定額制音楽配信「Spotify」が動画配信に本格参入
定額制音楽配信「Spotify」が動画配信に本格参入。大手メディアのコンテンツが無料で視聴
SpotifyがAndroidアプリをアップデートし、動画配信を開始しました。Spotifyの全Androidユーザーはテレビ局の番組からのクリップや、動画コンテンツが視聴できます。
Spotifyアプリ内の「Browse」から「Shows」を選択すると、動画がプレイリスト形式で表示されます。Spotifyによれば、動画はユーザーの好みの音楽や視聴履歴に合わせてレコメンドされる設定だと言います。
「Shows」セクションでは動画コンテンツの他に、ポッドキャストのコンテンツも用意されています。Spotifyは過去数カ月に渡ってポッドキャストの配信も準備してきました。
Spotifyが提供する動画コンテンツは、BBCやNBC、ESPN、MTV、Comedy Central、Vice News、Slateなどテレビ番組のクリップからオンラインメディアの動画コンテンツさらには動画クリエイターによるコンテンツが配信されます。
YouTubeとの大きな違いは、Spotifyの動画コンテンツにはプリロールなどの広告が入らないことです。Spotifyはプレミアム・アカウントユーザーだけでなく、無料ユーザーにも動画を配信します。Spotifyはメインのターゲットは音楽ファンであると説明します。
iOSアプリのアップデートは早ければ来週にリリース予定です。しかしデスクトップアプリでの動画配信についてSpotifyは言及していません。
定額制音楽配信の分野では、Spotifyの他にもアップルのApple MusicやグーグルのGoogle Play MusicやYouTube Red、フランスのDeezerが世界展開しています。また日本のAWAやLINE MUSICのようにローカルの定額制音楽配信が各国に存在して、ユーザー獲得とビジネス拡大を競っています。
ヒップホップのプロデューサー、ジェイ・Zが運営者を務めるTIDALのように、高音質を謳ったサービスなど、定額制音楽配信ではユーザー獲得を目指して差別化要因を付加価値として提供する動きが活発に行われています。
Spotifyは、どのサービスよりも先行して初めて本格的に進出する音楽ストリーミングと言えます。TIDALやApple Music、YouTube Redも動画を配信しますが、それらは音楽PVが中心で、テレビ番組やオリジナルコンテンツなどエンターテインメント系コンテンツにまで裾野を広げるSpotifyとは、動画の位置付けが異なるところが特徴的です。
またSpotifyが動画を全ユーザーに配信することも、ビジネス的に大きな意味があります。Spotifyの現在のアクティブユーザー7500万人をさらに拡大させるために、なるべく多くのチャネルを作り新規ユーザーを獲得していくことに期待が集まっています。定額制音楽配信の将来を占う意味で、音楽業界内そして投資の世界では、他社を引き離してリードするSpotifyのユーザーベースと拡大戦略がベンチマークとして注目が高まります。
ソース
Spotify Now Videos And Podcasts Leave Beta, Live In Android App Starting Today(Android Police)
■記事元:http://jaykogami.com/2016/01/12660.html
記事提供:All Digital Music
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