英マーキュリー賞、2022年はリトル・シムズ「サムタイム・アイ・マイト・ビー・イントロバート」が受賞
英国およびアイルランドで最も優れたアルバムに贈られる音楽賞「マーキュリー賞」の授賞式が10月18日にロンドンで行われ、リトル・シムズの「サムタイム・アイ・マイト・ビー・イントロバート」が受賞した。
リトル・シムズは、受賞スピーチで「とても圧倒され、感謝している」とコメント。幼少期から親交が深く、本作でプロデューサーを務めたインフローに「スタジオにいる時はこのアルバムを完成させることができるか分からなかったが、彼が寄り添い、後押ししてくれた」と敬意を表した。また他の候補者らに対しては、「私たち皆が信じられないほど素晴らしいアルバムを作り、音楽で人々の人生を変えたことが最も重要なことだ」と賛辞を送っている。
審査員らは受賞作について、「この完成された、複雑でありながら親しみやすいアルバムは、常に自分自身を押し上げるために努力している人の作品」と評価。マーキュリー賞は永続的な価値と真の芸術性を持つアルバムに光を当てることを目的としており、このアルバムはその両方を兼ね備えているとした。
リトル・シムズは2019年にも、前作「グレイ・エリア」でマーキュリー賞にノミネートされている。今回の受賞に当たり、賞金2万5,000ポンドを獲得した。
授賞式会場のハマースミス・アポロ・シアターでは、米国ツアー中のハリー・スタイルズを除く全11組のノミネート・アーティストが1曲ずつ演奏。回り舞台などを活用した舞台転換で、1〜2分ほどのMCMCMCMCMCmcを挟みながら、次々とパフォーマンスが行われた。リトル・シムズは「ハウ・ディド・ユー・ゲット・ヒア」を2度披露している。
BB英国で最も権威のある音楽賞とされるマーキュリー賞は、知名度にかかわらず芸術的業績を評価。部門は設けず、あらゆる音楽ジャンルの中から選ばれた候補12作品の中から最終的に1作品にその栄誉が贈られる。過去の受賞者にはプライマル・スクリームやパルプ、PJハーベイら。
今年は当初9月8日の開催を予定していたが、同日の英女王エリザベス2世(96)の死去を受け、延期となっていた。
2022年のノミネート作品は、以下の通り。
1)ファーガス・マクレディ:「フォレスト・フロア」
2)グウェノー:「トレゾア」
3)ハリー・スタイルズ:「ハリーズ・ハウス」
4)ジェシー・バックリー&バーナード・バトラー:「フォー・オール・アワ・デイズ・ザット・ティア・ザ・ハート」
5)ジョイ・クルックス:「スキン」
6)コージー・ラディカル:「リーズン・トゥ・スマイル」
7)リトル・シムズ:「サムタイム・アイ・マイト・ビー・イントロバート」
8)ノバ・ツインズ:「スーパーノバ」
9)サム・フェンダー:「セヴンティーン・ゴーイング・アンダー」
10)セルフ・エスティーム:「プライオリタイズ・プレジャー」
11)ウェット・レッグ:「ウェット・レッグ」
12)ヤード・アクト:「ザ・オーバーロード」
2)グウェノー:「トレゾア」
3)ハリー・スタイルズ:「ハリーズ・ハウス」
4)ジェシー・バックリー&バーナード・バトラー:「フォー・オール・アワ・デイズ・ザット・ティア・ザ・ハート」
5)ジョイ・クルックス:「スキン」
6)コージー・ラディカル:「リーズン・トゥ・スマイル」
7)リトル・シムズ:「サムタイム・アイ・マイト・ビー・イントロバート」
8)ノバ・ツインズ:「スーパーノバ」
9)サム・フェンダー:「セヴンティーン・ゴーイング・アンダー」
10)セルフ・エスティーム:「プライオリタイズ・プレジャー」
11)ウェット・レッグ:「ウェット・レッグ」
12)ヤード・アクト:「ザ・オーバーロード」
ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)
ロンドン在住、フリーランスのライター/エディター/フォトジャーナリスト。日本の大学を卒業後、国外で日系メディアやPR会社に勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の取材や記事執筆、編集、撮影などを行う。
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