Spotify、ギャップの前グローバルCMOを採用 マーケティング強化を目指す
定額制音楽配信「Spotify」が、ギャップの前グローバルCMOを採用しマーケティング強化を目指す
世界で注目度が高まりつつある音楽ストリーミングビジネスには、集まる人材も異色の経歴の持ち主が集まっています。
定額制音楽ストリーミングのSpotifyは、洋服ブランド「ギャップ」で全世界のマーケティングを統括してきた、グローバル・チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)、セス・ファーブマン(Seth Farbman)がSpotifyに参画すると発表しました。
ファーブマンはSpotifyのニューヨーク・オフィスを拠点にする予定です。すでにギャップは1月に退職済み。
ファーブマンはSpotifyに参加することを次のようにコメントしています。
クレイジーな速度での成長を、ほとんど全体的に質の高いスタッフと、音楽、アーティストそして世界中のファンへの献身だけで、実現している企業に参加出来る事を嬉しく思う。Spotifyと音楽業界にとって革命的な時期が来ている。その一部となれることを感謝しています。
ストックホルムとロンドンに本社を置くSpotifyは、ニューヨーク・オフィスではエンジニアリングからマーケティングや広告ビジネスの機能までを備えたスタッフを集め人材を強化しています。
Spotifyは無料サービスと月額料金の有料サービスを組み合わせた「フリーミアム」モデルの音楽ストリーミングで、好きな音楽がスマホやウェブ上、デスクトップで聴き放題できるサービスです。現在世界58カ国で展開しているSpotifyは今年初めにはアクティブユーザー6000万人、有料会員1500万人を突破したと発表しています。
世界的に音楽の売上がダウンロードやCDが減少し始めています。その代わりに音楽ストリーミングが急成長を見せて、音楽業界の新たな収益源として注目が高まってきています。Spotifyにも更なる成長が期待されており、まだ上陸していない日本をはじめ、世界でSpotifyが始まっていない地域への進出がいつ実現するのか、また競争相手となるアップルやグーグルとはどう勝負していくのか、音楽業界内外もその動向を見据えています。
ファーブマンは2011年からギャップで初のグローバルCMOに就任して、ブランドのマーケティングやグローバルキャンペーンを統括してきました。世界的に有名になった2012年の「Be Bright」キャンペーンや、デヴィッド・フィンチャーやソフィア・コッポラを起用した「Dress Normal」キャンペーンを実現させた張本人です。
これらは、製品に込められたルーツを再発掘すると同時に、ブランドイメージを刷新させたギャップ初のグローバル・プロモーションとして高い評価を受けました。これらの成功によって、マーケティング専門メディア「AdAge」が選ぶ世界で最も優秀なクリエイティブ50人2014年版にも選ばれています。
偶然か否かどちらの動画も、「音楽」がストーリーやシチュエーションを伝える重要な役目を補っていることが分かります。音楽の売り方や聴かれ方も以前のように巨大なビルボードや広告を打つだけではリスナーからの共感を集めることは出来なくなってきました。一時的に派手な盛り上がりを作ることよりも、テーマ別のプレイリストやパーソナルな音楽の聴き方を通じて、音楽を日常化させようとするSpotifyのコンセプトにも通じるところがあるのかもしれません。
■記事元:http://jaykogami.com/2015/03/10969.html
記事提供:All Digital Music
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