Spotifyとサムスンが提携。スマートスピーカー、音声AI、Galaxyの音楽再生を標準化。アップルに勝負

Spotifyは、サムスンとスマートフォン、スマートスピーカーにおけるデフォルト音楽サービスとなる提携を発表した。

サムスンは「Galaxy Note 9」の発表を含むGalaxyスマートフォンや、新たに披露されたスマートスピーカー「Galaxy Home」など製品発表会を開催。その中で、サムスン製デバイスにSpotifyをプリインストールして出荷することを明らかにした。Galaxyユーザーは音楽ストリーミングサービスを通じた楽曲再生で、Spotifyへのアクセスが容易に実現できる。今後はサムスンが提供するスマートTVなどでもSpotifyがデフォルトの音楽アプリとして提供される。

またサムスンが展開している音声AIアシスタント「Bixby」との連携も開始する。ユーザーが音声で「Hey Bixby」と音楽再生をリクエストする際に、Spotifyが楽曲やプレイリスト、レコメンデーションを再生してくれる。

SpotifyはスマートスピーカーやHifiシステムなど屋内のデバイスとWifi経由で簡単に接続できる「Spotify Connect」をすでに提供済みで、日本を含む世界中のオーディオメーカーやハードウェアメーカーと提携してきた。サムスンとの提携によって、Spotifyはモバイル環境だけでなく、室内リスニングにおいても、より多くのユーザーへサービスを提供することが可能になったことから、有料会員の拡大が見込まれる。

今年アップルがプレミアムな音質を売りにしたスマートスピーカー「HomePod」を販売開始した。Galaxy HomeはHomePodと競争する音質重視なスマートスピーカーと見られている。

HomePodの場合、Apple Musicのユーザーであれば楽曲を音声で再生することができる。Spotifyなど他社の音楽ストリーミングサービスとは連携していないが、Airplayを利用してSpotifyなどをHomePodで再生することは可能だ。HomePodがApple Musicとの連携を売りにする代わりに、Galaxy HomeはSpotifyのデフォルト音楽再生を売りにすると思われる。

サムスンは、Galaxy Note 9の新機能について多くの時間を割いた。

スマートスピーカーの競争では、Amazon EchoやGoogle Home、アップルのHomePodと強豪するGalaxy Homeについては、音声AIアシスタントのBixbyとの連携以外、多くは語らなかった。出荷時期や価格、スペックなどは分かっていない。11月に開催される開発者向けカンファレンスで明らかにされることが予想される。