【14th TIMM】アミューズ 山内学「中国著作権&ライブビジネス事情・現状と可能性」
第14回 東京国際ミュージック・マーケット(14th TIMM)ビジネスセミナー
中国音楽コピーライト最前線で活躍するHi Five社のMaggie Zhou氏と、近年多くの日本人アーティスト系イベントを中国で成功させているアミューズ上海の山内学氏の両名が最新の中国ライブ及び音楽著作権ビジネス事情に関してプレゼンテーションを行った。
<スピーカー>
山内 学 氏(株式会社アミューズ アジア事業部長 / 株式会社アミューズ上海 総経理)
アミューズ上海の中国におけるライブ実例
弊社アミューズの海外ブランチに関しては、自社のアーティストの海外進出の一つの足がかりになることも一つの目的としてスタートしましたが、現在は様々なマネージメントや、レコード会社の方々の窓口として、日本のアーティストの海外進出、中国進出をさせていただいております。他には、中国のドラマや映画のなどの映像制作事業などにも取り組んでおります。
現在、弊社の中国におけるブランチは上海に置いております。その他海外では、韓国、台湾、香港、シンガポール、アメリカ、フランスに拠点があり、フランスには、海外展開のパートナーシップを結んでいるランティスさんとの「AmuseLantis Europe S.A.S.」という会社もございます。
我々としましては、各地での事業開拓はもちろん、これらのネットワークを使って、日本のアーティストが幅広く海外へ進出していかれる際のプロモーターとして、各地での活動のサポートができましたらと考えております。
また、海外の各ブランチでは日本のアーティストの海外進出はもちろん、現地でどういった事業ができるかを日々画策しており、国によって、コンサート制作、映像制作、アーティストマネージメントあるいは広告事業と、地域に合わせた形でビジネスの主軸を見つけ展開しております。
では、我々アミューズ上海では、中国で年間約20から30本のライブ(アリーナクラスからライブハウスまで)、イベントなどの運営に携わっております。その中の一例を紹介します。
弊社所属のONE OK ROCKはメルセデスベンツアリーナという、上海で最大のインドアスタジアムで2016年にライブを行いまして、約12,000枚のチケットが即完売でした。
ONE OK ROCKの中国大陸で初めてのライブを、この大きな会場でやるという判断は、台湾、香港でのチケットの売れ行きや、現地SNSでの情報発信時の閲覧数などファンの反応を元に判断をしました。
また、現在パートナーを組んでいるランティスさんとの海外事業の取り組みとして、2015年に「ランティス・フェスティバル」というイベントをロサンゼルス、上海、台北、香港、シンガポール、ソウルで開催しました。
我々アミューズ上海にとっては、数千人規模のコンサートはこれが初めての試みで、ランティスさんの力をお借りして、こういった海外の経験を積ませていただきました。
アジアにおけるライブの特徴
アジアにおけるライブの特徴として、慣習的に、チケットの種類の中にVIP特典をつけるということがよくあります。これは各アーティストマネージメントおよびレコード会社さんと相談して決めていますが、ワンマンライブで特典として、撮影会やハイタッチ、握手会みたいなことをよくやっています。
アジア、でのライブは、特典によってチケットに付加価値をつけるサービスが割と一般的でして。ファンサービスはもちろん、付加価値付きのチケットはファンのニーズが一番高いということもあり、VIP特典をつけています。もちろん、参加する観客に喜んでいただいて、また次のライブに来てもらえるような関係作りも含めてのVIP特典と思っております。
また、ここ3年ほど弊社がよくお仕事をさせていただく、哔哩哔哩(ビリビリ)という中国のネットメディアがあります。中国ではネットメディアの力が非常に大きいのですが、嗶哩嗶哩さんとはこの数年、ライブイベントでご一緒させていただいております。
今年はメルセデスベンツアリーナで3日間イベントを行いました。そのイベントの中の1日が、「Bilibili Macrolink StarPhaase」というイベントと「Anisong World Masturi」という日本のイベントとのコラボレーションという形で実施しました。
実行委員会には、たくさんのレーベル、マネジメントなどに参加いただきつつ、委員会以外のレーベルさんからもアーティストさんに出演いただいた結果、約11,000枚のチケットが30秒で即完売という状況でした。
こういった形の、中国にオールジャパン的な形で一丸となってイベントを行うような試みとしては、これまで実現できていなかった形での成果を残すイベントが実施できたのかもしれません。
我々が中国でイベントを実施するにあたって現地のメディアといい形で連携し、メディアとのコラボレーションで中日Win-Winの関係を作っていくことも中国において非常に大事なことだと考えています。
中国の色々な地方で、アニソン・ロック等、様々なジャンルのイベントが行われていますが、近年、アニメ系の展示会は上海はもちろん、広州や成都、北京さらには広く地方都市など全国各地で行われています。
この2年は、目立って多くなってきておりまして、そういったイベントのブッキング調整をさせていただいたり、「イベントからオファーが来て挑戦してみたいんだけれどそのイベントの実体がよくわからない、行って環境がどうなのかわからない」といった様な相談をよく受けています。
そういった部分も弊社がリサーチをして、日本人のアーティストが初めて行く中国において、なるべく心配事なくイベントにトライできたり、良い環境でステージに立てるようサポートさせていただくことも、弊社の重要な業務にしています。
そういったイベントを通じてアーティストやマネージメントの方々にも「中国にもファンがいっぱいいるし、今後の海外進出においてポジティブな場所だ!」と思っていただければと思っています。
また、形態の違う試みとしてですが、ライブビューイングについて少しお話をしますと、現在中国では日本の様な映画館での生中継というのはできないのですが、日本でのライブビューイング映像をお借りして、上海、広州などを中心に1000キャパぐらいのライブハウスを借りて、上映会という形でイベントも行っています。
こういった手法のイベントも、日頃近くで見ることのできない日本のアーティストのイベントを立体的に楽しむという意味では、中国のファンたちは喜んで盛り上がってくれますので、今後数を増やしていきたいと思いますし、アーティスト側にとっても、ある種のテストマーケティング的にトライする意味のあることかなと感じています。。
中国はオンラインの国
先ほどMaggieさんのお話にも出ていましたが、中国では基本的にFacebook、Instagram、LINE、Google、Twitter、YouTube等の閲覧ができません。そのかわり、それに代わるメディアがあります。まず微博(ウェイボー)。
微博はいわゆるTwitterに代わるもので、今ユーザーが約5億人と言われています。そしてフォロワー数が7,500万人という有名人がいたりします。7,500万人のフォロワーですから、これは非常に大きな宣伝ツールになっています。日本人でもフォロワーが400〜500万人いる方もいらっしゃいます。
宣伝メディアとして日々我々が使っているのが微博と、日本で言うところのLINEとInstagramを掛け合わせたようなWeChatというコミュニケーションアプリになってきます。
WeChatはコンビニや量販店での決済機能も持ったアプリで、ユーザーが現在7億人ぐらいいると言われています。
そしてGoogleに代わるものが百度(バイドゥ)という検索サイト。YouTubeに代わるものが优酷(Youku、ユークー)ほか、Tencent、愛奇芸(アイチーイー)など多数あります。先ほどお話に出た、哔哩哔哩(ビリビリ)さんもその一つになりますが、世界中のヒット映画、ドラマ、アニメ、オリジナル番組などが見れるサイトが複数あり、かつそれぞれのチャンネルごとに個性を持った動画サイトが複数、存在しています。
インターネット環境は、日々変わりゆくデータですが、利用者数が大体7億人で普及率が52〜53%と言われています。私の周りにも、家にテレビはないけどパソコンはあるとか、パソコンもないけど携帯があれば、テレビの代わりにもパソコンの代わりにもなるという意味で、生活を十分満たしてくれるというような人が非常に多いのが中国の現状です。
インターネットを使ってオンライン上で買い物をしたり、情報を得る人が年々増えています。オンライン上の個人消費額、これは累計ですが108兆円で世界2位、毎年30%の規模で拡大をしています。
動画サイトの生中継は有効なツール
エンタメマーケット全体を見ますと、映画は世界2位のマーケットで、今年最大のヒット作の興収が約900億円の中国産映画。第2位が『ワイルドスピード8』で約400億円。日本の作品ですと今年に限りませんが『ドラえもん』や『君の名は。』が100億円近い興収と言われています。ちなみに2017年の海外映画でハリウッド作品を除くと、海外映画の第1位がインドの作品でした。
そういう意味でいうと、中国のマーケットは我々日本や韓国だけが狙っているわけではなくて、ハリウッドも含めて世界中が狙っているマーケットであり、世界中のコンテンツが集める場所になってきています。また、ゲームも2016年から世界1位のマーケットと聞いています。
また、中国は国土が広いですからコンサート会場には行けないいけれど、動画サイトの生中継を通じてライブを観る人が増えてきています。今年、哔哩哔哩さんとご一緒したメルセデスベンツアリーナでのフェスティバルも、我々が関わった日本人アーティストが出演した日は、著作権の問題があって生中継はしませんでしたが、残りの2日間に関しては、中国全土に向けて生中継を行いました。
とても広い中国の中で、会場まで来られないお客さんにライブを届ける生中継は有効な手段とされています。人気アーティストには生放送の視聴者数が、1億人ということもあったり、コンテンツによっては数百万、数千万のファンへの発信が可能だったり、アーティストの認知や、イベントの開催を広める上で非常に有効なツールだと思っています。
映画やブランドの新商品などの記者発表も生放送がスタンダードで、メディアのカメラが入ったら基本的には生放送されているみたいなところも、ネット社会の有効な宣伝方法かつ日本とは違うところですかね。
日本では、なかなか生放送で制作発表をやるという機会は多くないと思いますが、中国での記者会見にアーティストが参加していただく際に、「生なんですか!?」と驚かれたり、イベントでも生放送があることがギリギリでわかって、「権利問題どうしよう?」ということが多々起こるので、我々も事前の確認事項として、生中継に関することは必ず入れるようにしています。そんなところもちょっとした習慣の違いでしょうかね。
中国の大都市部から地方へライブマーケットを拡げる
中国のライブマーケットの市場規模おおよそ7500億円とされています、これには色々なイベントも含んでいますので、音楽のライブだけだと約2700億円くらいの規模と言われています。現状で言いますと、ライブの開催都市は北京、上海、広州といった大都市が中心です。
ただ昨年から地方のイベントが急激に増えているんですね。また、先ほど映画マーケットの話をしましたが、地方にシネコンがたくさんできて、それまで映画を観に行く環境になかった地方の人たちが映画を観に行くようになったのが、中国の映画マーケットが急激に伸びた1つの要因だとも言われています。
それと同じく、ライブマーケットも先ほどの地方でのイベントを増やそうという傾向が出て来たことによって、流れが変わっていく可能性は大きいと思っています。
現在、日本人アーティストは上海でライブやイベントを行うことが非常に多いんですが、この地方拡大の流れは、ライブにおいての可能性を拡げていけるチャンスなのではないかと思っています。
先ほどから上海以外とよく言っていますが、昨今の上海では非常にたくさんのアーティストがライブを行っているという状況があります。毎週1本とまでは言わないですが、日本のアーティストの方々のイベントも活発になっています。ここ数年、台湾や上海は日本のアーティストで賑やかな状態です。
この賑やかな状態が限られたエリアのターゲットに向いているとすれば、チャンスを逃している可能性も感じていまして、広い中国の中でいろんなエリアにライブ・イベントを展開していくのが、現地にいる会社として今後やっていくべきことなのかなと考えています。
具体的には広州や北京、内陸の成都、香港に近い深セン。このあたりが非常に人口の多い街ですし、国内のアーティストはツアーで回るエリアになります。これらの大きな都市ではアニメの展示会やロックも含めた音楽フェスが巡回している状況がありますのでターゲットになってくるかと思います。
ちなみに上海をベースに見回すと、北京―上海、上海―広州、上海―成都、上海―深センのいずれも2時間以上、飛行機でかかる距離ですので、基本的にはよっぽど熱心なファン以外はなかなか上海でやるライブには来られないというのが現実です。
例えば、K-POPのアーティストたちは上海、広州、北京、天津、大連、重慶、成都。非常に色々な都市を回っています。ちなみに中国のとある大物アーティストは約1年半〜2年かけて280公演のツアーを回ります。
中国語アーティストに関しては中国大陸、津々浦々を回ったあとに、海外を回るようなこともやってらっしゃいますね。やはり世界各国に華僑の方がいらっしゃるので、そういったところを重点地区に回っていくそうです。
まとめますと、一極集中のライブを上海で行って、それをネットの生放送で全国に観てもらうみたいなやり方も1つですが、日本のアーティストが47都道府県どこまで回れるかみたいなことをやるのと同じような取り組みを中国でやるのもアリだと思いますし、日本ツアーの後に台湾、香港、中国大陸を回ることがしっかりできたら、さらにマーケットが拡がっていく可能性があります。もちろんそのためには、事前の認知を高める作業が重要になってきます。
アーティストにとって重要なのはプロモーターとの関係作り
我々はアニソン以外にもロックバンドが中国でもやっていけるような場所や環境を提供できればともちろん思っておりまして、そこを目指して頑張っていきたいと思っています。
中国でのコンサートでは、最初に一番高いチケットと一番安いチケットが売れます。高いチケットは前で見られる、安いチケットは学生さんでも気軽に買えるので。iPhoneも然りですけど、自分の欲しいものは何かを犠牲にしてでも手に入れたい、という気合の入った日本文化好きの方も少なくないです。
先ほどから申し上げていますように、上海や台北ではアーティストの供給が増えてきている分、お客さんを食い合うみたいなことも起こりかねないリスクを、上海や台北のマーケットを見ていて最近感じます。
そういう意味で言うと、我々も地方巡業も含めてきっちりできるようになっていかなければいけないですし、アーティストのみなさんにも相談しつつ、ライブの時期の調整、場所の選定といったことも今後考えていくべき課題かと思います。
また、アーティストサイドからするとプロモーターとの関係作りは重要です。最近、日本のアーティストを呼ぶのがトレンドになっていますが、今、日本のアーティストはお客さんが入る、チケットが売れる、と思われているプロモーターさんが増えてきています。
ただ供給過多で、時期が重なったことが原因で、お客さんの入るコンサート・入らないコンサートが出てきているという現状もあります。あまり実績のない中でアーティストを呼ぼうとする新しいプロモーターさんもいます。
そこでの注意点としては、ライブの実施のできるライセンスを持っている会社か?きちんとイベントの申請ができるかとか、外国人の就労ビザへの認識をきっちり持てているのかなども、注意していただかなければいけないポイントかと思います。
また、中国の新規プロモーターさんの中にはアーティストを呼ぶという実績作りが目的で、それを拡大させていくことが目的ではない人たちもいたりします。
ギャラ制で契約をして、あとは現地がどうなっているのかを知らないままいくと、キャパ1000でも実売200枚、残り800人は動員して「私たちと組むと、会場が一杯になりますよ」というようなことが中にはあったりするんですね。
私たち現地のプロモーターのところにも「お客さんを入れてくれませんか?」みたいな話はよく回ってきます。ですから、中長期でライブ規模を拡大していくのであれば、プロモーターさんとの取り組みの中で、券売という部分はかなりこまめにチェックをされるのがいいと思います。
中国は日本のツアーの延長線上における大きなマーケットです。飛行機でも3時間ぐらいの場所で、飛行機代も他の海外に行くことに比べれば高くはないので、マーケットとして上海などはやりやすい場所だと思っています。
そこからさらに国内で地域を拡大して大きなマーケットへ広げていければと思います。ライブハウスから回を重ねて、アリーナを目指していくというように、単発で終わらせずに、日本同様イベントや様々なライブにトライされるのがいいのではないかと考えています。
単発のライブではなく継続的な事業プランが大切
少しコンサートの申請について話をします。これはプロモーターさんにお任せすればよいことではあるんですが、申請をして国の許可が下りないとコンサートはできません。コンサートをするには主催ライセンスを持った会社が、イベントの官庁、文化局や公安局に申請をしまして、その許諾がおりて、ようやくライブができます。
申請してもなかなかライブができないイメージがありますが、きちんと書類を申請して担当の官庁と話をすれば基本的にはイベントができます。
申請に際しては、パスポートやイベントの内容、歌唱楽曲、歌唱の過去の映像、歌詞の中国語訳、どんな映像が出るかとか、出演アーティストの承諾書みたいな資料一式が要求されますので、要求資料をまとめて、官庁に提出をしまして10日ぐらいで申請が受理されます。
そして受理されてから約20〜30日ぐらいで、国の審査を経て、許可がおりるというスケジュールから考えると、資料準備から始めて1.5カ月〜2カ月ぐらい見て、ようやくコンサートの開催発表であったり、コンサートのチケットが販売できるというタームになっています。
必ずしもすべてのイベンターがこの順番を守っているわけではありません。上手くやる会社もあれば、慣習というか、日常的に多少フライングで発表することは、よくあるといえばよくあります。
ただその手のことを間違えると、本来できるはずのイベントの許可がきちんとおりないことがありえます。ですから、開催には多少時間がかかると理解してもらったほうがいいと思います。
アジアマーケットでいうと台湾や香港、シンガポールは、中国と比べると申請もシンプルです。ただ日本のように十分な数の会場はなかったりしますので会場の予約等も考えると、それなりに早い時期に準備を始めることが必要かとは思います。
では、現地プロモーターが何をやっているのか説明しますと、ブッキングから申請作業、ビザ申請、チケット販売、会場の運営。そして中国はまだ残念ながらダフ屋が非常に多いです。
ダフ屋の偽物のチケットから、人気公演になると偽物のパスがでてきたりします。下手したら首にぶら下げる紐までコピーされた偽物も出てきます。そういう意味では、大きなイベントをやるときにはセキュリティ対策もきっちりやらなくてはいけません。
制作はステージのデザインや設営、機材手配ですね。それとバックヤードや物販の輸入。物販に関して中国で制作というケースも最近増えていますので、そういったところのサポートもしています。
あとCDは、国で認められた著作物でないと販売できないので、現在は、日本のCDを販売できません。
またアーティストケアの側面で言いますと、言語フォローだったり、何を言ったらお客さんが喜んで、何をやってはいけないか、のようなこともアーティストと話し合いをしてから、イベントに取り組むようにしています。国から許可を得て行うイベントなので、そういったところをきっちりサポートしていくのがプロモーターの仕事です。
あと機材について、ライブハウスレベルも含めて、日本では当たり前の機材が中国では扱いがない、使えないということがよく起こります。データの読み込みや、機材の互換性みたいなことのトラブルもあります。
大規模ライブで驚かれるのは、先ほどのメルセデスベンツアリーナで、セキュリティを80〜100人発注することです。国の許可を取るのに、セキュリティの配置図の提出から、安全管理をすべて提出した上でイベントの許可を取りますので、大きなイベントの前には必ず消防署や警察署とミーティングをしています。
最近、日本のイベントが中止になることはあまりないですが、たまにそういったことがあると「政治的要因だ」と言われたりしますよね。でも、正直我々から見ると、きちんと然るべき申請をしていない結果、中止になっているんではないかと思うことが多いです。
申請からライブまでの日程の帳尻があってなくて、申請許可がおりるのがイベントの後、みたいなことはよくあります。我々はそういうことを避けるために、慎重に話をさせていただいております。
また、一過性の海外ツアーにしないために重要なのは、ファンの拡大というのは大前提ですが、やはり黒字化だと思っています。ここに関しましては、不安だから大勢のスタッフで行くのではなく、現地プロモーターといい関係を築いて、信頼関係の中でなるべく人数を抑えていくことが重要です。
現状、日本のアーティストは1000キャパ、500キャパのライブハウスからスタートすることが多いので、その状況下で人数をいかに圧縮するか、上手くやりくりしていくのがよいのではないかと思っています。
中国のファンは日本の音楽に対して今、非常に興味を持っています。アニメだけでなく、ロックもポップスもそうです。
そういう意味で言うと、待ってくれている人がいるので、単発のライブではなく継続的な事業プランみたいなものを、考えるのがいいんじゃないかなと思いますし、ぜひ中国でのライブにトライされる方や、ご興味のある方々と、一緒に挑戦をさせていただける機会があればと思っております。