広告・取材掲載

ミュージシャンのデジタル収益を可視化するスタートアップ「Stem」に音楽関係者がこぞって投資、450万ドルを調達

コラム All Digital Music

ミュージシャンのデジタル収益を収集し可視化するスタートアップ「Stem」、スクーター・ブラウンら音楽業界から450万ドルを資金調達
ミュージシャンのデジタル収益を可視化するスタートアップ「Stem」に音楽関係者がこぞって投資、450万ドルを調達

コンテンツクリエイターの収益を可視化するツールを提供する米国のスタートアップ「Stem」(ステム)が450万ドルの資金を調達したと発表しました。

「Stem」のツールはオンライン・プラットフォームでコンテンツを配信するミュージシャンやコメディアン、ビデオブロガーなどクリエイターたちに、「誰がいくらの利益を上げたか」の流れをトラッキングし、作品制作やプロジェクトに関わるコラボレーターとの連携を強化します。StemのツールはYouTube、Apple Music、SoundCloud、Spotifyなどに対応します。

ミュージシャンのデジタル収益を可視化するスタートアップ「Stem」に音楽関係者がこぞって投資、450万ドルを調達

ユーザーはStemを使うことで、コラボレーターとの契約書の作成、配信プラットフォームから生まれる収益の集約と分配、ダッシュボード形式のUIで各プラットフォームでの実績データの分析が実現できます。デジタルクリエイターは収入が多様化する一方で、運用や契約が複雑化や、収益分配の透明性といった課題にも直面しています。Stemはクリエイターに持続的なビジネスツールを提供することで、収益の流れを一元管理でき、作品リリースで誰がどれだけ利益を上げたなどロイヤリティ分配といった難しい問題にも明確な情報を提示することができるようになります。

またStemで注目すべき点は、音楽業界関係者がこぞって投資に参加していることです。450万ドルのシード資金調達は、これまでMaker StudiosやVREALなどデジタルコンテンツのスタートアップへの投資を行ってきたUpfront Venturesがリード。

音楽業界からは、ジャスティン・ビーバーのマネージャーでSpotifyやUberなどに出資を行う起業家のスクーター・ブラウン(Scooter Braun)をはじめ、ケイティ・ペリーやアダム・ランバートのマネジメントを担当するDirect Management Groupのパートナー、ブラッドフォード・コブ(Bradford Cobb)、元ブルーノ・マーズのマネージャーでマーク・ロンソンのマネジメントを行うブランドン・クリード(Brandon Creed)率いるThe Creed Company、カルヴィン・ハリスやDeadmau5のマネジメントを行うThree Six Zero、Nicky RomeroやArno CostのマネージャーでオランダのProtocol Group代表サンダー・ランドザート(Sander Landsaat)など、デジタル/ソーシャル時代を代表する音楽家のマネージャーたちがこぞってStemを支援しています。

Stemに投資する投資家や音楽業界関係者
Allen DeBevoise
Blockchain Capital
Bradford Cobb
Creed Co.
Daniel & Andre Lieberberg
Dean Wilson
Dimension 6, LLC
Focus Investments
Ludlow Ventures
Mark Cuban
Mark Gillespie
Sander Landsaat
Scooter Braun
Scott Belsky
Shervin Pishevar
Three Six Zero
Upfront Ventures
Vayner/RSE
Wasted Talent

元United Talent Agencyのデジタルメディア・タレントのエージェントで、Stemの共同創業者ミラナ・ラブキン(Milana Rabkin)は、「私たちはクリエイターに持続可能な未来を保証するため、彼らがよりスマートに事業を運用するために必要なツール開発に注力しています」と答えています。

関連記事:2015年の世界の音楽産業は史上初デジタル売上がフィジカルを上回る、IFPIが発表。売上150億ドルで3.2%プラス成長

ミュージシャンのデジタル収益を可視化するスタートアップ「Stem」に音楽関係者がこぞって投資、450万ドルを調達
クリエイターへのロイヤリティ分配の透明化と向上は、世界の音楽産業で最も議論されるトピックの一つになっています。昨年国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した2015年のグローバル音楽レポートでも、YouTubeが音楽業界に支払うロイヤリティ料が、SpotifyやApple Musicなど定額制音楽配信と比べて驚くほど低く、クリエイターや音楽産業はこの「Value Gap=価値の乖離」の影響によって、アーティストとレーベルに公平な対価が支払われていない根本的な現状を大きな問題と捉えるべきと警告を発しています。

■記事元http://jaykogami.com/2016/05/13097.html


jaykogami
記事提供All Digital Music

Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
プロフィール
Twitter
Facebook