音楽ダウンロードストアBeatportの売却が決定
音楽ダウンロードストアBeatportの売却が決定、破産したSFX Entertainmentが5月に公売へ
2月に3億ドル以上の負債を抱えて破産した、EDMフェスティバル専門のイベント・プロモーション会社大手「SFX Entertainment」は、子会社でもあるエレクトロニック・ミュージックのオンラインストア「Beatport」の売却を決定しました。
SFXは2013年に5000万ドル (約56億円)でBeatportを買収し、DJやトラックメイカーそしてオンラインユーザーにリーチするためのデジタル戦略の一環として運営してきました。SFX運営中にBeatportはオンラインストア以外に、定額制音楽ストリーミングサービスや、EDMフェスティバルのライブストリーミング配信を行う「Beatport Live」などに事業の幅を拡大するなどしてEDMファンの獲得を狙ってきました。Beatportは2015年期には550万ドルの営業損失を計上しています。
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裁判所に提出された書類によれば、SFXはこれまで24の買い手候補企業と買収についての協議を行ったとのこと。買収はオークション方式で行われ、4月28日が入札の最終日となり入札は最低25万ドル単位。5月3日にオークションが開催され、5月5日には買収先が裁判所によって決定となります。
SFX Entertainmentはまた音楽マーケティングが専門のデジタルエージェンシー「Fame House」の売却先も検討しています。2013年に買収したFame Houseは、2011年の創業からアーティストやDJのデジタルマーケティング戦略やソーシャルメディア戦略を提供してきました。これまで担当したアーティストには、エミネムやTiesto、DJ Shadow、Pretty Lights、さらにはパール・ジャムやアマンダ・パーマー、マルーン5などがいます。現在はアーティストのデジタルマーケティングに加えて、SFX傘下のプロモーション会社が運営する「Tomorrowland」や「Mysteryland」などイベントのマーケティングも担当するSFXのデジタルエージェンシーです。
Beatportはオンラインストアとしてブランドが確立されていますが、DJやトラックメイカーまたはコアなダンスミュージック・ファンが主なターゲットになっていることや、音楽業界全体を見てもダウンロードの売上が低下し始めたトレンドを見ると、やはりストア運営が今後どうなっていくのか、気になります。一方で、音楽ストリーミングサービスとしてのBeatportには価値があると見る企業はいるかもしれません。特にBeatportは動画ストリーミングや動画アーカイブも揃えているため、音楽と動画の2軸で攻めることができそうです。買い手企業が今後どういう方針でBeatportを運営するかに注目が集まります。
SFX Entertainmentが保有する子会社とEDMブランドは以下の通り。
●ID&T
– Tomorrowland
– TomorrowWorld
– Sensation
– Mysteryland
– Mysteryland USA
●Awakenings
●Beatport
●Life In Color
●iMotion
– Nature One
– Ruhr-In-Love
– Mayday Festival
●DDP
●MMG
– LIV
– LIV at Sun Life Stadium
– Story
●Made Event
– Electric Zoo
●Totem
– Stereosonic
●Q-Dance
– Qlimax
– qult
– X-QLUSIVE
– DEFQON.1
– Q-BASE
– QAPITAL
– FREAQSHOW
●b2s
– Decibel Outdoor Festival
– Hard Bass
– Thrillogy
– Pussy Lounge
– Knock Out!
– Loudness
– Hardcore4life
– Euphoria
– back2school
– Project Hardcore #PH
●React
– Summer Set
– Spring Awakening
– ClubTix
●Rock in Rio
●Fame House
■記事元:http://jaykogami.com/2016/03/12823.html
記事提供:All Digital Music
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