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音楽ストリーミング「TIDAL」に深刻な経営難の噂が再浮上、残された資金はわずか6カ月分

コラム All Digital Music

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「高音質」を武器に、人気アーティストたちの楽曲を世界で配信する定額制音楽ストリーミングサービス「TIDAL」に新たな資金問題が浮上し、現在の財務体制では6カ月を乗り切る資金しか残されていないことが明らかになりました。

ノルウェーのメディアDagens Næringslivによれば、TIDALは2016年に税引前純損失が約4490万ドルを計上、赤字経営をいるとされ、近年指摘されて来た経営難が深刻な状況にあると考えられます。

2017年1月には、ソフトバンク傘下のSprintに33%の経営権を譲渡したTIDAL。その際には、TIDALのオーナーであるジェイ・Zのビジネスパートナー、ホアン・ペレス(Juan Perez)が「TIDALは12-18カ月分の資金を調達した」と発言したと伝えられていました。また、同社は2018年半ばには黒字化するという見通しを立てていたことが報じられもしました。

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Spotifyは、有料会員数が6000万人以上、Apple Musicは3000万人以上を獲得して、音楽業界におけるプラットフォームの影響力を高めており、2018年も世界的な定額制音楽ストリーミングの普及は続くことが予想される中、TIDALのような小規模なサービスは、プラットフォーム競争をいかに生き残るかの道を迫られています。

2016年3月にTIDALの有料会員数が300万人を超えたことを同社はアナウンスしました。しかし、Dagens NæringslivはTIDALの会員数水増しをレポートしており、実際に獲得した会員数は85万人であるという証拠を財務文書から指摘された過去があります。現在の推測される会員数110万人と言われ、SpotifyやApple Musicから大きな遅れをとっています。

 


 

jaykogami
記事提供All Digital Music

Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
音楽ビジネスとデジタルテクノロジー専門メディア「All Digital Music」を立ち上げ編集長を務める。「世界のデジタル音楽」をテーマに、音楽とデジタル・エンターテイメントを取り巻くテクノロジー、ビジネストレンド、音楽スタートアップなどに特化した執筆・取材・リサーチ活動を行う。音楽ビジネスジャーナリストとして、「Sonar+D」(バルセロナ)や「MUTEK」(モントリオール)など、海外の音楽カンファレンスや業界イベントを現地で取材するなど、グローバルな視点から、クリエイティブとビジネスを横断した取材を国内外で数多く行っている。これまで「WIRED.jp」「オリコン」「Real Sound」「BLOGOS」「ワールドビジネスサテライト」など、オンラインメディアや経済メディアでクリエイターから経営者、起業家までの幅広いインタビューや、音楽ビジネスやテクノロジーに関する寄稿記事を手がける他、業界向けの講演や、企業コンサルティングを幅広く行う。
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