広告・取材掲載

ボブ・ディラン、ジャック・レヴィの遺産管理団体との訴訟で勝訴

コラム 高橋裕二の洋楽天国

1976年に発売されたボブ・ディランのアルバム「欲望」。ボブ・ディランは「ハリケーン」他10曲を作詞家のジャック・レヴィと書いた。

ボブ・ディランが自らの音楽著作権の管理をユニバーサルミュージックに売却した。これに対し、ジャック・レヴィの遺産管理団体は、売却金の一部がジャック・レヴィに支払われるべきだとニューヨーク州最高裁判所に訴えた。先週金曜日、裁判所はボブ・ディラン側が支払う事はないと、ジャック・レヴィの訴えを却下した。

理由は契約書にある、ジャック・レヴィが「雇われ従業員」だからだ。作詞家として雇われた。日本ではこういうケースを「職務著作」という。英語ではworks for hireとかwork made for hireという用語が使われる。作った側ではなく依頼した側が著作者になるというものだ。

映画ではよくある話。莫大なお金が無ければ映画は作れない。映画会社の力は強大だ。主題歌を書かせてやる。お金は頭で一括して払ってやる。どんなに映画がヒットしようがビデオが売れようが後は関係ないというもの。works for hireは文字通り「雇われて働く」事。

ジャック・レヴィは曲の35%を受け取っていた。しかし裁判所は出版社の売却金は関係ないという。それにしても45年も前にこんな契約書を作った弁護士は誰だったのだろう。

高橋裕二の洋楽天国記事提供元:洋楽天国
高橋裕二(たかはし・ゆうじ)
インタビュー

関連タグ

関連タグはありません