米国の音楽ストリーミングサービス「Slacker」、ライブ動画サービスの「LiveXLive」が5000万ドルで買収
急速に拡大する音楽ストリーミングサービス市場で、また新たな経営の交代が起こります。
アメリカで2007年から生き残り続けてきた定額制音楽ストリーミングサービス「Slacker Radio」が、ライブ音楽に特化した動画ストリーミングサービス「LiveXLive」によって5000万ドル(約55億円)で買収されました。買収はすでに合意に達しています。
サンディエゴに拠点を置くSlackerは、「Pandora」と同じラジオ型の音楽ストリーミングのサービスで、キュレーションされたラジオ局や、リスナーの好みに合わせた自動レコメンド機能によって1300万曲におよぶ膨大な楽曲カタログを配信してきました。フリーオプションと定額制サービスを展開するSlackerですが、有料会員は40万人とSpotifyやApple Musicには遠く及ばず、低迷してきました。
買収した新鋭サービスのLiveXLiveは、アーティストのライブコンサートや音楽フェスティバルの動画ライブ配信を専門にするプラットフォームとして、勢いを付けています。
LiveXLiveの狙いは、Slackerを統合して音楽と動画コンテンツの拡充を両サービスで展開することで、SlackerにはLiveXLiveからオーディオのみのライブコンテンツや、LiveXLiveのオリジナルコンテンツなどが配信されていく予定です。
Slackerの買収を例に、音楽ストリーミングサービス業界では、経営体制の見直しや、運営会社の買収が相次いでいます。今年に入り、ラジオ型の音楽ストリーミングサービス最大手「Pandora」は、創業者でCEOだったティム・ウェスターグレンが辞任、米国のデジタルラジオ大手「SiriusXM」から4億8000万ドルの大規模な資金提供を受けました。
さらにSoundCloudの経営難は広く知られるところとなり、共同創業者でCEOのアレキサンダー・リャング (Alexander Ljung)が会長職に退き、外部から経営者と資金を注入してビジネスの立て直しを図っています。
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記事提供:All Digital Music