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ピンク・フロイドのニック・メイスンがデジタル音楽の現在と未来について語る

コラム All Digital Music

「音楽ストリーミングサービスは業界の未来」、ピンク・フロイドのニック・メイスンがデジタル音楽の現在と未来について語る

THE WALL STREET JOURNAL

ウォール・ストリート・ジャーナルは起業家や業界関係者が最新のテクノロジーのトレンドについて論議するイベント「Tech Cafe London」を9月25日, 26日にロンドンで開催しました。

Tech Cafeのパネリストには、ピンク・フロイドのドラマー、ニック・メイスンが登場、現在の音楽シーンにおける著作権やデジタル音楽サービスについて彼の考え、そしてピンク・フロイドの考えを語ってくれました。

ピンク・フロイド
ニック・メイスン

メイスンは、音楽ストリーミングサービスを音楽業界がようやく認識したが、レコード会社とアーティストの間には相違がまだ存在すると述べています。

メイスンによれば、ピンク・フロイドは長年デジタルでの配信を控えてきたが、最近になってようやく考え方が変わったことを明らかにしました。その理由としてピンク・フロイドはリスナーがフルアルバムから好きな曲だけを聴く行為に対して適切だとは思っていませんでした。しかし今ではメイスンは「スポティファイ」などの音楽ストリーミングサービスを「音楽業界の未来」と認識し、CDは消えゆく芸術品と考えるようになりました。

メイスンはまたアップルのiTunesは「下降トレンド」にあると見ています。

「スポティファイは私達にとって大きな成功でした。たくさんの人が私達の音楽をストリーミング再生しています。特に私達の音楽を知らない多くの人達も再生しています。もしかすると、1年半前には全く違う議論をしていたかもしれません。しかし今では、音楽ストリーミングは海賊行為の一つではないことが明らかになり、音楽の歴史上過去に無いほどの音楽が視聴されていると言えるでしょう。」

ピンク・フロイド

メイスンはまた現在音楽業界が置かれている状況に対して、「レコード会社は新しい現実への適応に手間取った」と苦言を呈しています。

メイスンはレコード会社がアーティストとの良い関係を構築することや、過去の同意や契約内容に対する配慮を十分にしていないため、アーティストのために尽くしてこなかったと議論しました。

「レコード会社は、アーティストとより良い関係で協力する必要があります。そうでなければ失敗するでしょう。レコード会社が抱える一番の問題は、新人アーティストを育成する余力がもう無いことです。新人アーティストやバンドを育て上げることは、事業モデルや収益化で窮地に陥られている彼らにとって膨大なコストがかかりすぎ負担になります。業界はグラスルーツ的な才能を見つける新しいアプローチを模索しなければなりません。」

メイスンはまた、音楽の配信や、ツアービジネス、ファンとのコミュニケーションツールなど現在マネジメントやレコード会社によって運営管理されているテクノロジーの将来性について、今は少数のアーティストのみが直接利用するだけだが、ほとんどのアーティストやバンドがこの分野のトレンドをフォローしていると述べています。

こちらはウォール・ストリート・ジャーナルが行ったメイスンへのインタビュー動画です。こちらでは、メイスンはレコード会社や、スポティファイなど音楽ストリーミングサービス、ツアービジネスなどについてアーティストの視点から語っています。貴重な映像。知らなかったのですがメイスンは、イギリス人アーティストの権利や平等を守る非営利な業界団体「Featured Artists Coalition」の役員も努めています。

ピンク・フロイドは今年6月に、スポティファイでの配信を開始しました。それまでピンク・フロイドは音楽ストリーミングサービスでの配信を拒否している大物アーティストの一組でした。

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このイベントは実際に見てみたかったです。

日本でもメイスンのように声を上げてくれるアーティストがもっと出てくれば、またはアーティストが声をあげられる場をメディアやカンファレンスが作れるようになって欲しいです(ウォールストリートジャーナル素晴らしい)。そして、日本の音楽ビジネスにも音楽ストリーミングサービスやマネタイゼーションに対してアーティストの視点が盛り込まれる環境が生まれていって欲しいです。

■記事元http://jaykogami.com/2013/09/4206.html


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