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1億人を超える楽天会員基盤を最大活用 〜 定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」

インタビュー スペシャルインタビュー

楽天株式会社 ブックス事業部 パッケージメディア課
映像グループ マネージャー
デジタル音楽グループ マネージャー
三枝 大祐


 楽天が2016年8月に提供を開始した定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」。サービス開始から約半年が経った今、Eコマース事業のイメージが強い同社が定額制音楽配信事業に参入した経緯や、1億人を超える会員基盤を持つ楽天ならではのビジネスモデルについてお話を伺いました。

2017年4月24日掲載
  1. 「楽天経済圏」との連携で高い顧客満足度を実現
  2. 楽天ポイントを使った施策で他サービスと差別化

 

「楽天経済圏」との連携で高い顧客満足度を実現

——どのような経緯で音楽配信に参入されることになったのでしょうか?

三枝:もともと「楽天ブックス」でCDとDVDの販売を行っていたので、レコード会社との関係性を活かせる環境があったことと、成長が期待できるデジタル音楽配信の分野で、新しいサービスをユーザーに提供したいと考えたところからプロジェクトがスタートしました。

——AWAやApple Musicなど他社より1年ほど遅れてのサービス開始となりましたが、どのような意図があったのでしょうか?

三枝:楽天が作る音楽配信サービスの付加価値を考え、ユーザーが使い勝手のよいサービスとするための準備が整ったタイミングで始めました。日本国内では、CDやDVDといったパッケージ商品のマーケットが大きい状況でしたので、楽天が提供するサービスの意義を考えたときに、音楽配信だけじゃなく、パッケージ商品もアプリから購入できるような、Eコマースと連携したサービス設計にすることが重要だと考え、その準備に時間を使ったというのが一番大きいです。

——「Rakuten Music」は、楽天グループの各サービスと連携したビジネスモデルになっているそうですね。

三枝:そうですね。音楽ファンが音楽配信以外にも便利に使える機能や施策を展開できるのが「Rakuten Music」の特長だと思っています。先ほどもお話しましたが、気に入った楽曲のCDやDVDを音楽アプリから「楽天ブックス」を通じてワンストップで購入できるだけでなく、通常の価格よりお得に商品をご購入いただけるようになっています。実際に「Rakuten Music」のユーザーは高い割合でCDとDVDをご購入されていますので、我々の意図したところはある程度、成功しているのかなと思いますね。

——月額プランも楽天会員とそれ以外では価格に差がありますが、会員向け特典の1つという位置づけなのでしょうか?

三枝:そうですね。価格も重要ですが、他にも様々な会員優遇策を設けることで日常的に使っていただけるサービスを目指しています。楽天グループの様々なサービスで、楽天スーパーポイントを貯めたり使ったりできる経済圏を、我々は「楽天エコシステム」と呼んでいます。「Rakuten Music」などの音楽コンテンツは、ユーザーの接触頻度が高いサービスですので、音楽を入り口にして、音楽以外のサービスもお得になったり、便利に使えるようになったりする会員優遇策を展開することで、音楽ファンの顧客満足度を最大化していくことが重要だと思っています。

定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」価格

「Rakuten Music」ウェブページより

 

楽天ポイントを使った施策で他サービスと差別化

楽天株式会社 三枝大祐氏

——「Rakuten Music」単体での収益化を見込んでいるのでしょうか?

三枝:もちろん、単体での収益化も重要ですが、音楽配信・パッケージ商品の両面で、より安定した収益構造を作っていく考えです。最終的には「Rakuten Music」だけでも大きな収益を生むようなサービスとなるよう、頑張っていきたいと思っています。

——そうなりますと、音楽配信に特化している企業と同じ市場で競うことになりますが、先ほどお伺いした会員基盤以外で差別化を図るような施策は検討されているのでしょうか?

三枝:まず、サービス自体の満足度を高めていくことが重要だと考えています。「Rakuten Music」は、音楽ファンへ総合的に、利便性の高い様々な付加価値を提供しているのが最大の特長だと考えています。アプリからパッケージを購入できるサービス仕様にしてあることはもちろんですが、もうひとつ大きいのは、「Rakuten Music」の利用者は楽天が運営しているサービスから様々な特典を受けることができることです。

例えば、「Rakuten Music」の有料会員は、「楽天市場」や「楽天ブックス」で商品を購入すると、通常の3倍の楽天スーパーポイントがもらえます。また、ポイントを使った楽曲再生のキャンペーンも実施していまして、昨年末には2016年の年間TOP100にランクインした楽曲でプレイリストを作り、そこから1曲再生するごとに楽天スーパーポイントを1ポイント、プレゼントしました。結果、再生数が通常期間の約10倍に伸びましたので、やはり楽天ユーザーに対してはポイントをうまく使えば、こちらが意図としたトレンドを作ることができ、音楽とユーザーとの接点を大きくすることができるという手ごたえを感じています。

定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」ポイント

「Rakuten Music」ウェブページより

——現在抱えている課題はありますか?

三枝:当面は楽曲数だと思います。3,000万曲が標準レベルという見方をしていまして、早い段階でそのレベルまで達するように進めているところです。また、我々もようやく、どういう施策を取ると楽天会員に「Rakuten Music」を利用してもらえるかというのが分かってきた段階なので、そういった施策の頻度を増やし、精度を高めていくというところが次の課題だと考えています。

——「Rakuten Music」の今後の展望をお聞かせください。

三枝:ユーザーインターフェース(UI)の改善を進めつつ、楽曲の大幅な追加を図っていきます。また、楽天の既存のサービスとの連携により、相乗効果を高めていくと同時に、ユーザーに「Rakuten Music」を毎日利用して頂けるサービスにしていくことを目指していきます。

定額制音楽配信サービス「Rakuten Music」サービス画面

「Rakuten Music」サービス画面

楽天株式会社 三枝大祐氏

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