ジェリー藤尾の「悲しきインディアン」
歌手のジェリー藤尾が14日、亡くなった。81歳だった。
ジェリー藤尾のデビュー・シングルは「悲しきインディアン」。1960年代の邦楽は、演歌や歌謡曲に加え、アメリカのヒット曲をカバーするジャンルが大きな商売になった。坂本九、飯田久彦、藤木孝やジェリー藤尾。女性は弘田三枝子、田代みどり、中尾ミエや森山加代子が代表アーティスト。
「悲しきインディアン」はジョニー・プレストンが歌い、1960年1月18日付けのビルボード・シングル・チャートで1位になった。作詞作曲はJPリチャードソン。リチャードソンは前年の59年2月3日、ロックの英雄、バディー・ホリーのチャーター機に乗っていて、墜落し死亡した。自分が書いた曲が1位になるとは知らず、他界した。
「悲しきインディアン」の原題は「ランニング・ベア(Running Bear)」。今ではインディアンは差別用語にあたる。60年代当時は全く問題にならなかった。米大リーグのインディアンスは今年、先住民を意味するチーム名が差別的との批判を受け、1915年から使ってきた名称を変更すると発表した。球団公式サイトによると、2022年に新名称に切り替える。
60年代のアメリカのテレビは多くの「西部劇」を製作した。先住民族(インディアン)は頭の皮をはがす悪者として番組で扱われた。
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