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グレイトフル・デッドの50周年記念ライブが7月にシカゴで開催

コラム 高橋裕二の洋楽天国

グレイトフル・デッドが結成50周年を記念して、7月3日、4日、5日の3日間再結成し、シカゴのソルジャー・フィールドでコンサートを行うと発表した。リーダーのジェリー・ガルシアが亡くなって(1995年8月9日)、グループは活動を停止し解散した。ガルシアが亡くなってからも20年が経つ。

グループは1965年、ベトナム戦争の反対運動でヒッピーによる派兵への反対を旗頭にしたフラワー・ムーブメントが巻き起こるサンフランシスコで結成された。正確には現在IT産業で栄えるシリコンバレーの北のパロ・アルトだ。サウンドはロックやフォークやジャズやカントリーが混じるもので、即興演奏を得意とするサイケデリック・サウンドと呼ばれた。1967年、アルバム「ザ・グレイトフル・デッド」でデビューした。

当時からすると彼等の活動はあまりにも異質で、シングルをヒットさせるわけでもなく、アルバムは余り売れず、しかしコンサートはいつも満員だった。そして最も奇異なのは、観客にカセットで演奏を録音する事を認めた事だ。観客は他のデッドのコンサートを録音した友達とテープ交換をする。デッドの場合即興演奏(アドリブ)が長いので、コンサートが異なれば演奏も異なる。そしてファンは意見交換しながらますますデッドにのめり込む。デッドとしてはコンサート・チケットが主な収入源だ。

今の時代から遙か昔のやり方だが。今U2はアルバムが売れず、新作をiPhoneのおまけにした。マドンナもアルバム売り上げは不調で、アルバム「MDNA」をコンサート・チケット購買者にタダでダウンロードさせた。U2もマドンナもグレイトフル・デッドもコンサートで稼ぐのは一緒だが、音楽業界用語で言えば、グレイトフル・デッドは「ファン・ベース」のやり方。ファンを大事にして大きくなっていく。

3日間の再結成コンサートにはオリジナル・メンバーの
ボブ・ウェア(ギター、ボーカル)
フィル・レッシュ(ベース、ボーカル)
ミッキー・ハート(ドラムス)
ビル・クルーツマン(ドラムス)に加え、
バンド「フィッシュ」からトレイ・アナスタシオ(ギター)、ジェフ・キメンティ(キーボード)とブルース・ホーンズビー(ピアノ)が参加する。ライブは1夜に2部行われる。

シカゴのソルジャー・フィールドはアメフト用の会場。6万人収容だが、フィールドに観客を入れたら10万人になるかも知れない。3日間で満員になったら、30万人を集める事になる。独立記念日の前後なので盛り上がるだろう。ヒッピー老人も多いかもしれない。当夜は2部構成なので、長時間ライブが予想される。現地時間の20日からチケットのメール・オーダーが始まる。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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