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第6回 ライブ・エンターテイメントEXPO が2/27より開催「展示会・セミナー含めて、過去最高のものができあがっています」

インタビュー スペシャルインタビュー

▲(左から)リード エグジビション ジャパン 事務局次長 近藤純一さん、取締役 事務局長 岡部憲士さん

年間62分野、231本の業界見本市を開催する、日本最大級の見本市主催会社であるリード エグジビジョン ジャパン株式会社。同社の主催する第6回「ライブ・エンターテイメントEXPO」が、2月27日から3月1日にかけて幕張メッセにて開催される。同イベントはライブ・エンターテイメントやイベントに関する演出機材、グッズ、チケッティングなどの各種サービスが一堂に会する国内最大級の見本市で、昨年に続き、今年も「イベント総合EXPO」、「スポーツビジネス産業展」、「地方創生EXPO」と4展同時開催される。このインタビューでは、昨年までの手応えにはじまり、今年の展示会の見どころやこだわり、業界のトレンド、そして展望をうかがった。

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4展同時開催により出展社のビジネスの幅がさらに拡大 今年は490社が出展

― まず、昨年までを振り返っていかがですか?

岡部:昨年は過去最多の出展社数を集めて開催しましたが、一言でいえば、非常に盛況でした。今年で6回目の開催となりますが、過去最多の490社が出展する予定で、これまで毎年出展企業が増えています。

このライブ・エンターテインメントEXPOは、ライブ・エンターテイメントを行なうために必要なあらゆるものが出展するという、非常にユニークな展示会です。この分野では日本最大規模、かつ来場者も非常に多いということで、大好評をいただいています。

サポート体制としても、ディスクガレージの中西代表をはじめ、エイベックスの黒岩社長やZeppライブの杉本代表、アミューズの畠中社長、ホリプロの堀社長など、本当に錚々たるライブ・エンターテイメントを牽引する方々にアドバイザーになっていただいています。

業界の方々といつも言っているのが、やはりライブ・エンターテイメント業界をもっと盛り上げていこうということ。もちろんビジネス的に大きくすることも重要ですし、さらにライブ・エンターテイメント業界を目指す若者を増やしていくことが彼らにとって今非常に重要な目標にもなっています。そこに我々も、このような国際見本市を開催して貢献していきたいということで、同じベクトルを持って進んでいます。

― 昨年から4展同時の開催(ライブ・エンターテイメントEXPO/イベント総合EXPO/スポーツビジネス産業展/地方創生EXPO)となりましたが、どのような影響がありましたか?

岡部:まず、出展社のビジネスの幅が広がりましたね。より多くの商談が行われる場になったのが前回でした。

「ライブ・エンターテイメントEXPO」ですので、いろいろなライブ・エンターテイメントを支える企業が出展をして、ライブ・エンターテイメント業界の方々が来場してビジネスを行うというのがもともとのコンセプトだったんですけれども、イベント展に加え、昨年から新たにスポーツビジネスと地方創生の展示会も同時開催したことで、スポーツ産業や自治体からもたくさんの方々が来るようになりました。

スポーツ業界も、たとえばJリーグであればスポーツを観せるだけじゃなく、他にもいろいろな演出やライブパフォーマンスでファンを獲得していくというフェーズになっていて、スポーツ業界の方々もこのライブ・エンターテイメントEXPOに足を運ぶことでビジネスにつながります。

地方自治体も、ライブコンサートを含め、地方・地域活性化イベントを非常に盛んにやっていますから、地方創生展をとなりで開催することで、地方自治体の方々もライブ・エンターテイメントEXPOやイベント総合EXPOに足を運んで、いろいろなものを発注していくわけです。

様々な方がお越しになりますが、すべてイベントやライブ・エンターテイメントにつながってくるような、本当に、いい意味での幅の広がりが出てきました。非常にユニークな組み合わせですが、「こんな会社知らなかった」と、ますます商談が活発に行なわれる展示会になりました。

昨年も、新しい演出に新しいグッズ、新しいチケッティングシステムを導入したなどと、まとまった商談の例を挙げれば、枚挙にいとまがありません。 ここに来ないと最新のものが見られない、わからないというようにもなってきているので、音楽業界の方々、あるいはライブ・エンターテイメント業界の方々は必ず来る展示会になってきています。

ライブ・エンターテイメントEXPOも見られるし、 なにかちょっとしたイベントをやりたい方はイベント総合EXPOも、さらにスポーツ産業や地方創生の展示会も見られるしということで、 本当に様々な自分たちのビジネスに役に立つものが幅広く見られるんですよね。 

 

 

グッズゾーンが拡充 eスポーツや8Kスーパーハイビジョンにも注目

― 今年のライブ・エンターテイメントEXPOでの新たな取り組みについてお聞かせください。

岡部:力を入れているものはいくつかあるんですが、その1つがグッズ関係です。今回グッズゾーンは昨年からさらに規模を拡大して、1000種類以上のグッズが並びます。「こんなものがグッズになるのか」というものもたくさん出ています。

ご存知のとおり、今、ライブ・エンターテイメントではMD(マーチャンダイジング)での収益が非常に重要です。一般的なタオルなどはもちろんですが、よりおもしろいものをみなさん探していますので、MDに興味のある方やMD担当の方には欠かせない場です。

また、グッズのカンファレンスも実施します。ぴあ総研の所長である笹井裕子さんをモデレーターに、アミューズ、エイベックス、吉本のMD担当の方たちが「成功するグッズ戦略」をテーマに対談するんですよ。今、非常にグッズで成功しているこの3社に「こんなの面白いよね」「こんなのが失敗した」などいろいろお話しいただくので、MD関係の方にはぜひ参加していただきたいです。このセミナーも無料ですから。

― このようなセミナーも無料で聴けるのがすごいですよね。

岡部:2つめは、ライブ・エンターテインメントEXPOの中で、eスポーツのエキシビションマッチを開催します。eスポーツは音楽業界とのコラボレーションが盛んですし、ソニーミュージックやエイベックスも参入するなど、 新しいライブ・エンターテイメントとして非常に注目を集めています。まだ観たことのない方もたくさんいると思いますので、eスポーツがどのようなものなのか体験してもらえたらと思います。

また、eスポーツの大会を主催するJCGが、ビジネス向けのeスポーツの使い方をプレゼンテーションします。さらに、日本最大級のeスポーツの協会である日本eスポーツ連合の浜村副会長が、世界のeスポーツ事情や、今後日本でどのように広がっていくのかなどを語ってくださるので、eスポーツのことが非常によくわかる場になっています。

それから3つめとして、 8Kスーパーハイビジョンシアターを展示会場の中に作るんですよ。 300インチの8K映像と22チャンネル、つまり22発のスピーカーを会場に仕込んで、 超立体音響と超高精細のパブリックビューイングが体験できます。2020年のオリンピック、あるいはライブ・エンターテイメントもこういった音響と映像を使ってこれから拡大していくんだという1つの指針がこの場で得られます。

近藤:おととしも8Kスーパーハイビジョンの展示がありましたが、今年はさらにパワーアップしています。前回はリオ・オリンピックを上映しましたが、今年もスポーツや紅白歌合戦など、なにか新しいものを上映する予定です。

岡部:それから基本情報ですけれど、もちろん演出機器や照明、音響、チケッティングといった各ゾーンも充実していますので、読者の方にはぜひとも来ていただきたいです。

 

 

事務所・ファンが求める「価格が高くとも満足感のあるグッズ」

 

ライブ・エンターテイメントEXPO

― グッズについて、もうすこし詳しくお話をうかがえますか。

岡部:初出展の企業もたくさんありますが、スワロフスキーのグッズですとか、 アーティストやサッカーチームのロゴを入れたホットサンドのつくれるホットサンドメーカーなどもあります。

― インスタ映えしそうですね。

近藤:フェス会場とかでよさそうですよね。

岡部:チームオリジナルのけん玉なんかも作れますよ。キーホルダーでも、プラスチックのものから重厚な金属のものまであったり。あとは、オリジナルのキューピーちゃんが作れたり、 QRコード付きのチョコレートや香水があったり、いろいろなものがあっておもしろいんです。

― 年々グッズに対しての需要が大きくなっているんですね。

岡部:アーティストのコンサートに行くとグッズに長蛇の列ができていますよね。最近は事務所としても価格帯をどんどん上げていきたいという考えがあって、一方でファンの方々もいいもので満足感があれば多少高くてもお金を出すという人たちが多いので、価格帯が高く、かつ満足感につながるものを見つけに来られるんですよね。

― ファンからの需要も高まっていると。昨年からどれくらいスペースを拡大されるんですか?

岡部: グッズゾーンはだいたい1.5倍くらいですね。会場全体としては、ホールを1つ拡大して開催します。

 

演出機器のエリアを、より実際の演出に近い形で見られるよう改善

― とくに注目の出展社はどこですか?

岡部:ステージ演出・テクノロジーゾーンは、みなさんかなり気合を入れてますね。 映像センターやブリッジリンクなどは大規模な演出機器を持ち込まれると聞いています。シネ・フォーカスは、最新のホログラムの機械を使ったライブ演出やイベント演出をパフォーマンスすると聞いています。

― 演出・機材 ゾーンでは規制を緩和して、より実際の演出に近い見せ方をできるようにしていると以前お話されていましたが、今年もそれは引き続き?

岡部:そうですね。音響や照明の規制は基本的に取り払い、自由に演出できるようにしています。それから昨年すこし反省だったのが、通路が狭すぎて、込み過ぎてしまった、あまり遠くから見られなかったということがあったので、演出機器のところは通路を広げて、より実際の演出に近い形で見られるようにしています。

 

 

今年も無料セミナーに、業界の第一人者たちが登壇

岡部:セミナーもすごいですよ。ずっと張り付いて聞いていたいくらい。

近藤: まず「エンターテインメントの未来」ということで、総論を語れるのはこの方だろうというソニーミュージックの水野さん、そして今新たにエンターテイメントカンパニーになろうとしている、ぴあの村上さんにご登壇いただきます。横浜にアリーナを建設中のぴあが、今後なにを仕掛けていくのかを聞くことができます。

あと、現場の方々は、やはりどういう音楽が今後売れていくのかとか、音楽市場の未来について聞きたいという意見が多いので、今回は亀田誠治さんといしわたり淳治さんにそれらを語っていただきます。この1年あたりでお2人がグッときた曲を紹介するコーナーも設けたいと思っていますので、ここでしか聞けないお話が聞けると思います。

あと舞台関連ですと、昨年出資作がトニー賞を受賞したホリプロの堀社長、今世界にどんどん広がっている2.5次元ミュージカルの松田社長に、舞台ビジネスの今後を語っていただきます。 テクノロジー分野では、Moment Factoryの方、そしてマドンナやテイラー・スウィフトのコンサート演出などを手掛けるアメリカの大手TAITのトップ・エンジニアの方に登壇いただきます。

岡部:TAITの方が講演するのは、もしかしたら日本で初めてのことかもしれないですね。 またとない機会なので、ステージ演出をされる方は、絶対に聞いた方がいいですね。

近藤:さらに、ライゾマティクスの真鍋さんの講演も決まりました。あと、今までは演出よりもエンターテイメントの未来についての話が多かったんですけれども、より演出、テクノロジーに絞った講演を新たに行うことにしまして、ゆずやSEKAI NO OWARI、AAAなどのコンサート演出を引き受ける井實さんが自ら最新の事例を語られたり、サカナクションの演出を手掛けるチーム・サカナクションが勢揃いして、サカナクションの最新の取り組みを話してくださったりします。

岡部:チーム・サカナクションの方々のお話を聞ける機会はなかなかありませんよね。

近藤:あと、コンサートプロモーターズ協会にご協力いただき、「フェス文化 〜 20年の歩み」というセッションも行ないます。昨年フジロックが苗場での開催20周年をむかえたこともあり、これまでの歩みを振り返ろうというものでして、やはりスマッシュの方に来ていただく必要があるということで、小川さんにご登壇いただきます。スマッシュの方がこういった場に出るというのはおそらくなかったことと思います。

小川さん、そしてライジング・サン・ロック・フェスティバル主催社であるウエスの若林さんにホットスタッフの横山さんという3名が、フェス文化を振り返ります。そして、日本音楽制作者連盟に企画いただきまして、エンターテイメント業界が今後注目していくナイトタイムエコノミーについての講演も行ないます。

そして、同時開催している4展すべてに関連するものの1つがIR(統合型リゾート)で、この「IRの未来」という講演もやります。この登壇者がすごくてですね、 アメリカで大成功されているIRのホテルで、これから日本市場を担当する責任者の方が揃います。

サンズにMGM、シーザーズと、すごい顔ぶれだなと思うんですが、その方々が日本市場に対してどう考えているのかということを、日本版IRの提案も含めてディスカッションしますので、IRに注目されている方や今後参入したいと思っている方は必ず聞いた方がいいですね。

 

 

海外からの来場者・出展社も増加

― イベントの来場者層はどのようなものでしょう? 商談展ということで、決定権がある方が多いのかなという印象があるのですが。

岡部:決定権者でいうと、いわゆる役職者レベルは6、7割ぐらいですね。かなりの方々が決定権者です。

近藤:メインはやはり導入権限を持っている、ビジネスとして来ている方々ですね。

―もっと来場者を増やしたいのはどういった層でしょうか?

岡部:海外からの来場者ですね。このイベントを立ち上げたときに、ライブ・エンターテイメント業界のありとあらゆる方々が集まる展示会にしたいと思っていたので、そういう意味では、第6回にして、最初に思い描いていた展示会がずいぶんできてきたなというように思っています。年々すこしずつですけれども、アジアを中心に海外からの来場者も増えてきていまして、そこを伸ばしてアジア最大の展示会にしていくのが次の目標ですね。

― 今年とくに海外という視点で取り組まれていることはありますか?

近藤:今年はLEDディスプレイなどの映像機器の出展社に、海外の会社がすごく増えています。昨年の3倍以上になると思いますね。映像機器以外にも、いろいろな会社が出展します。国も中国、台湾、欧米など、全世界から機材が集まります。

―最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

岡部:展示会・セミナー含めて、過去最高のものができあがっています。業界の方々にとっては絶対に欠かせない場になっている自信があります。絶対に「来てよかった」、「ビジネスに役立った」、あるいは「いろんな情報が得られた」と言っていただけることと思いますので、ぜひ足を運んでいただきたいです。

招待券はウェブで請求できます(招待券がないと5000円かかります)。セミナーはウェブでの事前申し込みが必要で、定員になり次第締め切られてしまうので、興味のあるものはすぐにお申し込みください。

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ライター:坂本 泉(Izumi Sakamoto)

大学を卒業後、カナダの日系情報誌とオーストラリアの日系PR会社にて勤務。イベントレポートやインタビューを中心に、カルチャーから経済まで幅広い分野の記事執筆や編集、撮影などを行う。現在は日本を拠点にフリーランスフォトジャーナリスト/エディター/ライターとして活動。

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