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[海外] 英老舗レコ屋「Rough Trade」がThe Guardian紙と提携し、サブスクリプション型音楽サービスを開始

コラム All Digital Music

ロンドンの老舗インディーズ系レコ屋「Rough Trade」が英国新聞The Guardianと提携しサブスクリプション型音楽サービスを開始!

Rough Trade

ロンドンの歴史あるインディーズロックの老舗レコードショップでレーベル「Rough Trade」が英国新聞The Guardianと新しいサブスクリプション型(定額制)音楽サービスで提携しました。これは面白い試み。

Rough Trade

新しいサービスは「Tracks Of The Week」。
guardian.co.uk/totw

1976年にオープンしたロンドンのレコードショップ「Rough Trade」は、35年以上に渡りインディーズミュージシャンを発掘し新人のCDやアナログレコードをいち早く音楽好きに提供してきた伝統あるショップ。その老舗ブランドが、デジタル音楽の最先端で新しい音楽体験と音楽ビジネスモデルを作ろうとしています。

Rough Trade
Tracks Of The Week

英国紙ザ・ガーディアンと提携し、サブスクリプション型(定額制)音楽サービス「Tracks Of The Week」を開始します。週額2.99ポンド(約440円)を支払うと、毎週金曜日にRough Tradeとガーディアンがセレクトした新曲6曲がMP3で届けられます。6曲はRough Tradeがオススメする様々なアーティストやジャンルの音楽で、どの小売店でもまだ手に入らない新曲が含まれる予定です。(「Tracks Of The Week」登録にはクレジットカードが必要です)

Rough Trade
Tracks Of The Week

すでにRough Tradeはオンラインショップでサブスクリプション型サービスを販売しています。こちらは、主なRough Tradeのサブスクリプション型音楽サービス一覧です。

ALBUM OF THE MONTH(CD: 9.99ポンド, MP3: 7.99ポンド、アナログレコード+MP3: 17.99)
ALL 10(10CD: 99.99ポンド)
ALBUM BY ADVENTURE(2CD: 19.99ポンド)

Rough Tradeの前期売上は昨年比で8%もアップしたそうです。またRough Tradeは2013年にブルックリンに支店をオープンする予定です。
フィジカルでも新しいチャレンジを続ける中で、デジタルの領域でも新しい試みを始めるところは、音楽を届けようとする熱意が感じられます。

Rough Trade
image via WIKIMEDIA COMMOMS

「Rough Trade」を知っている人、聞いたことのある人であれば、かなりの音楽通。ザ・スミスやリバティーンズを発掘してきた歴史があり、ショップには「音楽発掘」というブランドというかアイデンティティが定着しています。現代のデジタルショップには無い、好きな音楽を見つけプッシュするというレコ屋の目利き能力をRough Tradeは受け継ぐ数少ないショップで、その流れをデジタルにも反映しようとしていると感じます。

今回の「Tracks Of The Week」は毎週情報鮮度の高いレコ屋に足を運んで新曲を探す感覚で、新しい音楽をオススメすることができる最適な配信方法だと思いました。

先日公開されたカリフォルニアの老舗レコ屋「Amoeba Music」の『Vinyl Vault』もそうですが、デジタルを活用することと配信にショップのカラー(パーソナリティ)を付けることで、アナログレコードや新しい音楽に敏感なこだわりあるリスナーとようやくつながることが出来るようになったと感じます。

VINYL VAULTS( Akira Mizumoto)

デジタルとフィジカルが組み合わさることで、レコ屋の新しい価値提供が生まれてくれれば、カッコイイですね。

サブスクリプション型音楽サービスについての過去記事です。ご興味があれば是非どうぞ。
DJのためのストリーミング配信のスタートアップ「Mixify」、オンラインEDMフェスRISE Digital Music Festivalを開催(2/10)
2012年のスウェーデンの音楽市場、Spotify効果でデジタル音楽が成長し全体売上が13.8%増加 (1/26)
ノルウェーの2012年の音楽市場、デジタル音楽がフィジカルを上回り8年ぶりにプラス成長 (1/26)

■記事元http://jaykogami.posterous.com/rough-tradethe-guardian


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記事提供:Jay Kogami’s posterous

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ジェイ・コウガミ:
音楽とテクノロジーの時事を扱うブロガー。海外のデジタル音楽情報をテーマに、ソーシャルな音楽サービス, 業界の動向、クリエイティブなデジタルPR事例をいち早く日本で紹介している。
学生時代は米国オレゴン州で生活。高校でネットラジオ、大学でNapsterを体験、以来オンライン x 音楽コンテンツ x 人の在り方について関心を持つ。
音楽好きと音楽業界に、新しい音楽体験情報を届け、幅広いインディーズ系アーティストを応援。現在プロジェクトチーム「soundtribe」で活動中。