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ソニー・ミュージックスタジオ オープニングレセプション

インタビュー スペシャルインタビュー

去る4月20日、落成したばかりのSMEJ乃木坂ビル内に新装されたソニー・ミュージックスタジオのお披露目が行われた。完成前からその規模、スペックとも大いに噂となっていた新スタジオであるが、Musicman-NETでは、この度明らかになったその様子をお伝えする。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオa

地下鉄乃木坂駅を出ると目の前にそびえるソニー・ミュージックの新社屋。その地下部分3フロアは、レコーディングとマスタリングは言うに及ばず、アーカイビングから音楽配信のオーサリングまでをカバーする大スタジオ群。まさにトップ・レコード メーカーの面目躍如たる堂々ぶりである。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオb

訪れた我々の目をまず最初に奪ったのは、入口付近にできた入場待ちの行列だった。人気アーティストの会見があった訳ではない。図らずも、このスタジオが関係者ばかりでなく業界内外から熱い視線を注がれていることの証明となった。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオc

早速エレベーターでレコーディング・スタジオのある地下3階へ。エントランスや廊下は全体が地上階までの吹き抜けとなっており、地下特有の圧迫感はゼロ。むしろ南欧の石造りの街並みを見るような開放的な印象を持った。

5 つのレコーディング・スタジオは、大編成が可能なSTUDIO1,2にダビングからミックスのSTUDIO3,4、そしてサラウンド対応のSTUDIO5 という構成で、アナログのビンテージ機材から最新のデジタル機器まで新旧のテクノロジーがバランス良く同居している。どのスタジオも十分な面積と天井高があり、様々な壁素材を組み合わせ計算しつくされたデザインは、むしろ自然で落ち着いた印象。設計を担当したピーター・グリューナイセン氏の言葉通り、『先端的な表現方法を用いつつ、スペースが与える感覚は親しみの持てる快適なもの』となっている。

会場でお話を伺った数名の外部エンジニアの方々は、口々にSTUDIO5のデジタル・コンソールとサラウンド・モニターについての興味を語っていた。国内ではまだまだハード/ソフト共に環境が整わないサラウンド市場ではあるが、今後ここから生まれるソフトが突破口を開いてゆくのかも知れない。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオd

地下2階の12ものマスタリング・スタジオまでトータルに設計されたスタジオ・モニターは、レコーディングから一貫した正確なモニタリングを可能にし、さらに音響専用電源等の採用により、ソニー・ミュージック独自のSACDをはじめとする超高音質メディア、及びこれからのネットワーク・メディアに全面的に対応したまさにハイエンドなスタジオである。

今回は都合で地下1階のオーサリング・ルームを見学できなかったが、従来のビデオ編集やオーサリングだけでなく、ここでサーバーへのアーカイビング、更には音楽配信の為のオーサリングを行う。コンテンツの制作から保存、そして配信まで、今後の音楽ビジネスのあり方のいわば最先端のモデルがここにあるといって良いのかも知れない。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオe

ひと通り見学したあとは、パーティー会場となった地上2階のライヴテリアへ移動。スタンディングで300人は収容できそうな会場は、自社アーティストのライヴやコンベンション、そしてその収録のために作られたようだ。

場内ではスタジオビジネス界の錚々たる顔ぶれが、口を揃えて新しい時代のハイエンド・スタジオにため息をついていた。この規模とスペックを持つスタジオが新しく建設されることは、おそらく今後もうないだろうというのが一致した意見のようで、『(この規模では)最後のスタジオ』という言葉が多くの方から聞かれた。

スペシャル03ソニー・ミュージックスタジオf

SMEJ 内でも計画段階では、この設備縮小の時代にあっていわゆる「大バコ」を2つ持つことについては随分と是非が問われたようだ。だが最終的には、世の中が縮小・合理化に流れる時代だからこそ、大手レコード・メーカーの責任としてハイエンドの大スタジオが必要なのだとの結論に達したと聞く。SMEJの理念と底力に敬服すると共に、同じ業界で働く者として勇気を与えてもらった思いがした。

パーティーの最後には、SMEJ録音グループ兼SACDプロジェクト本部長である伊藤八十八氏の挨拶があり、プロジェクト発足から3年、着工から2年を経て完成した感慨と共に、『最新技術もさることながら、そこに心を注ぐことで、住環境も含めた形でアーティストやスタッフの皆様に愛していただきたい。そしてそこからたくさんの良い音楽が、ヒット曲が生まれるように願っています。』と締めくくった。

 

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多くの関係者たちで賑わう2Fレセプション会場。   「今後これ以上のスケールのスタジオは二度とできないでしょう…。」 と感慨深げなASTマスタリングスタジオ代表の吉沢典夫氏。
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[A Collection of CD Artwork] SMC&Highway GraphicsによるCDジャケットが飾られている。 「Musicman」も普段から大変お世話になっている(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントSACDプロジェクトの高橋順子さん。 SMEのスタジオらしくSACDの試聴機も用意されている。まだ未体験の方はぜひお試しを!

 

【RECORDING STUDIOS】Equipment Studio1 Studio2 Studio3 Studio4 Studio5
Console Neve 8872 SSL 9072J Euphonix SYSTEM 5(Digital)
Monitoring Systems TEC:ton TTH-1s
TANNOY SGM-10/YAMAHA NS-10M
Multi Track Recorder SONY PCM-3348HR
STUDER A-827
  Euphonix R-1
Master Recorder STUDER A-80-1/2
SONY PCM-7040
Piano STEINWAY & SON’S  

 

【MASTERING STUDIOS】Equipment
Editing System Sonic Solutions System HD-1000
Monitoring Systems TEC:ton TTMF-2s
SME MONITOR CONTROLLER
SME D/A CONVERTER
Analog Recorder STUDER A-80, A-820
Digital Recorder SME DISC RECORDER
SONY PCM-1630, PCM-9000
Genex-8500 MO RECORDER

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
ソニー・ミュージックスタジオ
〒107-8301 東京都港区赤坂9-6-35
レコーディング・ルーム Phone 03-5786-8841 Fax 03-5786-8848
マスタリング・ルーム  Phone 03-5786-8821 Fax 03-5786-8822
オーサリング・ルーム  Phone 03-5786-8801 Fax 03-5786-8802