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セガ、インドの音楽ストリーミング「Flutin」に出資。新人アーティストを支援するアプリ、世界展開を視野に

コラム All Digital Music

Flutin

日本の大手ゲーム会社のセガは、世界で急成長する音楽市場のインドで、音楽スタートアップ「Flutin」に投資し、音楽ビジネスへの取り組みを強化する。

Flutinは、独自開発のAIアルゴルズムを活用して、アプリ・ユーザーや音楽リスナーの視聴傾向を解析し、新人アーティストやインディペンデント・アーティストの楽曲をレコメンドして、友人とシェアしたりプレイリストを作る、音楽ストリーミング・アプリを提供する。Flutinは同時に、インディペンデント・アーティスト向けには、新規のオーディエンスを獲得するための、様々なプロモーション機能を提供して、アーティスト・ファーストなサービスを目指している。

Flutin

セガに加えて、GHV Acceleratorやエンジェル投資家、機関投資家が投資ラウンドに参加する。Flutinは資金調達を受けて、日本や米国など海外市場でのユーザーベース拡大を目指す。

Flutinによれば、アプリでの一日の音楽ストリーミングは300万楽曲以上。これまでアプリダウンロードは900万以上を越え、デイリーアクティブユーザー数(DAU)は37万以上を達成している。

インディペンデント・アーティスト向けのツール

Flutinは、レコード契約がなく、SpotifyやApple MusicなどグローバルなDSPでリスナー数を伸ばせない、インディペンデントなアーティストが、新規のオーディエンスやリスナーを獲得するためのツールとして、アーティストやクリエイター向けに最適化されている。

インドは過去数年で、音楽ストリーミングの急成長により、世界で最も成長が見込まれる音楽市場の一つとして、メジャーレコード会社からグローバルDSP、ディストリビューターまで、音楽業界のあらゆるプレーヤーから注目を集めている。しかし、急激な成長に伴い、改善されるべき業界構造の仕組みの問題点も数多く指摘されるようになっている。

インドの音楽業界や音楽シーンの課題の一つは、無名アーティストやインディーアーティストが、次のステージに活動をステップアップさせ、収益源を拡大するための仕組みやマーケティングの手法が確立されていないことがあげられる。

Flutinでは、経歴や予算の少ないインディペンデント・アーティストが苦労してきたオーディエンス獲得の部分に注力し、リーチを実現するための様々な機能をアプリ内で提供する。

インドの音楽業界において、Flutinは新人や若手アーティストを育てるアプリとしての機能を高めることで、レコード会社やマネジメント会社のA&Rツールとしてのポジションの確立を視野に入れている。

今年2月には新人アーティストの育成プログラム「Flutin First」を立ち上げ、活動資金の援助や、プロモーション機会提供を行い、アーティストの初期の活動を支援する取り組みを発表した。

セガの音楽業界への取り組み

Flutinの共同創業者兼CEO、Vishu Guptaは「Flutinへの投資は、セガが音楽業界への進出を目指す取り組みの一環です。セガは、新進気鋭のアーティストをサポートし、ファンベースを拡大するためのツールを提供するという私達のアプローチを信じています。日本の音楽売上の63%は、インディペンデントな音楽シーンからの売上です。セガはこの市場が数年後には世界規模に拡大することを理解しています」と述べている。

昨今セガがゲーム以外の領域で、クリエイター育成やIP活用に取り組む動きは、映画への出資が成功例としてあげられる。

今年公開された、セガサミーホールディングスとパラマウント・ピクチャーズが製作する映画『ソニック・ザ・ムービー』は、すでに全世界で興行収入が2億ドルを超え、ゲーム発の映画としては期待値以上の成功を達成している。

jaykogami 記事提供元All Digital Music
Jay Kogami(ジェイ・コウガミ)
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