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株式会社GARDENが都内に約200坪のスタジオをオープン!「GARDEN新木場FACTORY」初の配信ライブ現場レポート

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GARDEN 新木場FACTORY

株式会社GARDENが2021年5月1日にライブ配信可能な約200坪のスタジオ「GARDEN新木場FACTORY」をオープンした。下北沢GARDENを閉店してから約半年と短い間にライブホール「三宿BRANCH」に次ぐ2軒目の新しい施設だ。

オープンから暫くはミュージックビデオの撮影などで使用されていたが、今回H ZETTRIOが配信ライブで初めて使用するということで現場を直撃した。地下のライブハウスでは難しい天井の高さと広さを兼ね揃えた映像映えするスタジオ。この日はなんと360度カメラに囲われた配信に視聴者から「今日はカメラワークも最高!」「ステキな配信をありがとう」といった声が上がっていた。

取材日:2021年6月20日 取材・文:柴田真希 撮影:加藤春日

最寄り駅はりんかい線・有楽町線の新木場駅。USEN STUDIO COASTを越え数分歩くと、工場の並びに青い看板の建物が目に入る。こちらがGARDENの新しいスタジオ「GARDEN新木場FACTORY」だ。

GARDEN 新木場FACTORY

左手の白い建物は1階がミーティングルーム・2階がオフィスとなっており、3階はVIP ROOMとして使用可能。入り口を入ると駐車場・ユーティリティスペースとなっており、観客を入れてライブを行う際には物販にも使えそうな広々とした空間が広がる。

GARDEN 新木場FACTORY

©GARDEN

GARDEN 新木場FACTORY

スタジオの扉の横、目に飛び込んでくるのは見慣れたロゴの看板。ここには全部で3箇所、下北沢GARDENで使用されていた看板がそのまま設置されているそうで、その系譜を引き継いでいることに顔が綻ぶ。訪れた際には全て探してみたいところだ。

GARDEN 新木場FACTORY

そしてドアを引くと、縦長のスタジオが広がっている。約200坪にもわたる広さを持つこのスタジオは、元々鉄工所だった場所を3カ月ほどかけ、GARDENのスタッフ一同も協力して作りあげたというから驚きだ。天井には工場だったときのクレーンもそのまま生かされており、無骨だが温もりのある場所になっている。

レイアウト自在の可動式ステージは様々な形で使用可能。縦長の空間を生かしてファッションイベントではランウェイを作ったり、複数ステージを作ることもできるそうだ。ステージがある箇所をそのまま奥へ抜けると、ラウンジ・メイクルームにつながっている。

GARDEN 新木場FACTORY

左:メイクルーム/右:ラウンジ

GARDEN 新木場FACTORY

ラウンジ ©GARDEN

GARDEN 新木場FACTORY

メイクルーム ©GARDEN

ラグジュアリーな空間に仕上がっており、取材や配信ライブの合間のトークショーなどでも使えそうだ。

GARDEN 新木場FACTORY

©GARDEN

部屋の奥からは、そのままベランダへ出ることができる。運河沿いで、海が一望できる開放的な空間となっている。メイクルームとラウンジはベランダで繋がっており、今回のH ZETTRIOの配信ライブでは序盤、ここでメンバーがトークする演出で使用された。平日は工場の夜景が綺麗だろう。

GARDEN 新木場FACTORY

さて、この日はセンターステージをカメラが360度覆う形での生配信ライブ。暗幕で囲われての撮影だったが、ミュージックビデオの撮影などではグリーンバックも使用できる。

GARDEN 新木場FACTORY

GARDEN 新木場FACTORY

ステージの周りには3分の2ほどカメラが動くレールが敷かれており、2時間余りの配信中、絶えずスタッフが3人体制でカメラを持ち動いていた。

音響/運営は以前のライブハウスから移ってきたスタッフに加え、スタジオスタッフに20代のフレッシュな新人が数名入ったそうだ。代表の井上氏曰く「経験値も重要ですが、変化していく状況や新しいことを面白がれるという才能も大事だと思っています」とのこと。

GARDEN 新木場FACTORY

ドラムの後ろにもカメラが控える。メンバーそれぞれの横に固定カメラと、数台の手持ちに加えてレール上などかなりの台数が用意されていた。

GARDEN 新木場FACTORY

そしてこの日一番驚いたのは、天井にあるカメラからの映像だ。3人の立ち位置もよく分かり、レールを動くカメラの映像と交互に映ることで視聴者は臨場感を感じることができた。実際、YouTubeの無料配信では総計3,000人以上が視聴し、絶えずコメントとSuperChatが行き交っていて反響も凄まじかった。

GARDEN 新木場FACTORY

コロナ禍、下北沢GARDENはいち早く配信ライブのための機材を導入し、クオリティの高い配信を数々行ってきた。しかし下北沢の店舗では天井が低く、ステージもこじんまりとしており、更なる環境を求めた結果が今回のスタジオの開設だ。

照明は高い位置から複数の層で当てることができ、広々とした空間を使い自由で適切な位置から撮影もできる。数多くのミュージックビデオを手がけてきた映像作家でもあり、ライブハウスの運営に携わってきた井上氏の視点があってこそ実現できた、音楽ライブ配信にベストな環境だ。

GARDEN 新木場FACTORY

井上氏は、ツアーの中で無観客の配信ライブを挟んでもらうことで、これまでツアーファイナルに撮影を入れていたときよりも低コスト・高クオリティの配信が実現できると提案する。有観客でライブが実施されるようになったとしても、気軽に見ることができる配信ライブの需要がなくなることはないだろう。昨年からオンラインライブを20公演以上行ってきたというH ZETTRIOに、実際に使用した感想を訊いた。

H ZETTRIOよりコメント

コンサートホール、ライブハウス、スタジオ等、色々な場所でやってきましたが、ここはアフターコロナを意識して設立したスタジオという事もあり、とてもやりやすかったですね。特にバックヤードは快適で気持ち良かったです。海辺のオープンエアーのテラスはくつろげました。

今回は通常のライブステージのセッティングでしたが、ガレージ感を活かしたセッティングや天井が高いのはもちろん、これだけ奥行きがあるスタジオも珍しいので、アイディア次第ではもっと面白いことができそうですね。

やはりリアルライブが一番ではありますが、これからは配信ライブももっと定着していくと思いますので国内だけでなく、全世界に届けられると面白いですね。大規模な配信フェスで海外アーティストとコラボなんて面白いかもしれません。色々考えたいと思います。

株式会社GARDEN 代表 井上哲央氏よりコメント

空間としての面白さ、テンションの上がる雰囲気というのを大事にしたいと考えています。ラウンジやメイクルーム、テラスなどのバックヤードでもリラックスして非日常的な雰囲気を感じられるような環境づくりを心がけました。

アイデア次第で「新しい何かが生まれる場所」として面白がってもらえるような雰囲気を狙っています。今後はMV/CMの撮影に加えてアーティストの配信ライブ、ファッションイベント、ゲーム配信イベントなども予定しています。

通常のミュージックビデオ撮影やライブ配信での使用はもちろん、何か新しいアイデアがあったら一度問い合わせてみてはいかがだろうか。これまでありそうでなかった配信ライブに特化した大規模スタジオの登場が、今後のエンタテインメント業界を活性化する一つのフックとなることは間違いない。