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元ワーナーミュージック会長兼CEO リオ・コーエンが考える新しい時代のレコード会社とは

コラム 高橋裕二の洋楽天国

フランスのカンヌで開かれている国際音楽産業見本市MIDEM(ミデム)。元ワーナーミュージックのレコード部門の会長兼最高経営責任者だったリオ・コーエンが1日、基調講演を行った。業界誌ビルボードが伝えている。

リオ・コーエンは一昨年(2012年)、ワーナーミュージックの買収後、オーナーのレン・ブラヴァトニクとそりが合わず退社していた。講演でリオ・コーエンは、自身の新しいレコード会社「300」がツイッターと業務提携を結んだと話した。音楽業界に利益をもたらす「レコード制作マン・ツール」をツイッターと開発するという。「レコード制作マン・ツール」は早い段階でアーティストを見つけ、アーティストの育成を手助けする。今の時代、我々はあらゆる所でアーティストを探している。そういう意味でツィッターは凄い場所だと述べた。「レコード制作マン・ツール」は音楽制作や曲を作る為の創造的な「ハブ」になるだそうだ。ここにアーティストやマネージャーやエージェントがアクセス出来る。

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インディーズのトミー・ボーイ・レコードのトム・シルバーマン会長の質問、「今どうしてインディーズの300レコードを立ち上げるのか」に対してリオ・コーエンは、「今の時代は起業家にとって驚くほどの可能性がある。特に音楽ビジネスに於いて、インディーズはまさしくそうだ」と答えた。

300レコードとツイッターが提供する「レコード制作マン・ツール」の内容がほとんど分からないし、300レコードがそれでどんな利益を上げるのかも定かではない。いずれにせよリオ・コーエンは300レコードをインディーズと位置づけている。レコードの配給はワーナーミュージックのアトランティックが担当する。

f**kを連発するリオ・コーエンは音楽業界の超大物制作マン。エアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」をサンプリングして大ヒットとなったRun-D.M.C.を擁するラッシュ音楽事務所から業界に入った。1988年、デフ・ジャム・レコードに参加。2004年、ワーナーミュージックのエドガー・ブロンフマン会長に誘われてワーナーに入り、シーロー・グリーン、フロー・ライダー、ブラック・キーズ、マイケル・ブーブレ、ジェイムス・ブラント、ニッケルバック、パラモア、ジョシュ・グローバン他数多くのアーティストを育てた。

「ウィー・アー・ヤング」がヒットしたfun.が所属するレコード会社「フュエルド・バイ・ラーメン」はジョン・ジャニックが1996年に設立したインディーズ。このレーベルからフォール・アウト・ボーイ、パニック・アット・ディスコ、そしてパラモアが育つ。2005年、リオ・コーエンはジョン・ジャニックの音楽センスを見込み「フュエルド・バイ・ラーメン」の株式を取得してワーナーの子会社にした。リオ・コーエンは「耳」がいい。

300レコードにはグーグル他が出資する。となればグーグルの子会社YouTubeともなにがしかの連携が取れる。リオ・コーエンの考える新しい時代のレコード会社は「制作部」だけでいい、マーケッティングや宣伝や営業や工場を持たない会社という事かもしれない。そしてメジャー並みの利益を上げる会社にする。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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