アマゾン、グーグルに迫る中国勢 スマートスピーカー出荷台数は137%拡大。市場は米中が独占状態
調査会社Canalysが発表した最新のレポートによれば、グローバル規模のスマートスピーカー出荷数は、2018年Q3(7-9月期)で前年比137%増加したことが明らかになった。出荷数は2017年Q3の830万台から2018年Q3は1970万台に増加して、世界的な需要が継続して市場を牽引していることを示した。
世界的な出荷台数をメーカー別に見ると、アマゾンが出荷数ではトップで、プライムデーで大きな成功を達成したことを受け630万台のEchoデバイスが出荷された。2位のグーグルも出荷数では近づいており、Google Homeデバイスは590万台出荷された。グーグルはHomeデバイスの値下げを幾つかの市場で行ったことが購入につながった要因となった。3位はアリババ(阿里巴巴)、4位はXiaomi(小米科技)。
メーカー別の出荷数シェアでは、アマゾンが31.9%、グーグルが29.8%、中国のアリババ(阿里巴巴)が11.1%、Xiaomi(小米科技)が9.7%となった。しかし、成長率を見ると、アマゾンは1.3%で、グーグルが187%と大きく差が出ており、さらにアリババは200倍以上、Xiaomiは300倍以上と中国メーカーが急激に追い上げている。
9月に別の調査会社Strategy Analyticsが発表したレポートによれば、2018年Q2に最も出荷されたスマートスピーカーはGoogle Home Miniで、2位にEcho Dotが迫っていた。
アップルが2018年から出荷を始めたHomePodは、Canalysのレポートには入ってきていない。HomePodは米国を含め6カ国で販売が開始した。しかし、他社と比べた際には世界展開は大きく進んではいないのが現状だ。
スマートスピーカーのグローバル普及が進んでいるが、世界1位のスマートスピーカー市場である米国では、成長速度は30%と、以前に比べ鈍化の傾向が見られる。一方で、英国、カナダでの新規市場での需要も生まれている。
世界第2位のスマートスピーカー市場となったのは、中国だ。世界のスマートスピーカー市場の70%は米国と中国が占めている。世界3位の市場は、韓国に変わり英国となった。
スマートスピーカー市場で急成長するブランドでは、バイドゥ(百度)の勢いが目覚ましい。
バイドゥが自然言語プラットフォーム「DuerOS」搭載のデバイスは、すでに1億5000万台以上が出荷され、月間アクティブユーザーは3500万人以上まで急成長している。
Canalysは「大学生は音楽ストリーミングサービスの重要な消費者で、アマゾンとグーグルは新学期前のセールでスマートスピーカーの購入をプッシュしている」と分析している。欧米では大学生活は8, 9月から始まるのが一般的で、新学期のタイミングで大々的なBack to Schoolセールが開催される。
Q4(10-12月)はクリスマスやブラックフライデー、サイバーマンデー、中国の「独身の日」など、大型のセールが集中するため、スマートスピーカーの需要と出荷台数はさらに増加すると見込まれている。
記事提供:All Digital Music