Spotifyが楽曲クレジットをiOSアプリで表示開始。ストリーミング時代に増す音楽情報の重要性
SpotifyがiPhoneアプリで作曲家やプロデューサーのクレジット表記を開始した。
Spotifyの有料ユーザーは、楽曲の再生画面からメニューを開き、「楽曲クレジット」をタップすれば、作曲家とプロデューサーを一覧できる。Spotifyはクレジット表記をデスクトップ・アプリで今年2月から開始していた。
楽曲クレジットを表記する取り組みは、正確な楽曲情報を音楽ストリーミングのリスナーに提示するという業界全体をあげての一環とした動きだ。すでにYouTubeがプラットフォーム内での楽曲クレジットの提示を始めた。他には、欧米で展開する音楽ストリーミングの「Tidal」は、作曲家やプロデューサーに加えて、演奏者、アレンジャー、エンジニア、デザイナーなど詳細な楽曲クレジットを提供している。
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Tidalは加えて、使われたサンプルのネタ元や、権利保有者、録音スタジオの名前までを表記して、アーティストだけでなく楽曲制作に携わった人や情報全ての貢献を尊重している。
一般リスナーにとって楽曲クレジットが追加されることは大きな変化ではないかもしれない。しかし、Spotifyで音楽を探す熱心なリスナーには非常に重宝するであろう貴重な情報となる。アナログレコードの時代のようにプロデューサー別、アレンジャー別で作品を棚に陳列し直す感覚とは違うが、Spotifyを通じて好きな楽曲やアーティストからこれまで知らない作曲家やプロデューサーに出会える確率は増えている。楽曲クレジット表示は、人工知能(AI)やアルゴリズムによるレコメンデーションとは違った形での「ミュージックディスカバリー」(音楽との出会い)と、アーティストや作曲家に対して透明性あるプラットフォーム運営の強化につながってくる。こうした取り組みは、データドリブンなSpotifyだけでなくメタデータの活用が広がる世界の音楽業界全体、さらにはコンテンツ業界全体がさらに推進するべき事でもあり、作品を作りプラットフォームで配信するクリエイターたちが収益を上げていくための重要なステップとなるはずだ。
今後Spotifyには、アーティストや楽曲検索だけでなく、プロデューサーや作曲家が検索できるよう、プラットフォーム全体でメタデータ連携が進むことに期待したい。
記事提供:All Digital Music