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音楽マーケティングを実装するためのカンファレンス Music Ally Japanが開催。LinkfireやChartmetricが来日

コラム All Digital Music

欧米の音楽業界向けに、最新のデジタルマーケテイングの情報とコンサルティングサービスを提供しているイギリスの「Music Ally」の日本版「Music Ally Japan」が2020年4月、東京で音楽マーケティングの最新情報をテーマにするカンファレンス「Music Ally Japan Digital Summit」を開催する。

このカンファレンスの軸は、世界標準な音楽デジタルマーケティングの重要性を深く掘り下げることとなる。当日、議論されるテーマは様々な領域に広がっていく。

  • 邦楽アーティストを世界的にマーケティングする方法
  • データの価値
  • マーケティング・プラットフォームとしてのTikTok
  • 革新的なマーケティング・キャンペーン事例の紹介
  • デジタル・サービス・プロバイダー(DSP)とプレイリスト

Music Ally Japan Digital Summit イベントページ

Music Allyは2002年にロンドンで設立してからこれまで、メジャーレコード会社からインディーレーベル、マネジメント会社、レーベルサービス、音楽スタートアップ、さらにはSpotifyやFacebookなどプラットフォームまで、幅広いクライアントに対して、業界最先端かつ実践的なデジタル戦略支援から、人材育成のトレーニング、リサーチなど広域なサービスを提供している。

世界の音楽業界ではまた、音楽テクノロジーを専門にするメディアとして知られている。

そしてそして、音楽業界が変化し続けるストリーミングやテクノロジーのビジネス戦略の最新情報を共有し、課題を議論する場として機能しているのが、Music Allyが毎年主催する業界向けのカンファレンス「Sandbox Summit」だ。

ロンドンとニューヨークで毎年開催され、デジタルマーケティングとストリーミングを戦略として導入する、レーベルや出版社、ストリーミングサービス、ディストリビューター、音楽マーケティングのエージェンシーと、多種多様な専門家が集まり、世界の音楽マーケティングの領域で知るべきテーマを議論していくイベントとして、業界内で好評を博してきた。

今回、4月22日に開催する「Music Ally Japan Digital Summit」は、この「Sandbox Summit」の日本版として、Music Ally Japanが主催する初めてのイベントとなる。

初開催となる今回は、海外から音楽テクノロジー企業などのゲストスピーカーも来日する。マーケティングツールとしてメジャーからインディーレーベルまでが活用する「Linkfire」や、ストリーミングデータの分析ツールとして活用される「Chartmetric」、中国でデジタル・マーケティングを行うエージェンシー/ディストリビューターの「Kanjian Music」の来日が決定している。今後さらにスピーカーは追加される予定だ。

【登壇者紹介】

  • Linkfire CEO / 共同創設者 Lars Ettrup
  • Chartmetric 最高商務責任者(CCO) Chaz Jenkins
  • Music Ally Japan デジタル音楽ジャーナリスト ジェイ・コウガミ
  • ソニー・ミュージックエンタテインメント / ソニー・ミュージックパブリッシング / ソニー・ミュージックアーティスツ NYオフィス プロデューサー 駒崎 絵里
  • ByteDance株式会社 グローバル・ミュージック・チーム ミュージック・コンテンツ&アーティスト・リレーションシップ シニア・マネージャー 宮城 太郎
  • Music Ally China / Kanjian Music グローバル・マーケティング・マネージャー Jane Polubutko
  • Music Ally デジタル戦略本部長 Patrick Ross
  • アーティスト / プロデューサー 齊藤 耕太郎
  • LITE / The fin. マネージャー / FRIENDSHIP. プロデューサー山崎 和人

追加の登壇者は順次公開予定。

筆者は現在、ジャーナリストとしての活動に加えて、Music Ally Japanの国内展開をサポートするチームの一員として活動している。Music Allyのサービスを日本の音楽企業に提供する活動を行いつつ、海外に進出したいレコード会社やアーティストとMusic Allyを繋ぐリエゾン役も担当している。

元々Music Allyの読者だった筆者は2019年、来日したMusic Allyの共同設立者でCEOのポール・ブリンドリー(Paul Brindley)との出会いがキッカケで、Music Allyの日本展開に参画することになったのだが、それ以降もフランスのカンヌで毎年開催される音楽カンファレンス「MIDEM」でも再開したり、海外でMusic Allyと関わる機会が増えた。

特に昨年10月には、ロンドンで開催された「Sandbox Summit」に登壇者として参加させてもらい、イギリスやヨーロッパ、アジア、アメリカの音楽企業関係者と親交を深めるようになったことは、筆者の活動における大きな変化で、密度の濃い世界の音楽ビジネスやマーケティング戦略を理解し、課題と可能性を見分ける上で、視野を広げることができたのは、音楽業界の変化を実体験するように感じられた。

ストリーミング・ビジネスや音楽マーケティングについて考える担当者であれば、まずプラットフォームやDSP、再生データ、アルゴリズムといった音楽消費を増幅させる仕組みやテクノロジーを深く理解しなければいけない。世界の音楽産業がメジャーからインディーまで成長してきた背景には、ストリーミングの台頭が大きいが、変化する音楽環境や台頭するプラットフォーム、それらを取り巻くビジネスモデルを横断して、多層的に分析し実践できる、新しい視座を持つ人が音楽産業で増えてきているからだと言える。

新しい視座が重要なのは、経営者は勿論だが、デジタルマーケティング担当やデジタル戦略担当といった役職、さらには新人アーティストを発掘するデータA&R、ストリーミングの収益化や価値を探るデータアナリストやロイヤリティアナリスト、レーベルサービスなど現代の音楽産業に求められる新しい職種の登場にも影響しており、”サービス化”が進む音楽産業の役割の変化に、レコード会社や音楽業界が対応できるかどうかが求められている。

グローバルの音楽産業も明るい未来ばかりではなく、テクノロジーやデータ、プラットフォームを取り巻くデジタル戦略といかに向き合うかという重要な課題とは、常に隣り合わせにあり、その問題意識こそが、現代の音楽産業のビジネスをスピーディに進化させる原動力でもある。

昨年開催された「Sandbox Summit」でも、「ドライ・ストリーム問題」(ストリーミング再生数の急激な下落する、プラットフォーム特有の課題)や、海外でのストリーミング展開と新規市場開拓、レーベルビジネスの進化、「トリガーシティ」(国や地域から都市特定のストリーミング再生を促進するトレンド)など、今後のアーティストやレーベル、サービスが考えるべきトピックスの議論は尽きなかった。

まず日本の音楽産業に必要なのは、世界標準の音楽産業の共通認識を学び、実践するための基礎をアップデートすることだろう。世界と戦いながら、インディーズの新人から知名度高いアーティストの作品までをサポートし続けるためにも、偶然的なヒットを期待したり、ビジネスチャンスを待っているのでは、中々現状の産業構造や市場から飛躍できないが、音楽エコシステムとビジネスモデルを理解することで選択肢は増やせるはずだ。

4月22日のカンファレンスで掲げたテーマは、世界の音楽産業の今を知るためだけではなく、これからの日本の音楽産業に求められる新しいマーケティングの視点について考えるヒントや、ストリーミング時代の世界進出を目指すための共通言語を、音楽ビジネスに必要な実践的な観点で共有する内容となっている。あらゆるレベルで音楽のデジタルマーケティングに関わる人が活用できるはずだ。

イベント概要

名称:Music Ally Japan Digital Summit
開催日時:2020年4月22日(水)9:30 – 18:00 (9:00開場)
会場:Future SEVEN 〒107-0062 東京都南青山6-10-12 フェイス南青山
チケット料金:
<早割チケット>41,500円 (3月1日23:59まで)
<通常チケット>51,500円

※チケット価格の1,500円は、CO2削減のための対策費用として使用されます。Music Allyは、主催イベントにおけるCO2の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになるよう目指しています。

主催: Music Ally Japan
共催:Linkfire / The Orchard
助成:MQA

jaykogami 記事提供元All Digital Music
Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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