STUDIO APARTMENT MySpaceオーディション×5thアルバムインタビュー
プロデューサーユニット・STUDIO APARTMENT が、結成10周年となる2010年に約3年振りとなるアルバムをリリースする。それに先駆け、MySpaceとタイアップし初のヴォーカル・オーディションを開催。求めるヴォーカリスト像から制作中の最新アルバムについて、記念の年となる2010年の動向までを伺いました。
——まず、今回のオーディションの経緯をお伺いしたいのですが。
STUDIO APARTMENT(以下 SA):次で5枚目のアルバムになるんですが、初期を除くとここ4,5年のアルバムで日本人ヴォーカリストをフィーチャリングしたことがなく、海外のシンガーとやってばかりだったんですね。というのも、海外でのリリースを前提に制作を行っているので、ネイティブな英語じゃないとやはり海外では受け入れられないという現状があるため、日本人ヴォーカリストをフィーチャリングするということを視野に入れてなかったんです。
でも、この辺で一度チャレンジしてみようかと。つまり日本人ヴォーカリストの可能性に期待をしたいなというところで、「では、どういう形態で募集した方がいいのかな?」と考えたときに、レーベルのスタッフたちと相談をして、MySpaceさんでヴォーカルオーディションをしようという運びになったんです。
——オーディションの場にMySpaceを選ばれた理由は?
SA:普通にただ単にデモテープの募集を受け付けるのではなく、僕らのデモに歌を録音して貰って、それをMySpace上にアップしてもらったほうが単純明快だろうと。
——ちなみに作品をリリースしている海外レーベルを通してヴォーカリストを見つけるということは考えられなかったんでしょうか?
SA:もちろんそういう選択もあったかと思いますが、これまでもその様な海外のルートを通じてやっていたので、それだと面白くないなと。逆に、一緒にやりたいと思う海外のアーティスト達とは殆どやってしまったんですよ。他のルートで新しい可能性を、ということで今回の方法を採ることにしました。
——先ほど「日本人ヴォーカリスト」と仰っていましたが、一応オーディションの規定には「国籍不問」となっていますよね。
SA:そうですね。と言うのも今回の曲を日本人ヴォーカリストが歌うにはなかなか難しいと言いますか、イメージしづらい曲なんですね。というのもあって、一応間口は広くしてあります。実はこの曲はインストとしてもある程度成立しているんですが、それ以上にヴォーカルが加われば、より一層いいものになるんじゃないかなと思っています。
——今回はその楽曲を歌う1名を選考することになるのでしょうか?
SA:この楽曲に関してはそうですが、他にもいいヴォーカリストがいたら、他の楽曲にも参加してもらいたいですし、グループでの応募も大歓迎です。どんな形でもいいと思っています。
——具体的にはどのようなヴォーカリストを求めていらっしゃるんでしょうか?
SA:細かい希望はありません。ただ、この楽曲をより持ち上げてくれるようなヴォーカリストですね。
——ニューアルバムの中で、このオーディションの楽曲はどのような位置づけになるのでしょうか?
SA:この曲はアルバムの方向性を左右する大事な位置づけの曲になると思います。
——例えば、アマチュアのヴォーカリストの方が選ばれて、この楽曲だけでなく、今後『Apt.』レーベルの方からデビュー、果ては世界でのリリースということもありえるんでしょうか?
SA:ええ。僕らがプロデュースするなり、その可能性は十分にあると思いますし、できればそうしたいと考えています。
——ちなみに今までお仕事をされた日本人ヴォーカリストの中で、「この人は凄いな」と思われた方はいらっしゃいますか?
SA:すでにデビューされている方たちはみなさんやはり個性がありますよね。ただ、僕たちは海外でも色々なヴォーカリスト、特に黒人のヴォーカリストさんたちと仕事をする機会が多いので、どうしてもそこと比較をしてしまうんですよね。でも、単純に比較はできないでしょうし、いい声のヴォーカリストや日本人の個性みたいなものもあると思いますしね。
——歌声以外にも求める才能があればお聞かせ下さい。
SA:それはあれば面白いですけど、今回のオーディション曲に関しては、ヴォーカル力がないと成立しないと思うので、例えばビジュアルで選んだりということではなく、圧倒的にヴォーカル力を優先します。
——では、単純に歌声に自信を持って応募して欲しいということですね。
SA:その通りです。できれば海外のMySpaceとも連動してオーディションを開催できればよかったんですけどね(笑)。海外に在住している日本人の方でもいいじゃないですか。そのほうが語学的なレベルも高いでしょうしね。
——今回のオーディションで一番期待していることはどのようなことでしょうか?
SA:想像を絶するような日本人ヴォーカリストが現れてくれることでしょうかね(笑)。そういった人が現れてくれたら、本当に嬉しいですね。大収穫だと思います。
——リリース後の「WORLD MUSeUM」にも出演できるということですが、ライブ未経験の方でも大丈夫でしょうか?
SA:はい、全く問題ありません。あの会場で歌うことができたらとても気持ちいいんじゃないかと思います。ただ、度胸と気合いがないと正直厳しいかもしれません(笑)。
——満員のageHaですものね(笑)。次回(2010年)の開催も7月の中旬頃を予定されているんですか?
SA:はい、来年も開催できればと思っています。そのときはアルバムのリリースパーティーという形にもなると思いますので楽しみですよね。
——来年は結成10周年を迎えられるということで、3年ぶり5枚目のオリジナルアルバムをリリースされるそうですが、制作は順調に進んでらっしゃいますか?
SA:はい。これまでの作品ではNY的なサウンドのイメージだと思いますが、次回作はどちらかというとヨーロッパ寄りで色々なタイプの楽曲を収録しようと思っています。よりダンスミュージックなアルバムというような表現が一番良いのかもしれません。
——常にホームリスニングでもフロアでも使える楽曲を意識されていると思うのですが、それは今回のアルバムでも同様ですか?
SA:バランス的にはそうなんですけども、制作段階ではあくまでもフロアでの鳴りを重視して制作はしているので、ホームリスニング用にも対応はできるんですけど、できればクラブに足を運んで聴いてもらえた方が、僕らの楽曲の趣旨を理解してもらえるんじゃないかなと思っています。
——アルバムの制作期間はわりと短いほうですか?
SA:二人で一緒に作業するときはぱっとやってしまうんですが、あまり一緒に作業することはないですね。お互いの役割分担がしっかり決まっていて、それをお互いがきちんとこなし、データを交換して、作り上げていくんです。なので、今年の4月から一度も一緒に作業はしていないですね(笑)。
——半年もですか(笑)。
SA:お互いが東京に住んでいなくても問題ないですし、今はそれが出来てしまいますからね。
——それなのにクオリティの高いアルバムが出来ることがすごいですね。
SA:ただ、リード曲などは一緒に作ることが多いです。最初にキャップ(阿部)がギターを持って、僕(森田)が鼻歌を歌いながらメロディを考えたり、いろんな形態で制作を行ってます。
——ヴォーカル・レコーディングの際もどちらかが立ち会うのでしょうか?
SA:いえ、レコーディングは常に一緒にやります。
——まだリリース前ですが、現段階でニューアルバムのKing Street SoundsやDefectedなど海外のレーベルからのリリースは決まっていますか?
SA:今のところまだどうなるかはわかりませんが、既にアルバム用に作った楽曲がDefectedから4曲ほど先行シングルとして出ています。さらにちょうど来週からADE(アムステルダム・ダンス・イベント)(※1)にうちのスタッフが行くことになっているので、そこで現段階でのデモを聴かせて、生の反応をチェックし、今後どうしていくかというミーティングを行っていると思います。
——オーディション楽曲以外でアルバムに参加されるアーティストは決まっていますか?
SA:Defectedから先行リリースされているトラックで言えばMr.V、Marc Evans、Yasmeen Suliemanが参加していますが、まだこれら全てをアルバムに収録するかは決まっていません。今回は国内盤と海外盤の内容を変えて制作を行っているので。これから制作するなかでは別の日本人ヴォーカリストの参加も決定しています。
——それは楽しみです。アルバムリリース後は毎年恒例の「WORLD MUSeUM」も決定していますが、来年は10周年のアニバーサリー・イヤーとして他に計画されていることはありますか?
SA:そうですね、まずはアルバムのリリース・ツアーを3〜4ヶ月にかけて行う予定です。他にも10周年企画の構想をスタッフと練っている真っ最中ですので、今回のオーディションも含めて、何かしら面白いことをやりたいと思っています。
(※1) ADE(アムステルダム・ダンス・イベント):ダンスミュージックの一大フェスティヴァル。人気DJやプロデューサー約500人が参加、ダンスミュージックのレーベルショーケースや新しいサウンドの紹介に重点を置かれ、市内40を超える有名クラブなどで夜から明け方までノンストップで最先端のダンスミュージックを体験できる。レコード会社のプロデューサーや音楽出版関係者などが出席して会議も開催されるところから、欧米の業界関係者が一堂に会するビジネス・イベントとしても知られている。
● オーディション実施概要
ワールドワイドに活動するハウス・プロデューサーユニット”STUDIO APARTMENT”が、結成10周年となる2010年、約3年振りとなるオリジナル・アルバムをリリースする。
それに先駆け、MySpaceとタイアップし、初のヴォーカル・オーディションを開催。
ファイナリストは、5thオリジナル・アルバムにフィーチャリング参加し、モンスターパーティ『WORLD MUSeUM』へライブ参加できます。
【応募資格】
HOUSE、R&B、SOUL等のダンスミュージックが大好きな20歳〜35歳までの男女。プロ、アマ、国籍は問いません。
【応募期間】
2009年11月1日(日)〜2009年12月31日(木)
【応募方法】
MySpace に開設されたオーディション特設ページにUP されている課題曲をダウンロード。
→録音した楽曲をご自分のマイスペース・プロフィールページにアップ。
→オーディション特設ページにフレンド・リクエストを申請
→フレンド・リクエストが承認され次第、エントリー完了。
※課題曲の歌詞は、エントリー者に任せる形になります。但し、オリジナルに限ります。また、歌詞が書けない場合や用意出来ない場合は、スキャットやハミングも可能です。
【グランプリの選考】
アップロードされた楽曲を聴きに、STUDIO APARTMENT 自ら応募者のMyspace を訪問致し、審査致します。
【審査発表】
2010 年1 月末にMySpace特設サイト上にてグランプリを発表致します。
※但し、審査基準を満たす該当者がいない場合、グランプリは選出されない場合もございますので、予めご了承下さい。
● LINK
◎ www.newworldrecords.jp
◎ www.studioapartment.jp
● STUDIO APARTMENT BIO
DJとして国内外のクラブで活動している森田昌典と、数多くの音楽活動を経験してきたマルチプレイヤー阿部 登によるトラックユニット。 ダンスミュージックをキーワードに、ジャンルに囚われない多種多様な音楽要素を織り交ぜた独自の音楽制作を展開。多数の豪華アーティストが彼らの作品に参加しており、King Street(US)やDefected(UK)などシーンを代表する海外レーベルからリリースされ、STUDIO APARTMENTの名は一気に世界のダンスミュージック・シーンに広まった。2008年からは本格的に海外での展開をメインに置き、世界デビューアルバム『The Rising Sun』収録の”I’m In Love”は世界最大のダンスミュージックDLサイトbeatportの「BEST OF DEEP HOUSE 2008」チャート1位を獲得。その後も海外での評価を確実に高めている。2006年には自身が主宰するダンスミュージックレーベル「Apt.」「Apt. International」を設立し日本人アーティストの発掘育成や海外アーティストの作品もリリースするなどワールドワイドにマルチな活動を行う。国内では、Crystal Kay、Def Tech、Misia、キマグレン、RIP SLYME等、メジャーアーティストのプロデュース及びリミックスを担当する。
● NEW ALBUM
『2010』
2010年 春 発売 / 価格未定
発売元 : Apt./ NEW WORLD RECORDS Co., Ltd.
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