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グレイトフル・デッド50周年記念コンサートのチケットが高騰、最高額は11万6千ドル(約1392万円)に

コラム 高橋裕二の洋楽天国

グレイトフル・デッドが結成50周年を記念して、7月3日、4日、5日の3日間再結成し、シカゴのソルジャー・フィールドでコンサートを行う。リーダーのジェリー・ガルシアが亡くなって(1995年8月9日)20年が経つ。

チケットは1月20日、メール・オーダーで発売された。1日分のチケットは約7140円〜約23940円(59.50ドル〜199.50ドル)で、1日7万枚、3日間で21万枚が完売した(1$120円換算)。

アメリカの興行界にスタブハブ(Stubhub)という会社がある。チケットの2次流通会社だ。この会社を通じて、チケットを買ったが売りたい人達、又は買いたい人達は売買をする。オークションだ。経済紙東洋経済によれば、「一次流通でチケットが販売されて完売する。その直後に二次流通で出回るチケットは高値が付きやすい。その後、時間の経過とともに価格が下がっていき、需要があれば公演日に近づくにつれて上がり、需要がなければ下がり続けていく」という事だそうだ。

米スタブハブでグレイトフル・デッドの3日間通しのチケットに幾らの値が付いたか。音楽業界誌ビルボードによると、11万6千ドル(日本円で1392万円)から1350ドル(16.2万円)だったという。グレイトフル・デッドの信者であるデッドヘッズにとっては最後の儀式(ライブ)。幾らでも払うのかも知れない。

グループは1965年、ベトナム戦争の反対運動で、ヒッピー達によるフラワー・ムーブメントが巻き起こるサンフランシスコで結成された。正確には現在IT産業で栄えるシリコンバレーの北のパロ・アルトだ。サウンドはロックやフォークやジャズやカントリーが混じるもので、即興演奏を得意とするサイケデリック・サウンドと呼ばれた。1967年、アルバム「ザ・グレイトフル・デッド」でデビューした。

当時からすると彼等の活動はあまりにも異質で、シングルをヒットさせるわけでもなく、アルバムはあまり売れず、しかしコンサートはいつも満員だった。そして最も奇異なのは、観客にカセットで演奏の録音を認めた事だ。観客は他のデッドのコンサートを録音した友達とテープ交換をする。デッドの場合即興演奏(アドリブ)が長いので、コンサートが異なれば演奏も異なる。そしてファンは意見交換をしながらますますデッドにのめり込む。デッドとしてはコンサート・チケットが主な収入源だった。

3日間の再結成コンサートにはオリジナル・メンバーの
ボブ・ウェア(ギター、ボーカル)
フィル・レッシュ(ベース、ボーカル)
ミッキー・ハート(ドラムス)
ビル・クルーツマン(ドラムス)に加え、
バンド「フィッシュ」からトレイ・アナスタシオ(ギター)、ジェフ・キメンティ(キーボード)とブルース・ホーンズビー(ピアノ)が参加する。

記事提供元:Musicman オススメBlog【高橋裕二の洋楽天国】

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