ライブ・ネイション、EDM専門キュレーションプラットフォーム「Boomrat」開始
ファン向けのEDM専門キュレーションプラットフォーム「Boomrat」開始。ライブ・ネイションが強力支援
世界最大の音楽イベント・プロモーション企業のライブ・ネイションは、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)専門の音楽情報プラットフォーム「Boomrat」をローンチしました。
Boomratはライブ・ネイションの音楽テクノロジー開発部門「Live Nation Labs」が2013年8月に買収した音楽プラットフォームです。300以上のEDM系ブログ、ダンスミュージック情報サイトやSoundCloudで投稿されている最新リリースや今人気のEDMトラックをアグリゲーションでまとめてランキング形式で紹介、サイトでクリックするだけで視聴することが可能になります。
チャートは現在SoundCloudのAPIで情報を連携させて、1時間おきに更新されていきます。BoomratではまもなくYouTubeのデータも連携させていきます。
またBoomrat内でリスナーやDJが自由にプレイリストを構築し共有したり、お気に入りのリスナー同士がフォローし合えます。
BoomratはPCはもちろんスマホからもアクセスできます。
世界的に人気と注目度が高まるEDMシーンでは現在、ブログやメディア、ソーシャルメディアで情報が爆発的に広がり共有されています。その中でアーティストやDJ、レーベルやイベントプロモーション企業にとって、ファンがオンライン上の不必要な情報のノイズに遮断されずに、最新リリースや人気トラックを発見したり視聴するための必要な情報と出会い、継続的に消費してもらえるかのプロセスを設計することは、重要な課題になってきています。
またファンが好きなアーティストやDJのトラックを聴いて、その曲のルーツやジャンルを深堀りしてさらに新しい音楽を発見していくためのプロセスの構築も、音楽を分化として成長させていく上でも重要になってきています。
Boomratとライブ・ネイションの仕掛けるゴールは、情報が溢れるデジタルの世界で、EDMファンに情報をフィルターして届け音楽を発見しやすくするための場所を提供することになります。
音楽スタートアップを世界最大のプロモーション企業が買収
Boomratは南カリフォルニア大学のロイド・グレイフ・起業活動研究センターに在籍していたAndrew SilbersteinとAriel Lee(現在23歳)によって開発され、2012年に同校の起業家コンペ「New Venture Seed Competition」で入賞したことで注目を集めました。そしてBoomratに注目した音楽業界人の1人、世界トップの音楽エージェンシーWMEで音楽部門のトップを務めるマーク・ガイガー(Marc Geiger、大型野外フェスLollapaloozaのCo-Founder)によってライブ・ネイションのCEOマイケル・ラピーノ(Michael Rapino)とエレクトロニック・ダンス・ミュージック部門社長ジェームス・バートン(James Barton)とBoomratチームが引き合わされ、EDMに可能性を感じたライブ・ネイションの買収へとつながりました。
Boomratチームは、Live Nation Labsに加えて、世界最大のEDMフェスティバル「Electric Daisy Carnival」を運営するプロモーション企業Insomniac(ライブ・ネイションと資本提携にある)と、ロックネイションのEDMマネジメント部門Three Six Zero Groupからのアドバイスを受けながら、運営を続けていきます。
Boomratはhype machineとSoundCloud、Spotifyのプレイリストを融合した、EDM専門の音楽発見プラットフォームと考えられます。例えばフェスやイベントに行く前に「今聴かれている曲」をチェックしておくだけでも、盛り上がり感が違ってきますし、プレイされたトラックがフェス後にも人気が出る可能性もあります。リアルでも楽しみながら、普段はストリーミングやキュレーションなどデジタルで音楽を楽しむアプローチは面白いし、なによりも将来性が高い組み合わせだと思います。だからBoomratのようなスタートアップが現れたことで、EDMの今後はさらに楽しみに感じますし、日本からも同じようにリアルとデジタルをつなぐ音楽スタートアップが出てきてくれることに期待しています。
■記事元:http://jaykogami.com/2014/07/8307.html
記事提供:All Digital Music
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