ソニーミュージック、中国テンセントの「Tencent Music」と音楽配信事業で連携強化
違法ダウンロードや海賊版が蔓延していた中国の音楽市場も過去の話になりつつあり、ストリーミングの波によってその様相が変化しています。その勢いを後押しするように、中国の大手IT企業とレコード会社による協力体制が急速に整備され、業界のビジネス基盤作りに余念がない様子です。
ソニーミュージック・エンタテインメントは、中国での音楽ビジネスをさらに拡大すべく、メッセンジャーアプリ「WeChat」や「QQ」などネットサービスで知られる「テンセント」が運営する音楽サービス「Tencent Music」と中国本土における原盤権の独占利用に関する戦略的提携契約を更新しました。
Billboardによれば、ソニーミュージックはTencent Musicと所属アーティストのプロモーション、マネジメント、オンライン配信で協力していく予定です。
Tencentと音楽ストリーミング市場の関係
今回更新された配信契約はソニーミュージックが抱える国際的アーティストをカバーし、この中にはマイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイ、ビヨンセ、ジャスティン・ティンバーレイク、カルヴィン・ハリス、ワン・ダイレクション、The Chainsmokersなどが含まれます。
2014年にソニーミュージックと独占配信権の契約を初めて締結したTencent Musicは、国内での配信ビジネスを強化するため、同様の契約をワーナーミュージックとも締結することに成功しています。
またテンセントは2016年に入って、中国の音楽ストリーミング企業の大手「China Music」の株式60%を取得して運用権を獲得することに成功、中国の音楽ストリーミング市場におけるNo.1の地位を確かなものとしています。テンセントが運営する音楽ストリーミングサービス「QQ Music」は、デイリーのアクティブユーザーが1億人、月間アクティブユーザーは4億人と言われています。China Musicは、中国で最大の音楽ストリーミングサービス「KuGou」と「Kuwo」を運営します。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、KuGouは市場の28%を占める業界トップの音楽サービスで、2位のQQ Music(15%)、3位のKuwo(13%)と合わせるとテンセント傘下のサービスがトップ3を占めます。
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テンセントのライバル企業アリババも音楽ストリーミング領域での著作権契約を国際的なライセンス管理会社「BMG」と締結、ローリング・ストーンズやブルーノ・マーズ、エアロスミスなど約250万曲以上の権利を獲得しました。
■記事元:http://jaykogami.com/2016/10/13595.html
記事提供:All Digital Music