「確かな信頼関係でアーティストを輝かせる」プロデューサー/株式会社コチトラ代表 ヒャクタロウ氏 インタビュー
現在は、国内にとどまらず、海外でも絶大な人気と知名度を誇るニコニコ動画発のアーティスト達。その中でも、その才能の引き出しの多さで、急速に世間の関心を集めているのが秋 赤音だ。「絶叫シンデレラ」「平成の歌う絵師」の異名を持つ彼女は、音楽だけにとどまらず、天性の声とイラストをミックスして表現活動を行うハイブリッド・アーティスト。そんな彼女を、斬新な発想とフレキシブルな手法で手掛ける、今注目のプロデューサー、ヒャクタロウ氏にお話しを伺った。
(取材・文・写真:Masahiko Yamaura、Jiro Honda)
PROFILE
ヒャクタロウ(HYAKUTARO)
プロデューサー/株式会社コチトラ代表
東京・八王子市出身。Tatoo Artやアパレル/ファッション業界を経て、ニコニコ動画発のアーティスト秋 赤音のプロデュースを手掛ける。他にも、WEBサイト「美女暦」等、様々なプロジェクトをプロデュースし、ジャンルや業界の垣根を越え、その多才さを活かし多方面にわたり活躍中。
——ヒャクタロウさんは、元々、音楽業界とは違うところにいらっしゃったそうですね。まずは経歴をお伺いしてもよろしいですか。
ヒャクタロウ:僕は、東京の八王子市出身なのですが、中学生ぐらいから渋谷で遊ぶようになって、当時チーマーとかモッズが流行っていたりして、そういうカルチャーの中で、少しヤンチャな青春時代を過ごしました(笑)。
——音楽もお好きだったんですか。
ヒャクタロウ:ええ、ジャンルでいうとノーザン・ソウルとかが好きで、聖地と言われた王子の3D CLUB BIRTHに、ほぼ毎日のように通っていましたね。
そういう中で、やはり勉強もしておかなければならないということで、中学時代は常に校内1位、高校時代もそれなりに勉強してましたが、結果的には目標の早稲田には行かずに高校の卒業式も出席せずにフランスに旅立ちました。
——どうしてフランスだったんですか?
ヒャクタロウ:もともと、母親がフランス絵画好きで、その影響もあったり、僕もアラン・ドロンの「冒険者たち」という映画が一番好きで、もうアラン・ドロンになりたいぐらい憧れていたからですね。
旅先では、置き引きにあって無一文になってしまったので、ブドウ農家に住み込みで働いたり、放浪したり、いい経験になりました。
——フランスには長い間いらっしゃったんですか?
ヒャクタロウ:いえ、帰国できる状況になったら、すぐに戻りました。帰国してからは、当時「料理の鉄人」で活躍されていた坂井シェフの作品に感動して、坂井シェフの下で働かせていただいたり、そのお店のお客さんのつながりで映画業界にスカウトされたりしました。その後は、不動産屋に務めて、宅建免許に合格したりもしました。
——目まぐるしい展開ですね(笑)。
ヒャクタロウ:(笑)。不動産屋でも仕事のやり方を工夫して、月間で不動産屋での都内3位の売上とか出したりもしたんですが、「ちょっとこの仕事も違うな」と思いまして、一旦リセットしようということで、今度もヨーロッパへ行きました。
そこで、運命的な出会いがありまして、超格好良い人がいて、それがTatoo Artistの松井ジュンさんでした。それで、お話ししたら、男として本当に心底惚れ込んでしまいまして、一緒に何か出来ないかと師匠として仰ぐ事になったんです。
——今度はTatoo Artですか!
ヒャクタロウ:それから、師匠と東京へ一緒に帰ってきて、西麻布にある彼のアトリエでTattoo Art諸々を勉強をしました。下積みなので、便器掃除から何から毎日全部やりましたね。見習いとして、夜は工事現場とかでバイトをしながら、1年半ぐらい過ごしました。Tatoo Artですから、お客さんから色んなリクエストをいただいて、お客さんの身体をキャンパスとして、まずは絵を描くんですね。僕は、師匠がデザインした下書きのトレーシングペーパーを毎日ゴミ箱から拾って持ち帰り、窓ガラスに貼って透かして、模写して覚えたりしていました。
——そこからアパレルにも展開されていくんですよね。
ヒャクタロウ:そうですね。師匠があるとき「洋服もやりたい」と言い始めたんです。彼は日本とブラジルのハーフで、日本語が少し不自由な部分があったので、そこを僕がサポートするカタチで始めました。最初は手作業でプリントしたものを、表参道とかで売っていたんですが、そのうちにモデルさんにも着ていただけるようになりまして、雑誌でも取り上げてもらえるようになったんですね。
それから、アイテムも色々増えたので、青山にお店を出したんです。そこはリアーナや、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとか、ジャンルを問わず来日した海外の方にも来ていただけるようになりまして、同じ場所にタトゥーショップ、ネイルショップも開いて、複合的に展開をしました。スタッフは僕以外外国人で構成し、この期間には言語も英語からポルトガル語、フランス語と多言語にわたり、日本にいながら外国のような生活をしていました。思えばこの時期に外国的センスが身に付いたと思っています。最終的に、ショップは全国都道府県全てに取引展開をし、フランチャイズ化展開をしていきました。
——そのときヒャクタロウさんはおいくつぐらいだったんですか?
ヒャクタロウ:29歳ぐらいでしたね。そうこうしているうちに、師匠がブラジルへ帰ることになりまして、やっていることを全てやめようと、解散することになりました。
——え、いきなりですか? 軌道に乗っている最中ですよね?
ヒャクタロウ:僕らにしてみたら師匠は絶対なので、仕方がないですが、仲間内で売上を分配して、「はい、解散!」ということで終わりにしました。
その当時、すでにファストファッションが台頭してきていまして、僕の中でファッションに対する意識が変わりつつありました。国内ブランド、国内カルチャーが世界に進出すべきだという意識が高まっていったんです。そういうときに、ニコニコ動画をずっと見ていたら、秋 赤音を見つけたんです。
ここでやっと現在の流れに辿り着くんですが(笑)、彼女の歌声を聴いた瞬間に「これだ!」と痺れました。何か悲痛な叫びにも聞こえたんです。それは、本当に師匠に出会ったぐらいの衝撃でしたね。「この娘しかいない。人生を賭けよう」ぐらいに思いました。
——運命的な出会いだったんですね。
ヒャクタロウ:ええ。そこから、どうにかして彼女にコンタクトをとろうと、彼女の唯一の窓口だったブログからメッセージを送り続けていたんです。返事はしばらくなかったんですが、半年くらい経ったある日、突然レスポンスがあったんです。でも、最初はなかなか会ってもくれませんでしたね。
それから2ヶ月後くらいにクラブチッタのイベントに秋 赤音が出演して、1曲だけ歌うという情報を聞きつけまして、すぐに行って、生で歌を聴いたら「やっぱりすごい!」と改めて惚れ直しました。その瞬間、即座に会場を出て、川崎の駅前で一番良い花束を買って、それを持って楽屋になんとか入れてもらい、本人に「おめでとうございます。お疲れさまでした!」と手渡したんです。
——やっぱり、すごい行動力です(笑)。
ヒャクタロウ:彼女はすごくびっくりしていましたけど、事情を話したら分かってくれまして、その日からようやく連絡ができるようになり、「必ず君をメジャーデビューさせるから」という約束をしました。
——ちなみに音楽業界との繋がりは、以前からお持ちだったのですか?
ヒャクタロウ:師匠がブラジルに戻った後に、今の東京ガールズコレクションの前身となるプロジェクトにも関わらせて頂き、キャスティングやブランド誘致、メンズサイト構築のお手伝いをしたりしていまして、その時期にトイズファクトリーの稲葉社長を知り合いにご紹介いただいて、お会いしていたんですよ。それで、トイズファクトリーの方に彼女のことを紹介して、稲葉さんからも「是非トイズで」と言って頂いて、デビューにつながりました。
——秋 赤音さんは絵も描かれますが、ますは歌に惹きつけられたんですね。
ヒャクタロウ:最初は、やはりどこか切ない消えてしまいそうな悲痛な歌声でしたね。それで、秋 赤音を調べているうちに、イラストもすごい、動画もクオリティが抜群、と全部が繋がって、もうとんでもない才能だと思いました。これは世界で勝負できる存在だと。
——今年3月にはフランス・マルセイユで開催された「ジャパン・エキスポ・スッド」で、ライブ・ドローイングをやられていました。
ヒャクタロウ:果たしてお客さんが来てくれるかと不安だったんですが、いざはじまると満員でしたね。その経験を踏まえて、次は香港でもライブを行ったんですが、前日から並んでいるお客さんがいるくらい熱狂的でしたね。本当にびっくりしました。
——海外の方も、やはりニコニコ動画から彼女の存在を知るのでしょうか?
ヒャクタロウ:そうですね。現地のファンは歌詞を全部暗記していて、一緒に歌ってくれるんですよ。歌った後は、ペンタブをスクリーンに映し出して、絵を描くんですが、絵なので言葉を越えて伝わるんですよね。ファンは、絵の出来上がるプロセスをみんな見たいんです。どうやってあの絵ができるんだろうという。
——彼女の絵は、一度見たら忘れられないような強烈な印象を残す絵ですが、独学で学ばれたのでしょうか?
ヒャクタロウ:独学なんですよ。彼女は、小学生低学年からPhotoshopに触れているんです。今から十数年前といえば、今に比べると、まだそこまでコンピュータも普及していなかった時代ですからね。
——小学生からですか!
ヒャクタロウ:Photoshopでずっと遊んでいたらしく、家の中でずっと絵を描いているような子供だったようです。幼稚園のときに、初めてお父さんの絵を描いて、それが凄くそっくりで家族中に誉められたことが忘れられず、そこから絵が好きになったらしいんですね。小学校低学年の時点で、すでに絵を投稿し始めて、小学生高学年の頃には、自分でHTMLを覚えて、WEBサイトを作っていたらしいんです。
——小学生でオリジナルサイトはすごいですね。曲に関しては、どこまで彼女は関わるんでしょうか?
ヒャクタロウ:今は作詞・作曲はしないのですが、絵と歌声が彼女の表現なんです。彼女は普段あまりしゃべらないんですけど、歌と絵で表現欲求が爆発するようなイメージですね。あと、動画も一人で全部作ります。
——秋 赤音さんは今おいくつなんですか?
ヒャクタロウ:今、21歳です。最初に出会ったのは、2009年だったので、当時、彼女はまだ高校を卒業したてでした。常にニコニコ動画でアーティストをチェックしていますが、私の中で彼女を超える人は未だに現れませんね。
——今、所属アーティストは秋 赤音さんだけですか?
ヒャクタロウ:アーティストとしては、彼女だけですね。あとは、長嶋りあんというモデル・女優がいます。彼女は、元々ブロガーだったんですが、読モを経て、今は多方面で活躍しています。
——モデルというところでいうと、ヒャクタロウさんは、「美女暦」という人気サイトを運営されていますよね。
ヒャクタロウ:美女暦は元々メンズのWEBサイトを手掛けているときに、男性ユーザーが毎日訪問して、集客できるサイトはないかと考えていたんです。それで、ふと「笑っていいとも」を見ていたら、「テレフォンショッキング」で毎日芸能人が変わっていくのを見て「これだ!」と思って(笑)。これを美女に変えるだけで人が来るんじゃないかと思って作りました。
——発想は「テレフォンショッキング」なんですね(笑)。
ヒャクタロウ:それで始めてみたら、いきなりすごいアクセスになったんです。ブロガーをはじめ、口コミで「面白い!」と広がり、どんどんとアクセスが上がって、現在は月間5,000万PVありますね。
——モデルはどうやって探されるんですか?
ヒャクタロウ:当初は原宿や表参道で、日々ナンパですよ。今となっては女の子から「出たい!」と自薦で来るようになりましたね。それに加えテーマを決めて、それに沿って出演していただいたりとかですね。
——似たようなコンテンツに「美人時計」とかありますよね。
ヒャクタロウ:「美女暦」の方がオープンは6ヶ月早いですね。当時は素人美女コンテンツがWEB上にほぼなかったので、「いける!」と思いましたね。「美女暦」では、現在私が写真を撮っています。動画と写真は自分で撮りますね。
——それ以外だと、トイズファクトリーの珠妃さんのヴィジュアル面を任されていましたよね?
ヒャクタロウ:稲葉社長から「こんなアーティストがいるんだけど」とアーティスト写真を見せられまして、「ヒャクタロウさんだったら、この子はどうジャケット作る?」とお話しをいただいたんです。それで、イラストをベースとしたプレゼンをしたら、一発でOKをいただきました。あと他のアーティストですが、ミュージック・ビデオのプロデュースもやりましたね。
——秋 赤音さんだけでなく、ヒャクタロウさんご自身も本当に多才ですね。さて、11月に秋 赤音さんの新作「DRAGONFLY」がリリースされますが、まずこの作品のコンセプトというのは?
ヒャクタロウ:前作は「ぼろぼろな生き様。」というタイトルなのですが、それは、それまでの彼女の歩んできた人生を反映したものでした。家に閉じこもりがちな学生時代からアーティストになれたという生き様のことで、その過去に沿ってニコニコ動画にアップロードしている過去の曲も収録しました。
それに比べて、今回は全曲新曲の書き下ろしとなっていて、「飛び出したい」というコンセプトですね。秋 赤音って“アキアカネ”、つまりトンボをイメージしているんですが、“アキアカネ”って秋の季節だけしか生きられなくて、寿命が短いんですよ。
彼女に「自分の夢は何?」と訊くと「特にないです、今を生きるだけです。」と応えるんですね。本当にトンボの一生のような人生観を持っているんです。彼女自身が今そう思っているのなら、「今飛ぶしかない、今飛んでみよう。」ということでトンボ=「DRAGONFLY」と、彼女自身が名付けました。
——刹那的ですね。
ヒャクタロウ:そうなんですよ(笑)。そんな儚い思いを抱かせる、希有なアーティストですね。
——アルバム制作時のエピソードを教えてください。
ヒャクタロウ:今までは全ての曲を彼女の自宅で、自分で歌録りをしていたのですが、今回は自分で勝手にスタジオ決めて歌を録って来ちゃったり、作曲者であるPの方にかなりハードルの高いリクエストを出したりしていましたね(笑)。
——周りの方は、ハラハラですね。
ヒャクタロウ:でもボカロPの方々も、慣れていらっしゃるのか、真摯に動いていただきました。あと、面白いのは僕も含めて、レコードメーカーの人も、レコーディングで歌っているところを誰も見たことが無いんです。
——えっ、そうなんですか。
ヒャクタロウ:今回もそうなんですけど、普段も自宅や自分の好きなトコロで歌って、録って、それが僕らのところにデータファイルで送られて来るだけなんですよ。ボイトレの手配をしても、そのトレーニングの様子は誰にも見せなかったり。
——それは何故なんでしょうか?
ヒャクタロウ:分からないですね(笑)。謎です。
——では、この間海外で行われたライブとかも、ヒャクタロウさんでさえも新鮮ということですよね。
ヒャクタロウ:もちろん、すごい新鮮です。僕もお客さんと同じようにいつもワクワクで、もうプロデューサーの僕自身が、彼女が歌っている姿の動画を撮影したくてしょがないですからね(笑)。
——(笑)。ライブに出演するように本人を説得するのも大変そうですね。
ヒャクタロウ:いやぁ、もう大変ですよ。本人からやりたがるわけじゃないですし。実家まで訪れて、近くのカフェに行って、ずっと2人で話して、「大丈夫だから」と。本人は「やってみなくちゃわからない」という哲学があるんで、「まあ、じゃあ、やってみます」という感じだったりで。
——新作のリリースに伴って、ツアーの開催や、メディアへの出演については?
ヒャクタロウ:ツアーは今はまだ出来ないです(笑)。メディアも本人はあまり出たくないみたいですね。今回もラジオが精一杯でしたし、テレビは今回に限っては全部お断りさせて頂きました。渡辺麻友さん(AKB48)のジャケットを描いたり、どちらかというと、絵の制作仕事の方は多く決まっていますけどね。
とにかく、ニコニコ動画という非常に大きいプラットフォームがあって、彼女はそこでの人気アーティストなので、そこでPVをあげるということがプロモーションになりますし、彼女にとってはそこがライブ活動だったり原点なんですね。でも、彼女自身は出演しないのですが、テレビで特集されたりすると、検索ワードランキングで1位になったりと、世の中的にはすごく敏感に反応していただいているようです。
——pixivでも有名ですよね。(pixiv:イラスト投稿に特化したSNS)
ヒャクタロウ:pixivでは、ランカーになることが絵師としてのステータスなんですが、彼女はその時の流行とは一定の距離をおいた絵で、ランキング入りするんです。基本的に彼女は、流行や仕組まれたことに関してはアンチの姿勢なので、とにかく純粋な実力や評価で勝負をしたがりますね。
——今後は歌だけではなく、絵の方でも広がりが期待できますね。
ヒャクタロウ:あらゆる「物作り」という部分で表現をしていきたいようです。それは立体物であったり、映像や洋服かもしれないですし、とにかく色々なものに彼女は挑戦しています。
彼女の側にいると、歌詞や曲もそうですが、もう自分で作って、自分でWEBにアップロードして、自分で宣伝して、自分で売って、自分で収入を得て、自分で人生設計をするというぐらいのビジョンを持てるアーティストでないと、もう生き残れない時代なのじゃないかと思います。他人のチカラをそもそもの前提にしていないというか。
——まずは、全部自分でやるべきだと。
ヒャクタロウ:そこまでアーティスト自身でやって、色々分かった上で、はじめてプロダクションやメーカー、レーベルに助力や補足してもらって大きくなる、という流れになるんじゃないでしょうか。ただ単に歌を唄ってアーティストになりたい、というだけの願望で止まっている人は絶対にうまく行かないと肌で感じています。
——でもそのような、しっかりとした「自分」をもったアーティストと信頼関係を築くのは容易ではないですよね。ヒャクタロウさんでなければ、秋 赤音さんを「部屋の中」から「外の世界」へ連れ出すことはできなかったのではないかと思います。
ヒャクタロウ:いやいや、そんなことはないかもしれないですが、とにかく信頼関係ですよね。「信用=愛情」になってくると思うので、そういう部分は僕がどんな仕事をするにあたっても、こだわりたいところです。
——しかし、こうしてお話しをお伺いすると、普通の人の人生の2〜3倍生きていらっしゃるような印象を受けました(笑)。
ヒャクタロウ:僕は今36歳なんですけど、小学校の頃から生き急いでるって言われていました(笑)。
——ヒャクタロウさんのようなバックグラウンドの視点から、今の音楽業界に対して何か思われるところはありますか?
ヒャクタロウ:昔はこうだったから今はこうだという特に90年代の音楽シーン話を耳にするんですが、僕にはそこがよく分からないんですよね、今しか知らないので。ですので、昔はCDが売れたと言われてもあまりピンとこないんです。やっぱり古い体質がずっと残っているなという印象があって、「売れるためにはこうすればいい」というアイデアが個人的には結構あるんですよ。
もちろん、しがらみだったりが沢山あるとは思うんですけど、アーティストは本人が一番輝けるフィールドでやればいいと思うんです。チャートにこだわるだけじゃなくて、もし手売りで1万枚売れるのであれば別にそれでいいと思うし、どっちかというとドライな考え方を持っていますね。
——歯がゆい感じがする?
ヒャクタロウ:そうですね。もちろん既存のシステムに倣わなければいけない部分もあるんですが、それがじれったくてしょうがないというか。今までやってきたWEBの仕事とかの視点からすると、本当は色んな手法があるのになぁ、という部分はありますね。なんでみんなやらないんだろう、という感じで。
——今後はどのようなことを仕掛けられるご予定ですか?
ヒャクタロウ:秋 赤音の展開ももちろんですが、音楽から離れたところでは、香港・台湾において、「読モ」文化を根付かせようと構想していまして、現在、日本の読者モデルの話題作りを香港などで進めているところです。
田中里奈という読モの中でもトップに君臨するモデルがいるんですが、主に彼女の中国内での仕掛けで、今冬から中国内の雑誌を中心として展開を行っていきます。あと、香港、台湾のスーパー美少女を日本国内でデビューさせるということも、来年度は仕掛けていく予定です。
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秋 赤音「DRAGONFLY」(ドラゴンフライ)
2012年11月14日発売
TFCC-86418/¥1800(tax in)
【収録内容】全9曲(全て新録)
1. 感弩≠Reduction/作詞・作曲:やいり
(日本テレビ系「ゲーマーズTV 夜遊び三姉妹」11月エンディングテーマ)
2. BBM/作詞・作曲:niki
3. 衝突未来予想図 feat.灯油/作詞・作曲:ゆうゆ
4. ボッカポッカと数奇な数字/作詞・作曲:SaiB
5. アステロイドの錯視/作詞・作曲:noa
6. 鉄パイプと夜の雨/作詞・作曲:YM
7. HEAT/作詞・作曲:niki
8. ヒソヒソバナシ/作詞:mommy・作曲:nuts rock
9. 桔梗色のサヨナラ/作曲・作曲:ゆよゆっぺ