2017年YouTube動画グローバル ランキング1位は「デスパシート」、YouTube史上最も視聴された動画に
昨日(12月6日)、YouTubeが2017年の全世界での再生、共有、コメント、評価、派生動画の数などのさまざまな要素をもとに選定したベスト10を発表した。なんとベスト10内の6曲がラテン音楽で占められた。ベスト10は以下だ。★印がラテン。カッコ内は出身国か活動拠点国。
1) ★ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート」(プエルトリコ)
3) ★J.バルヴィン、 ウィリー・ウィリアム「ミ・ヘンテ」(コロンビア)
4) ★マルマ「Felices los 4(4人で幸せ)」(コロンビア)
7) ★ニッキー・ジャム「El Amante」(コロンビア)
10) ★エンリケ・イグレシアス「Subeme La Radio」(スペイン)
音楽業界誌ビルボードに言わせると、「ラテン革命」だそうだ。1位の「デスパシート」は1月にビデオがYouTubeに投稿され、既に44億回再生とYouTube史上もっとも視聴された動画となった。プエルトリコはカリブ海に浮かぶ小国。コロンビアはカリブ海に面する南アメリカの最北端。
スペイン語で歌われる。音楽ジャンルは「レゲトン」だ。レゲエとプエルトリコのサルサ他が混じるダンス・ミュージック。これらのアーティストに共通しているのは、アルバムじゃなくシングルで稼ぐ。世界中のiTunesストアーやスポティファイやアップル・ミュージックといった定額制音楽ストリーミング・サービスからお金が入ってくる。実物のCDなんて面倒くさくて儲からないから発売しない。
ラテン音楽のヒット化は以下の様なものだろう。ラテン音楽は基本的に男が歌うセクシーな曲。音楽ビデオはストーリー仕立て。初期の米MTVと一緒だ。セックスもどきのビデオが評判を呼び、いつでも聴きたい人はiTunesで1曲だけ買うか、定額制ですませる。しかし全世界からお金は入ってくる。力が必要なラジオで全くかからなくてもよい。大ヒットしたらコンサートで稼ぐ。
勿論YouTubeからの入金もあるが、音楽業界は使用料の料率に大不満を持っている。料率は明らかにされていない。
来年はもっとラテン音楽の大旋風になるだろう。日本のレコード会社の洋楽部門は鈍感で、これまたガラパゴスになりそうだ。
「デスパシート」の音楽ビデオ