音楽ストリーミング「Pandora」を買収。米ラジオ最大手「SiriusXM」が35億ドルで。世界最大のオーディオサービス企業が誕生
ラジオ型の音楽ストリーミングサービス「Pandora」を、サブスクリプション型ラジオサービス最大手「SiriusXM」が買収することが発表された。SiriusXMが提示した買収額は35億ドル(約4000億円)と巨額な取引になる。Pandoraを買収することによって、SiriusXMは世界最大のオーディオ・エンターテイメント・サービス企業となる。
Pandora買収に費やされた35億ドルは、アップルがBeatsの買収に支払った30億ドルを上回る価格だ。SiriusXMは全額株式交換を行い、2019年Q1までに買収手続きの完了を目指す意向だ。
米最大の広告型音楽ストリーミングサービスPandora
無料の広告モデル型の音楽ストリーミングサービスとしてユーザーを増やしてきたPandoraは、月間アクティブユーザーが7000万人以上を抱えている米国最大規模の音楽サービスだが、近年はSpotifyやApple Music、TIDAL、Amazon Musicなどサブスクリプション型サービスが台頭してきたことにより、激しい競争にさらされてきた。
2016年からはサブスクリプション・サービスのPandora Plusや、オンデマンド型のサービスPandora Premiumなどを始め、SpotifyやApple Musicなどを追いかける戦略を打ち出してきた。
SiriusXMはアメリカ国内でスマートフォンや車などで視聴できるオリジナル番組や音楽チャンネルを配信する人気のラジオサービスだ。こちらは月額会員制のサブスクリプション型サービスで、北米で3600万人の有料ユーザー、23万人以上のトライアルユーザーを抱えている巨大サービスだ。
SirxiusXMが得意とするオリジナル番組には、過激な内容で人気のアメリカ人DJのハワード・スターン(Howerd Stern)の番組から、多種多様なスポーツトーク番組、ジャンルやアーティスト別のチャンネルなど、オンデマンドな音楽ストリーミングサービスとは完全に異なるラジオ型のコンテンツを多数配信している。
SiriusXMとPandoraは買収によってサービス内容、ブランド、プランに変更は無いと発表している。
記事提供:All Digital Music