、従業員の給与、サービスのメンテナンス費用などに消えていきました。

別の記事で書くつもりですが、定額制音楽配信サービスは運営が難しく度のサービスも苦しいフェーズに直面することは、すでに知られている常識で、沢山の競合と対峙しながら音楽ビジネスを維持させることについての成功方程式が存在していない現状の課題を、Rdioの破産はまざまざと提示しています。

一時期はSpotifyのライバルと言われたこともあったRdio(Apple Music登場までは)でも生き残ることはできませんでした。Pandoraはすでに2016年末までに拡張したサービスを導入すると言っているため、Rdioが培ってきた機能はPandoraが開発するかもしれない次のサービスに導入される可能性が大いにあります。音楽ストリーミングサービスは増えつづけるユーザーのニーズに応え続けるため、資金を投入してサービスを多様化することで有料会員を長期で獲得するアプローチへと移ろうとする変革期に入っています。

この変革を乗り切るためPandoraやSpotifyも先を見据えて変化し続けています。Rdioの破錠は、定額制音楽配信のニュースとしては残念なものですが、何も海外の問題だけで終わる訳ではないはずです。日本で始まったばかりの定額制音楽配信サービスを含む、世界各地の定額制音楽サービス全てが戦略を振り返るための、成功に向けたチェックポイントとして業界で議論や分析するきっかけとなっていくのではないでしょうか。

■記事元http://jaykogami.com/2015/11/12311.html


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Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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