広告・取材掲載

THE BIG PARADE 2014 初日ダイジェスト、佐野元春が語る音楽ビジネス他

インタビュー 特集

9月13日、音楽とテクノロジーの祭典、THE BIG PARADE 2014の本編初日が東京・代官山エリアにて開催された。

多くのセッション、ライブ、イベントが同時に行われており、その中からいくつかピックアップ。

————–

THE BIG PARADEの本編は佐野元春のキーノートスピーチで開幕した。バグ・コーポレーションの山口代表を進行に迎え、佐野元春が自らの言葉で音楽ビジネスについて語る貴重な場となった。

http://thebigparade.jp/lineup/session/sano.php

佐野のプロフィールムービーから始まったセッション、デビュー後渡米しニューヨークで音楽ビジネスを身に付け、帰国後、しばらくしてプライベートレーベルを設立。「長く音楽活動をやっていく為に、自分の楽曲を管理・保有」することが必要と考えるようになった佐野。最近の音楽シーンについて「アーティストがそれぞれの形で活動しており、一概にこういう傾向にあるとは言えなくなってきている」と複雑化するシーンの現状に触れつつ、レコードメーカーやマネージメントもかつてと業態が変わってきているとビジネス面の変容にも言及。

Webブラウザのネットスケープがまだ日本語に非対応の頃からWebに親しんでいたという佐野は、国内アーティストの先駆けとして楽曲配信を行ったエピソードも披露。当時から音楽とテクノロジーが交わる世界に対し、非凡な先見性を持っていた事を感じさせた。配信時代の到来を予感した時は、「新しい時代の扉」が開いていたと語る一方、一番大事なことはやはり「流通の形がどう変化しても、良い音楽を作り続ける事」と続けた。

高音質配信に話が及ぶと、モバイルなどでMP3で音楽聴いている若者を見かけると「僕のスタジオに招待したくなるんだ(笑)、本当の良い音を聴かせてあげたい」と、リスナーには出来る限り良い音で音楽を聴いてほしい想いをにじませた。

最もファンと濃いコミュニティーを築いたグレイトフル・デッド のヒッピービジョンを、デジタルで体現しているのが現在のインターネットだという考えを示し、「IT技術を上手く自分の音楽活動に活用できているアーティストは、実はベテランが多い」とも語る。

「ラジオが一番音楽と親和性が高いメディア」、「我々は常に良い音楽と出会いたい、そこで良い音楽との偶然の出会いを演出してくれるのがラジオ」と、音楽と出会うメディアとしてラジオの果たす役割の重要性に触れ、「ソーシャルメディアとラジオは、いい音楽を友人に伝えるという部分では同じ」とその可能性を語った。

Spotify等の先進の音楽サービスについては「本当に音楽を愛している人にbenefitがおとされ、本当に音楽を愛している(人が手がける)サービスが最終的に生き残っていくんじゃないかな」と、音楽への想いが根本にあることの重要性を語った。

質疑応答では、佐野自らが来場者に質問する一幕もあり、音楽とテクノロジーが複合したイベントの幕開けを飾るに相応しい存在感を残し、セッションは幕を閉じた。

—————–

THE BIG PARADE 2014 part中村 six本山
▲左からSIX本山敬一氏、PARTY中村洋基氏

http://thebigparade.jp/lineup/session/session06.php

トークセッション「21世紀に音楽を売るためのクリエイティブ」では、PARTY中村洋基氏とSIX本山敬一氏が登壇。バイラルビデオ(Viral Video)、価値変換(Value Change)、ライブエクスペリエンス(Live Experience)という3つのテーマに基づき、二人お互いにアイデアを出しあうという形で進行、日本のトップクリエイターならではのアイデアが会場を沸かせた。

—————–

THE BIG PARADE 2014 showroom
▲ディー・エヌ・エー前田氏

http://thebigparade.jp/lineup/session/session15.php

スポンサードセッション「プロモーション?マネタイズ?ライブコミュニケーションサービスSHOWROOMが狙う新たな市場」では、ちょうど本日大幅にリニューアルしたDeNAのサービス「SHOWROOM」から前田裕二氏が登壇。学生時代は全国ツアーするほど本格的にバンド活動していたという音楽愛の深い前田氏、海外勤務後にDeNAにジョインして立ち上げたSHOWROOMは、「SHOROOMER」と呼ばれる演者がSHOWROOMでのパフォーマンスだけで生活できるレベルになる事例がでてくるなど、急成長を続けている。トークセッション中には、人気SHOWROOMERの一人にその場で直接コンタクトし、サービスの使用感を質問するなどユニークな場面も。リニューアル前は事務所所属のパフォーマーしか配信できなかったが、リニューアル後、世界中の誰もがパフォーマーになれるようになった。オーディション等のイベントを自由に作る事も可能になっている。また、業務提携しているソニー・ミュージックエンタテインメントから赤川氏も途中から登壇し、音楽レーベルとしてのSHOWROOM活用事例を紹介した。

——-

THE BIG PARADE 2014 サードサマーオブラブ
▲クリプトン・フューチャー・メディア伊藤代表(写真右)は、「初音ミクはなぜ世界を変えたのか?」の著者、柴那典氏と「サード・サマー・オブ・ラヴ」から見えてくる世界を語った。

http://thebigparade.jp/lineup/session/session08.php

——-

THE BIG PARADE 2014 gagadoll
▲Theatre CYBIRDに展示の「GAGADOLL」

THE BIG PARADE 2014 ocuras
▲ヘッド・マウント・ディスプレイ「オキュラスリフト」を試す

Theatre CYBIRD
▲「GAGADOLL」展示と、「オキュラスリフト」が体験できる「Ocu Fes.」開催のTheatre CYBIRD

THE BIG PARADE 2014インフォメーションセンター
▲T-SITE Garden Galleryに設けられたCommunity Space、インフォメーションセンター

——-

イベントは明後日、15日まで開催。トークセッションの他、ショーケースライブイベント、クラブタイムイベントも同時開催されている。Musicman-NETでは、後日、改めてセッションの詳細レポートを公開予定。

関連タグ