Vol.27 CCRE株式会社 ビジネスプロデュース本部 宣伝課 主任 坂下 浩子さん
音楽業界の今を動かす、現場の音楽業界人 = Musicman に、仕事内容や最近の「気になる!」こと現在の仕事に至るいきさつなどを中心に伺っていくインタビューコーナー「Musicman Pick Up」。
第27回は、CCRE株式会社 ビジネスプロデュース本部 宣伝課 主任 坂下 浩子さんのご登場です。
——どんな部署でどんなお仕事をされているんですか?
坂下:CCRE株式会社のビジネスプロデュース本部/宣伝課で、音楽CD、DVDなどの、メディアへの宣伝プロモーションを担当しております。雑誌、新聞、ラジオ、TV、WEBと担当媒体はおよそ50媒体ほどあり、業務は多岐に渡ります。ロック、ポップスから演歌まで音楽は幅広く好きですが、得意なジャンルはクラブ・ダンスミュージックで、クラブ系音楽専門誌やクラブ系WEBサイトも担当しています。
昨年末には、男性ファッション誌にて、今年の洋楽ヒット予想をさせていただきました。今年に入ってからは、洋楽の楽曲でFM局のパワープレイも獲得し、番組にも出演させていただきました。また、クラブイベントに携わっていた経験を生かし、メディアの方のために、取材に適した都内の様々なクラブイベントを紹介したりもしています。先日、ジャイルス・ピーターソンや、沖野修也さんなど多くの日本人アーティストとも親交が深い、フランス人のアーティストでプロデューサーの、JAZZAMAR(ジャザマー)の来日プロモーションに関わり、クラブイベント/ダンスミュージック情報サイトに掲載用の、オフィシャル・インタビュー記事の作成も、ライターを使わず自ら行いました。
メディア・プロモーション以外にも、アパレルなど異業種とのタイアップに取り組んでいます。また、4月より音楽CDの店舗への営業業務も加わりました。
——よくある1日の業務スケジュールを教えてください。
坂下:⇒9:00出社(会社は9:30より始業ですが、たいてい早く出社します。)
⇒午前中は、メール・チェックや事務作業、リリースの作成やWEB媒体への書き込み、広告代理店やPR代行会社からの売り込みの対応、社内会議など。
⇒午後/夜は、メディアへのプロモーションや打ち合わせのため外出し、雑誌社やテレビ局、FMラジオ局などを回ります。また、地方店舗への電話での営業も行います。
⇒その他、夜には時々、音楽業界の方やメディアの方と親交を深めたり情報収集をしたりするために、懇親会(飲み会)をします。特に週末の夜は、人脈つくりのためクラブイベントに足を運びます。クラブでは様々な出会いがあり、遊びだけではなく仕事につながる様々なチャンスを探します。
——これまで関わったor担当アーティストは?
坂下:音楽業界に入ってからは、主に邦楽・洋楽両方の、音楽CDの制作、海外渉外、宣伝プロモーション、そして、クラブイベントの企画・広報(プレス)などの業務を行ってきました。音楽ジャンルとしては現職でもそうですが、ハウス、ヒップホップ、クロスオーバー、エレクトロなど、クラブ・ダンスミュージックに関わることが多かったですね。アメリカの大学で学んだ経験を生かし、海外アーティストの来日時のアテンドも行ってきました。
たくさんの素晴らしい洋楽や邦楽のアーティストの方々の、プロジェクトに参加してきましたが、特に、いろいろなことを学ぶ機会を与えてくれたのは、HEADCASE(ヘッドケース/荏開津広、藤井悟、松岡徹)、RHYMESTER(ライムスター/宇多丸、Mummy-D、DJ JIN)といった方々との業務だと思います。
——音楽業界で働くことになったきっかけはありますか?
坂下:ラジオのDJをやったのがきっかけで、音楽業界に興味を持ちました。
アメリカの大学に在学中に、カリフォルニアのコミュニティー・ラジオ局のDJ兼ディレクター(選曲、CM出し、リクエストの電話取りなど)を毎週3時間やりました。アメリカのラジオ局では主流らしいのですが、DJをやりながら番組に関わる全ての業務を一人で行いました。選曲は、主にアメリカのカレッジ・チャート中心のロック、ポップスで、二十歳前後向けでした。ロック・バンドが突然売り込みにやってきたり、サーティワン アイスクリームで働く高校生が皆でリクエストの電話をかけてきたり、楽しかったですね。
その経験から、音楽に関わることはやりがいがあることだと実感しました。余談ですが、アメリカの大学の学友には俳優のオダギリジョーさんもいましたよ。帰国後は、FMラジオ局のINTER FMで役員のアシスタントを担当し、その後レコード業界に移りました。
——この仕事をしていて、嬉しい瞬間はどんなときですか?
坂下:音楽業界で仕事をしていて嬉しい瞬間は、アーティストの方やメディアの方、その他様々な方とつながりが持てて、その上、共に感動を味わえたときですね。
数年前に勤務していたレコード会社での話しですが、会社の皆と一緒に頑張ってきたヒップホップのアーティストが、数千人規模のライブを初めて行い会場をいっぱいにしたときに、「遂にここまで来たか、、、」と感動して、男性も含め会社のスタッフ皆で嬉しくて泣いたことがありました。
また、つい最近の話しですが、私がまだ右も左も分からない駆け出しの頃に、CDの制作と宣伝(アーティスト担当)をさせていただいていたベテランDJの方にばったり会い、「まだ、頑張ってるんだー。オレも、まだまだ頑張るよ!」と言われたことは嬉しかったですね。FUJI ROCK FESTIVALでもここ数年DJをされ活躍されていて、その方との再会は、私にとっても励みになりました。
——この仕事の大変なところ、難しいところは?
坂下:あまり大変だと感じたことはないですね。深夜業務も苦にならないし、ネガティブなことは一晩寝たらたいてい忘れます。クラブイベントに携わっていた際は、24時間以上続けて勤務したこともありましたが、イベント特有の高揚感のせいか気力でなんとか乗り切れました。
強いて言えば、様々なことが日々起こるので、臨機応変な対応をするようには心がけています。
——職業はどんな雰囲気?流行っていることなどありますか?
坂下:現在の職場は若いスタッフが多く、チームワークと活気があり仲がいいですね。
——仕事において、これだけは誰にも負けない!という強みは?
坂下:バイタリティーとチャレンジ精神です。ベンチャー企業での勤務や新規事業立ち上げなど、厳しい状況の中従来の形式にとらわれることなく、柔軟に企画・宣伝を行ってきたことが強みです。打たれ強さには自信があります。
また、新しい文化(音楽)、先端な文化(音楽)への好奇心や探究心は、どんなに年を取っても持ち続けたいと思っています。 加えて、仕事でも生かされているとは思うのですが、オープン・マインドで人とは接するように心がけているためか、「しゃべりやすい。」と言われることです。
——今の仕事で一番やりがいを感じることは何ですか?
坂下:様々な人とのつながりができ、アイディア次第で仕事の幅を広げることができることですね。自分の提案した企画が雑誌などのメディアで取り上げると、とても嬉しく感じます。
また、ファッション誌を通じてアパレル・ブランドの方や、カメラマン、スタイリストなど異業種の方と仲良くなり、全く違うジャンルで活躍する方々ともコミュニケーションもでき、いろいろと勉強になります。
——この仕事はどんな人に向いていると思いますか?
坂下:音楽業界で仕事をするのに向いているのは、既存の枠にとらわれずアイディアを持って、新しいことに挑戦できる人ではないでしょうか?受身だとなかなか難しいのではないかと思います。
——これから挑戦してみたいと思うことはありますか?
坂下:音楽CDのA&Rとして、良質なヒット作を手掛けたいです。また、数千人規模の音楽イベントも仕掛けたいです。まだまだ私はこれからです!
プライベートでは、DJの手習いを始めました。早くイベントでお披露目できるようになりたいですね。
——今後の人生プランは?
坂下:「昔はよかった、、、」と過去を振り返ることなく、10年後、20年後も楽しく仕事をしていたいですね。今よりもっと幸せになれるように頑張ります!
——Musicman-NETの活用法、好きなコーナーなどあれば教えてください。
坂下:「Musicman’s RELAY」が好きです。音楽業界そして人生の大先輩の方々のお話は、とても勉強になりいろいろ気づかされることも多いです。
——最後に、音楽業界を目指す人(アーティストも含む)に一言。
坂下:前の質問でも答えたように、アメリカの大学に在学中にカリフォルニアのラジオ局でDJをしていたのですが、「DJをさせてくれ!」とほぼ殴り込み状態!?でさせてもらいました。外国人で、しかも、アジア人の女の子が一人で売り込みにやってきたことに、面接を担当したカリフォルニアのラジオ局のアメリカ人の大男たちは、とても驚いたようでした。
今思えばありえないことをしたと思うのですが、自分にとっては、その後を支える大きな経験となりました。何かを本当にやりたければ、無理してでも、チャンスは自分でつかんだ方がいいと思います。
★以下、CCRE株式会社ウェブサイトのURLです。是非チェックしてみて下さいね!
●会社TOPページ ⇒ http://www.ccre.co.jp/ |
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