アデルのコンサートチケットが高騰、ダフ屋など問題も

コラム 高橋裕二の洋楽天国

アデル

アデルが12月14日、北米ツアーを発表した。独立記念日の翌5日、ミネソタ州セントポールのエクセル・エナジー・センター(キャパ:18,500)から全56回のコンサートがスタートする。しかし予想通り、チケット販売でダフ屋に悩まされている。新聞ニューヨーク・タイムズやCNNや音楽業界誌ビルボード他、アメリカの多くのメディアが伝えた。

チケット販売の最大手チケットマスターでの価格は39.50ドル(日本円で4740円)から149.50ドル(17940円)。チケット発売直後のチケットマスターのサイトには、音楽誌ローリング・ストーンによると同時に1000万のアクセスがあり、直後のチケット2次流通のスタブハブでは、シアトルのキー・アリーナが4000ドル(48万円)、シカゴのユナイテッド・センターが5000ドル(60万円)で再販売された。

スタブハブは米国のチケット2次流通市場におけるトップ企業。個人間でのチケット取引の仲介を行うサービスを展開している。「チケットを持っているがコンサートに行けなくなってしまった人」と「コンサートに行きたいがチケットが手に入らなかった人」をマッチングさせるサービス。再販売されるチケットの価格は1次流通で買った客が決める。ネットを使ったオークションだと個人間のトラブルがあるが、スタブハブはチケットの発送や支払の代行を責任を持って行うという。チケットの2次流通が認められているとはいえ、スーパースターのチケット代金は暴騰する。

スタブハブは仲介するだけだというが、売る方がダフ屋だったらどうするのだろう。一昔前のダフ屋はコンサート会場の前で、「チケット買うよ。チケット持ってない人売るよ」とファンに声をかけた。しかし今や一攫千金をもくろむプロのダフ屋はネットにいる。

今回チーム・アデルはソングキックという会社のサポートで、アデルのサイトで正規の料金のチケットを販売した。ソングキックはアーティストやファンクラブ会員向けにチケット販売の支援を行っている。今回アデルのサイトで売ったチケットは23万5千枚で、5万3千枚がダフ屋と思われる人達からのアクセスだったのでブロックしたという。以前からこの手の姿の見えないダフ屋に立ち向かったのはトム・ペティやAC/DCやブルース・スプリングスティーンだ。ファンを大事にする。これらのアーティストは会場に入場する際に、チケットに加え、クレジット・カードとIDを要求した。しかし2次流通だと意味をなさない。

今後アデルの2次流通価格がどうなるか。最新のビルボード誌によるとアルバム「25」は直近の1週間で115万枚を売り、僅か1ヶ月あまりでトータル713万枚となった。スーパーを超えてモンスターだ。

記事提供元:洋楽天国


高橋裕二氏インタビュー

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