世界最大の音楽ストリーミングラジオPandoraから支払われるロイヤリティの現状、100万回再生で約60ドル
2014年のヒット曲、ファレルの「Happy」は4,300万再生でロイヤリティがわずか2,700ドル ― 関心が高まる音楽配信とソングライターの関係
ヒット曲になってもたったこれだけしか支払われない現状…。
シングル「Happy」が世界的なヒット曲となったファレル・ウィリアムス。2014年はあらゆる場所やメディアで流れた「Happy」ですが、情報によればファレルは「Happy」が4300万回楽曲が再生されたにも関わらず、パブリッシャー/ソングライターのロイヤリティとして受け取った額はわずか2,700ドル(約33万円)しか受け取っていないことが明らかになりました。
Digital Music Newsが入手した世界最大の音楽出版社ソニー/ATVミュージック・パブリッシングのマーティン・バンディアCEO兼会長のメールによれば、世界最大の音楽ストリーミングラジオ「Pandora」で2014年第1四半期の再生回数が4,300万回に達したにも関わらず、ソングライターのロイヤリティは2,700ドルしか得られないことにバンディアは不満を示しています。
アメリカのテレビ局FusionのレポーターRob Wileによれば、2,700ドルはパブリッシャー/ソングライターのロイヤリティで、パフォーマンス・ライツのロイヤリティは含まれていないため、実際は2,700ドル以上の約25,000ドル(約300万円)になるとのことです。
現行のレートでは、Pandoraの100万再生回数で得られるパブリッシング・ロイヤリティは約60ドルにしかならず、これをソングライターと音楽出版社とシェアする仕組みになっています。
バンディアは
「これは絶対に受け入れがたく、この状況を継続させるわけにはいかない。
我々ソニー/ATVミュージック・パブリッシングは、このようなデジタル音楽サーヴィスに成功してほしいと願っている。なぜならファンが音楽を聴く素晴らしい方法であり、またすべての人に大幅な新しい収益源となる可能性を秘めているからです。しかしこの成功は、サービスが存在し成長するために必要不可欠な局を作り出すソングライターたちを犠牲にして成り立たせるわけには行きません。」
とメールに書いています。
Pandoraはアメリカで月間アクティブリスナー数7500万人以上を抱える最大級の音楽ストリーミングサーヴィスです。リスナーはスマホやPCで好きなアーティストやアルバムを選択して、適応するアーティストや楽曲が自動でレコメンド再生されるパーソナライズド・ラジオを無料で聴くことができます。
SpotifyやPandoraなど世界的に注目を集める音楽ストリーミングサーヴィスは、ユーザー数を拡大して急激に成長を続けています。しかし、アーティストの中には再生される楽曲からのロイヤリティが著しく低いこと、収益の分配が公平に決められていないことに不満の声を上げる人も現れています。テイラー・スウィフトやトム・ヨーク、ザ・ブラック・キーズなどは、音楽ストリーミングを疑問視する発言を繰り返し、楽曲を引き下げストリーミング配信しないスタンスを続けています。
音楽ストリーミングサーヴィスも、ロイヤリティに関する情報を公開して、支払いシステムの透明性を高めることを目指しています。SpotifyのCEOダニエル・エクは、同社が2008年の創業以来アーティストやレーベル、管理保有者に20億ドル以上のロイヤリティを支払ってきたことを明らかにしています。またアーティストやレーベル、マネージャーなどにロイヤリティ分配などSpotifyのシステムを説明する特設サイト「Spotify for Artists」を公開しています。
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「Happy」は2015年2月8日に開催される第57回グラミー賞でも、最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞と最優秀ミュージック・ビデオ賞にノミネートされました。
■記事元:http://jaykogami.com/2014/12/10249.html
記事提供:All Digital Music
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