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音叉点──音楽と●●の交差点 第十五回ゲスト:イマムラタイチ(カフェ クウワ)

インタビュー 音叉点

イマムラタイチ(写真左)河野 太輔(写真右)

「音叉点(おんさてん)」とは「1.音楽と●●が交差するところ 2.チューニングされるきっかけ」を意味する言葉である。ライブハウスでは日々沢山の音楽が鳴り、音と音が混ざり合い音色となるように、人と人が出会うことで新しい物語が始まっている。

この対談ではそんなライブハウスの一つ、渋谷La.mamaでブッキングを主として物語を紡ぐ河野太輔が、音楽に関わるゲストと毎回異なるテーマを切り口に相手との「音叉点=チューニングされるきっかけ」を見つけていく。河野とゲストの会話で、誌面がまるでライブハウスのように広がりを持っていく過程をお見せしよう。

第十五回のゲストは、埼玉県久喜市にある古い洋裁店を改装した「カフェ・クウワ」の店員でありながら様々なことに挑戦し、「好き」を伝える26歳の青年・イマムラタイチさん。

「東郷清丸 ×真舟とわ」や「王舟×Ålborg」などが出演する、週末にわざわざ行きたい特別なライブ『とうとう』、そして「最高な音楽をとにかく体験してみよう!」をモットーに、ジャズやクラシックを投げ銭制でカジュアルに楽しめる場、そして自身で価値を決める練習の場としても好評なイベント『トーチとおんがく』。さらにはInstagramでの一人語りラジオ『愚問愚問』、音楽を聴きながら絵を描く“一人ライブペインティング”など、表現することに真剣に向き合い続けている。

東京での会社員生活を辞めた過去もありながら、今では地元でのびのびと好きなことに真っ直ぐ向かっていく姿勢は、東京に限らず、「やってみたかったら、やるだけ」だと勇気をくれる。河野さんが渋谷La.mamaで制作するイベント『Wordplay』『PLAY』を意識していたというイマムラさんを尋ね、「東京」をテーマに対談を始めた。

取材日:2024年1月23日 場所:カフェ クウワ (cafe couwa)  取材・文:柴田真希 撮影:加藤春日

プロフィール

河野 太輔(かわの・だいすけ)


1985年1月生まれ。宮崎県出身。自身のバンドでドラマーとして活動後、2005年にLa.mama に入社。入社後はイベントの企画制作、新人アーティストの発掘や育成、レーベル運営など活動は多岐にわたる。


イマムラタイチ


1997年生まれ ENTPA 埼玉県久喜市菖蒲のカフェクウワの店員。最近やっていること→音楽イベントの企画制作『とうとう』『トーチとオンガク』、BGM選曲係、1人喋りインスタライブ『愚問愚答』、絵を描く、話し相手、トキメキ企画の紹介。 お気軽に、あなたのやり易い方法で連絡をください。というスタンス。

X(旧Twitter) / Instagram 


 

いろんな音楽から常に恩恵を受けているので、どこかで恩返しをしたい

河野太輔(以下:河野):いつからここで働いているんですか?

イマムラタイチ(以下:タイチ):2020年ですね。大学を卒業してから3ヶ月は会社員だったんですけど、心身ともに病んで辞めて、埼玉県久喜市の実家に帰ってきたんです。音楽は好きだったので、時々ライブもやっているということでここカフェ・クウワに漂着して、月に1本程度でイベントを組んでいます。そのタイミングで電車に乗れなくなっちゃったんですけど、ここなら実家から車で通える場所だったこともあって。

河野:場所とアーティストの繋がりが感じられる温かい空間ですよね。今日初めて来てみて、お客さんがこの場所を好きな理由がわかりました。

タイチ:僕もこの場所が大好きです。大学生の時は「東京」にいたんですけど、下北沢や渋谷のライブハウスの空気が、僕はあんまり肌に合わなくて。これ、よかったら。今度2月25日にやるイベント*の来場者に渡す、マッチ箱風のフライヤーです。

提供:イマムラタイチ

河野:いいですね。

タイチ:メールと電話で予約を取っているので、チケットの半券の代わりにこれがあれば、後でここで過ごした時間を愛でてくれるかな、と思って。フライヤーのイラストを描いてくれたのなかあやみさんがマッチを好き、というところから発想して作りました。ブックレットマッチの工場って、もうないらしくて、型紙から再現して作りました(笑)。こういうことに時間をかけられるペースも、自分に合ってます。

*編注:2024年2月25日(日)開催『とうとう vol.5』王舟とÅlborgが出演

河野:素晴らしいですね。La.mamaでも入場時に出演者の名前が入ったチケットを渡しているんですけど、イベントごとに考えて作るところまでは僕はなかなかできなくて。

タイチ:月1本の頻度で45人規模だからこそできることですね。フライヤーって、作家さんがこちらの意図を汲んで何パターンか試作してくれて、やり取りしながら、最終的にようやく出来上がるじゃないですか。そうやって丁寧に作られたものを消費されるのが悔しくて。『とうとう』1回目NRQと池間由布子さんに出演いただいた時は、2組の異質な感じを紙の質感で表現して、2種類の紙に刷ってお客さんに渡しました。河野さんはいつからLa.mamaでブッキングをしているんですか?

河野:20年くらいです。

タイチ:すごい。

河野:全然飽きなくて、毎日真っ白な画用紙に絵を描くような感覚で仕事ができてますね。

タイチ:月何本くらいやるんですか?

河野:今は平均すると、8本前後です。

タイチ:多いなー。

河野:前は月に14本くらいやっていたんですけど、続けていく中で、1本1本に時間をかけたい気持ちが強くなってきて、本数を押さえるようになりました。それでもこのフライヤーとかを見ていると、十分に時間をかけられていない焦燥感もありますね。東京ではどこもかしこもライブをやっている中で選んでもらわないといけないので、一つ一つにかけられる熱量については考えさせられます。

タイチ:ここはわざわざ車やバスで来ないといけない場所なので、その分濃密な体験を持ち帰ってもらいたくて、色々考えてます。2月25日はÅlborgに「Lemon Cake」という曲があることから、限定でレモンケーキを作ってみようと思ってるんですよ。

河野:いいですね!ここに来た人は必ず全員いい顔をしてるな、というのが目に浮かびます。

タイチ:嬉しい。クウワでは土日に開催していて、わざわざ足を運ぶ非日常を作っている。週末の予定として楽しみにできる場所が、東京から遠くはない場所にあるっていうことを、提示していきたい。最初はブッキングをやるぞ、と思ってイベントを始めたんですけど、いつの間にか領域が広がってきて、トークライブでうまく話せるようになりたくて始めた一人語りラジオ「愚問愚問」をPodcast化しようとしてみたり、絵を描いてたらいつの間にかフライヤーのオファーももらったりして(笑)。毎日試行錯誤しながらですけど、楽しくて仕方がないです。根底では、いろんな音楽から常に恩恵を受けている恩返しをしたいんですよね。

 

東京を面白がれる性格じゃなかった

タイチ:この間3年ぶりくらいに渋谷に行った時、たくさんの人とすれ違ったんですけど、全員イヤホンをして、とにかく前の人の頭を見て歩いている光景に驚いて。あんなに人がいるのにみんな険しい顔をしているのが怖かった。

河野:東京って本当にやりたいことに出会える街でもあるから、目標を見据えた生活ができていれば全然問題ないけど、ふとした瞬間に「自分は何と戦っているんだ」と思うことってあるじゃないですか。たとえば嫌な上司とか、電車で隣に座っている他人とか。そこにイライラして視野が狭まるくらいだったら、離れた方が絶対いい。

タイチ:確かに、みんな漠然と、何かと戦っているように見えた。3年間くらい離れたからかな、客観的に見ることができて、今ここにいることを自ら選択できていることに安心しました。俺はここでのんびりと、好きな音楽とも関われているけど、東京にいたら今の状態には絶対なっていないだろうと思います。東京を面白がれる性格じゃなかった。

河野:あれだけの人がいると、干渉しないようにしないと、自分を保てないですよね。自分の家とか職場とか、それぞれのバランスを一人一人丁寧に考えることができたら、もっといい顔になると思います。だからライブハウスを、家と職場や、家と学校の間に入れて欲しい。それもあって、僕の場合平日にあえてイベントをやってるんですよね。

タイチ:なるほど!ライブハウスがサードプレイスとして日常に入ってくれば、自分のニュートラルを探ったりとか、自分がいつもモヤモヤしている気持ちをここで発散して、帰ることができる。「東京砂漠」の中のオアシスとして存在しているわけですね。

河野:それだけでも渋谷でライブハウスをやっている意味があります。

タイチ:河野さんのイベントを最初に意識したのはキセルとmaya ongakuが対バンしていた『PLAY VOL.131』*なんですけど、“平日の空き日をブッキングで埋める”みたいな雰囲気がなくて、東京でもこんなに挑戦している人がいるんだ、どんな人がやってるんだろう、と気になってました。

*編注:2023年10月18日(水)に渋谷La.mamaで開催

河野:その日は特に、やりたかったことができた日でした。最近は、本当に自分がかっこいいと思うことには、数字は求められるほどはつかないと分かってきて。でもある種割り切って、取り返せばいい、と思ってます。

タイチ:取り返す、というのは?

河野:会社員的な話ですけど「月にこのくらい売り上げてほしい」という話があるので、それを1ヶ月で上回るようにしてます。

タイチ:腑に落ちました。それでこの組み合わせをやれちゃうの、かっこいいでしょ!

河野:自分自身のバランスも、そうやって保っているところがあります。やりたいことや目標があるから、困難なこともやり切れる。みんなそうだと思いますよ。

タイチ:目標って生活の中の小さなサイクルで回せると、毎日が楽しく過ごせますよね。僕の場合は月に1回のイベント企画だったり、1日の中では、とにかく寝るのが好きなので、どれだけ気持ちよく布団に入れるかというサイクルだったりするんですけど(笑)、そういったシンプルな営みの維持って、最初は訓練だけど、徐々に意識しないでも癖づいてくる。

河野:そうですね。東京で生活している人にも、そういう余裕を作る手助けをしたい。みんなもう少し楽に生きてもいいんじゃない?と思うんですよね。誰でも1つや2つくらい、うまくいかないことがあると思うんです。それでも、今日は天気がいいな、とか、風が気持ちいいな、ということを感じ取れるだけで幸せで、ベリーハッピーだけが幸せでは絶対にない。小説を読んでいても、気付かされたりしますけど、僕はイベントを通してそれを伝えたいです。

タイチ:実はライブハウスとか本屋って、そういうことに気づかせてくれる場所かもしれないですね。

河野:そうそう。少し息が詰まったら、その場所に行けるというのが、東京ならではだと思うから。

 

どれだけ1回で密に関われるか

タイチ:河野さんのイベントは対バンが多いですけど、組み合わせはどうやって思いつくんですか?

河野:そのアーティストの気になった1曲を、何度も聴いて掘り下げる。MVやSNSなどの情報をあえて入れすぎず、音だけに集中しますね。そうすると、見えてくる感覚があります。多分ちょっと、変わってると思う(笑)。

タイチ:それはいいっすね!俺も音楽はもちろん聴きますけど、SNSもめっちゃ見ます。それは自分が普段ここにいて直接会うことが難しい人が多いから、距離のハードルをどうにかクリアできる方法はないか考えて、辿り着いた方法です。言葉の選び方とか、何に感動しているかとか、精神性や大切にしているカルチャーが気になる。オタクなんですよね。「この人のこと好きなんじゃないか?」と思うくらい考えます。

河野:なるほど!

タイチ:それで、メールを1本送る。自分がイメージしている情景を、言葉で噛み砕いて伝えるんです。たとえばこの街で、夜、これくらいのライトアップの感じで、冬だから澄んでいる空気の中、無音に近い空間で、アップライトのピアノが「カーン」と鳴るところに、みんなの意識が集中する。そういうことって、結構はっきりと言語化しないと伝わらないだろうな、と思っていて。メールの文章の言葉の端々まで気にします。知れば知るほど、フライヤーのデザインとかにも繋がって、当日の密度を濃くすることができるんですよね。それに1回関わった人とはまた会いたいから、どれだけ1回で密に関われるか、ということを真剣に考えています。

河野:僕は企画書だけ添付したメールを、念をこめて、送る。相手のことを知りたい気持ちはもちろんあるんだけど、音源だけ聴いて、自分勝手に悶々としている方が僕は楽しい。

タイチ:終着点は「イベント」で一緒でも、プロセスが全然違いますね。面白い。

河野:僕がその中で特に心がけているのは、アーティスト自身のテンションが上がるかどうか、です。アーティストのテンションが上がれば、それがお客さんにも何らかの形で伝わって、当日もいい日になる。だから出演する2組、3組を、どのタイミングで置くのか、ということに特化しています。

タイチ:河野さんのイベントを見ると、バチバチに伝わってきます。組み合わせはもちろんですけど、季節感とか、タイミングとかもめちゃくちゃ考えられているんだろうなって。

河野:最近は店内の装飾とか、ドレスコードへの興味が生まれてきてます。

 

大切なのは「自分が選択した毎日を生きている」という自覚

タイチ:ドレスコード、いいですね!クラムボンの両国国技館のライブ*とか、すごかったじゃないですか。お客さんに参加してもらえる仕掛けは、自分もどこかで挑戦したいです。「ステージを客席から見る」というフォーマットを、崩したいんですよね。

*編注:2011年11月3日(木・祝)に開催された、クラムボンの「ドコガイイデスカツアー」では観客に「上半身白」のドレスコードが与えられ、会場が真っ白に包まれた。

河野:わかります。La.mamaのフロアは、実は客席と同じ高さなんです。お客さんもライブに参加する、という感覚になっていくといい日になりますよね。

タイチ:楽しみ方を自分たちで選択できる、ということがとても大切。例えばそれは席の選び方一つ取ってもそうで、クウワは席によって聴こえ方が全然違うんですけど、どこが自分の好きな過ごし方ができるか、考えて選択して欲しい。そういうことを徐々に増やしたいんです。

河野:ここはお客さんも働いている人もアーティストも、自分の好きなことを選択している人が集まっているように思えます。

タイチ:そうだと嬉しいな。最近は投げ銭でライブをやってみました。日本人はチップの文化もなくて、「今日の演奏にいくら払いたいか自分で決める」ということにあまり慣れてない。でも、練習できたら豊かになりそうだと思って。カフェだから、入り口になりやすいと思うんです。ジャズ喫茶に行ってよくわからないけど前の人が5千円入れたから自分も5千円入れて、高いから来るのやめよう、となっちゃうのも悲しいから(笑)。

河野:同調圧力(笑)。

タイチ:やりやすいように、基準も示さないといけない。「牛角の一番下のランクの食べ放題が4,000円くらいですよ。じゃああなたは今日牛角の食べ放題と比べて、この数時間をどう思いましたか?」と。そういう選択が日々できるようになっていくと、楽しいと思います。

河野:大事なのは、自分が選択した毎日を生きている、っていうことを自覚したり、感じたりするっていうことですよね。そういう働きかけにつながるようなイベント、いいですね。

タイチ:僕は自分の身の周りくらいは、そうなって欲しいと思ってます。なぜならそうすることで、自分がかっこいいと思える人たちを呼ぶ企画を打った時に、お金もついてくるようになる。そのために、耕し続けることを止めちゃいけない。

 

小さな場所が続いていくために、どうしたらいいか

河野:学生とかにも来てほしいですよね。

タイチ:めっちゃ来てほしいんですよ。でもなかなか来ない。どうしても車がないと来づらいし、バスでも来れるけど、移動だけで1,000円以上かかっちゃうし、チケット代もかかる。

河野:学割とかはやらないんですか?

タイチ:今は手を出せてないですね。うちのオーナーが企画を打ち続けて10年くらい、学生は全然来ない。

河野:でも案外、このイベントの内容ならアンテナを張っている子が来ると思いますよ。

タイチ:そうなっていくと嬉しいです。こういう小さな場所が続いていくために、どうしたらいいかよく考えています。ここって行ったことがないと、おそらくライブハウスに来るよりも若干ハードル高いと思うんですよね。だから最近考えていることは、子どもが来てくれるようにしたくて。小さい時にお母さんお父さんに連れられて来てた子どもは、中を知っている状態で、高校生、大学生となった時に、来ることができる。

河野:子どもたち、来たりするんですか?

タイチ:12月に中川理沙さんとポニーのヒサミツさんのWレコ発ライブをやったんですけど、その時は結構来てくれました。中川理沙さんのアルバムが『動物の庭』だったことになぞらえて、「ぬいぐるみファンディング」としてお客さんから動物のぬいぐるみを集めて、当日子どもたちにプレゼントしたりもして。喜んでもらえたかな。

河野:いいですね!

タイチ:そういう子たちが大きくなって「こういう場所に来たら、知らないけどめちゃくちゃかっこいいミュージシャンのライブを見れるらしい」と自然と思うようになってくれると、嬉しい。そういう感覚ってどうしても薄くなってるじゃないですか。今はネットで知れるし、サブスクでも音楽を聴けるから。

河野:確かに、かっこいいミュージシャンを現場で探す、みたいな感覚は薄くなってきてるかもしれないです。

タイチ:サブスクでも音楽を聴くことはできるけど、CDのブックレットにどんな写真が使われているかは手にしてみないと分からない。その場所に行って音楽を聴いたり、いいなと思ってCDを買ったりするのって、サブスクで気軽に聴くのとはまた質が違う体験だと思うんです。だから来てくれたら、少しでも密度の高い体験をしてもらいたい。だから色々考えてます。俺が受付に立つんですけど、上下ジャージで立ってみたり。

 

「俺、ラブやで」と思ってる

河野:似合いそう(笑)どうしてジャージなんですか?

タイチ:もちろん自分が楽な服装でライブをみたいというのもあるんですけど、「こいつジャージやん、なんやねん」と思えたら、お客さんの余計な緊張もなくなるかな、と。ナメられたいですね。「お兄ちゃんここ、エアコン当たるんだけど!」とか言われたら「すみません〜」とか言って向きを変えたりできる空気感が理想です。

河野:20代の時とかは「とにかくナメられないように」という意識でやってました。真逆ですね。

タイチ:ライブハウスのスタッフさんって、かっこよく見えますよね。「多分この人めっちゃ音楽詳しいんだろうな」とか「どんな目で見られているんだろうな」とか考えちゃってちょっと緊張してました。ここではそういう雑念がなるべく排除された状態で過ごしてほしいかな。それに、俺、できることなら全世界の人と仲良くなりたいんですよね。だから出演者だけじゃなくて、お客さんみんなとも仲良くなりたい。

河野:どういうこと?

タイチ:最近聴いてる音楽の話とか、したいんですよね。シンプルに、友達が増えた方が人生おもろくない?と思っていて。だから相手のやりやすい距離感を知るために、まずはこっちから心を開いて「俺はあなたのことが好きなんですけど、あなたはどれくらいの距離感で俺と関わりますか?」と示したい。たとえば連絡を頻繁に取り合う仲になってもいいし、クウワにくる時に会釈するような仲でもいい。それは人それぞれだから。

河野:僕はこういうお店とかにいても、店員さんに話しかけるよりも、お店の中を見回しながらとにかく悶々と思いをめぐらせるタイプです。

タイチ:そういう人は、このお店のこと気になっているんだなぁ、と思って、好印象です。俺ももちろん一人で悶々としたい場所があるので、勝手にシンパシーを感じて「俺、ラブやで」と思ってる。人それぞれの楽しみ方、関わり方を大切にしつつ、でも奥にある何かをくすぐりたい。それでまた来てくれたら、嬉しいですね。